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第9回「わたしのささやかな節約:交通費編」

東京都心暮らしのわたしはふだん、とにかく歩いて交通費を浮かせている。より正しく言うと、マップと交通網を駆使して、運賃が最低限になるような移動手段を常に考えながら移動している。
その結果として歩く量が増えると、運動にもなって一石二鳥である。

具体的には、どこかに移動するとなると、「一駅前で降りれば◯円浮く」とか「◯◯線を使えば××線より△円安い」などと、常に思考を巡らせている。
たとえば、初乗り運賃から数駅の距離であれば、東京メトロよりもJRのほうが安い。しかし距離が増えてくると、運賃の安さは東京メトロに軍配が上がる。
最も当てはまる事例のひとつが、中野駅から西船橋駅への移動である。JRよりも東京メトロのほうが250円も安い。かつ所要時間はほぼ同じである。

加えて基本的には、短い距離の移動では他社線の乗り換えを避けている。他路線をまたぐほど運賃が増えることが多いからだ。反対に中距離以上になると、むしろ乗り換えたほうが安くなることが多い。
たとえば池袋から横浜に行くときは、JR一本で行くよりもJRと東急を使ったほうが170円も安い。

これは都内にいるときに限らない。わたしは京都競馬場からの帰り道は、七条駅で降りて京都駅まで歩く。そうすれば最安の運賃で帰れる(七条駅と京都駅は、徒歩12,3分の距離にある)
競馬場といえば、好きな「中山競馬場の最寄駅」は東中山駅である。競馬場からはけっこう歩くけど、運賃が安いし空いているから。

こういうことを常に考えながら移動をしている。ケチくさいと言われそうだし、否定もしないが、わりとゲーム感覚で楽しんでいる自分がいる。

こうなった原因は、大学生のときにお金がなさすぎて、常に家計に悩まされていたからである。その一方で、働きたくないという気持ちも人一倍あったため、労働はそこそこにして、節約にかなり力を入れるようになった。
その過程で、交通費を浮かせるために地図やルートなどを調べまくった結果、交通費の相場や東京近郊の鉄道網がすっかり頭に叩き込まれることとなった。
お金に困らなくなった今でも、チリツモで何気に良い節約になるので、今も積極的に続けている。

とはいえ絶対に無理はしないと決めている。急いでいるときや疲れているときは、高くても快適な方法で移動する。
そしてもうひとつ大切なことは、この節約法はひとりでいるときにのみ実践しているということである。もちろん他人との移動中に他人に強要することはないし、基本的に公言すらしていない。
これは自分のためだけの、ささやかな節約であり、頭を使う楽しみでもある。

おわり

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