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第5回「30代で振り返る就職活動(敗因分析)」


はじめに

わたしにはいくつかのトラウマがある。濃淡の違いはあれど。
そのうちのひとつが「二度の就職活動(大学・大学院)」である。どちらもまったくうまくいかず、周囲にはひたすら置いてきぼりにされ、良い思い出がまったくない。
しかしながら、30代になり時間の経過も手伝って、ようやく当時の苦しんでいた自分を成仏させ、トラウマを克服できそうなフェーズに入った気がするので、ここで書くことで成し遂げたいと思う。

最初にざっと略歴を挙げておく。
大学→大学院→新卒採用で事務職→1年で営業に飛ばされる→転職複数回→ブラック企業正社員→休職→長期無職→派遣社員(現職)

正社員をやめた結果、これまでの会社員生活で今がいちばんしあわせである。あんまり無理して働かなくていいし、薄給ではあるが生活に困っていないので……。
今になって、ようやく自分の人生を生きられていると思っている。もっと欲を言うとのちのちフルタイムをやめたいが、今の段階では、まあ及第点である。

「そもそも働きたくない」という気持ちは、大学生のころから一貫して変わらなかった。そんな体たらくなので、わたしの二度の就職活動はどちらも当然のようにうまくいかなかった。

振り返る間もなく、他にもたくさん「そりゃうまくいかんわな」と思う敗因がすぐに思い浮かんだ。それらをひたすら羅列してみたら、最低でも6つはあることがわかった。
これから就職活動をする皆さんには下記を読んでいただき、反面教師にするなり、同じ属性であれば自分はどう対策するか考えるなりしてほしい。

敗因

敗因1 そもそも働きたくない

学生時代のはじめてのアルバイトで、いかに自分が働きたくないかということに気づいた。
高校はバイト禁止だったので、大学生になってはじめてアルバイトをした。
選んだのは飲食店(スイーツ系)。接客業を通して、人間嫌いを荒療治的に克服できるかと思ったためである。
アルバイトをしてみて、一緒に働く人たちには恵まれたが、接客業を通して、結果的にますます人が嫌いになった(比較的客層が良いはずのスイーツ店でも、である)。さらに週に何日もシフトを入れる元気がわたしにはなかった。本当に疲れるのである。
とはいえお金は必要なので、だんだん試験監督や人がいない自習室の受付など、楽なバイトばかり選ぶようになっていった。「いかに人と関わらず、楽に稼げるか」みたいなことばかり考えていた。とにかく労働で心身をすり減らしたくなかった。人一倍、すり減らしたくなかった。働きたくなかった。
ちなみに、一応アピールのために「学生時代力を入れたこと」でバイトに関するエピソードを披露したこともある(ウケが良さそうだから)が、目は死んでいたし、結果は言わずもがな。

敗因2 学歴とのミスマッチ

悪くない学歴だったため、クラスメイトの多くが有名企業に就職していった。大学も「有名企業の総合職を受けなよ」という感じで、大学主催の会社説明会も何回も開催された。
しかしわたしは、総合職はやりたくなかったのである(詳細は後述)。消去法で事務職を選ぼうとするも、ほとんど門戸が開かれていなかった。大学を卒業し、大学院に行ってしまうと、さらに事務職への門戸が閉ざされた。
結果として、大学院も修了間近のタイミングで、やっととある中小企業に「事務職」のポジションで内定をもらった。内定をもらったときはうれしかったものだが、1年後には営業に飛ばされたのであった。

敗因3 「総合職」「営業職」とのミスマッチ

先述したが、わたしは総合職をやりたくなかった。どんなに大手企業で待遇が良くても、である。
「全国転勤」「仕事を選べない」「体育会系」というイメージが強く、まったく魅力に感じなかった。
特に全国転勤は絶対に嫌だったから、「地域限定総合職」や「転勤なしの総合職」も受けてみたが、やはり人気なのか、まったく手応えがなかった。
勤務地でも職種でもいろいろなところへ飛ばされるのが総合職だが、その中心になるのは営業職である。転職活動のときも、営業職の求人だけは尽きることがなかった。
特に学生時代のわたしは、営業職をあまりにもやりたくなくて、消去法で事務職を受けていった。しかしなんせ消去法なので、志望動機がかなりフワッとしていた(「自分はサポートタイプだから」的な)そりゃあ受からないわね。
先述の通り、縁があって「事務職」で入社することはできたが、1年後には営業に飛ばされたのであった。入社前の希望で叶えられたのは「『1年間だけ』事務職をやること」「転勤は『当面』なし」だけであった。

敗因4 「総合職」以外の職種の募集の少なさ

大卒の新卒採用は、総合職ポジションばかりである(と感じた)。
事務職ポジションは少ない牌の壮絶な取り合いである。だいたい書類選考で落ちるし、通っても「学歴があるのにやる気がない人」、大学院生として臨むと「年だけ食ってる人」扱いされてほぼ詰んだ。

敗因5 自分の経歴と仕事への志向とのギャップ

わたしは外国語や異文化を学ぶことが好きであるが、仕事で海外に行ったり住んだりしたいかというと、まったくそうではない。外国語で誰かと話すよりも、外国語の本をひとりでもくもくと読みたい。そしてそれは学生時代から今に至るまでまったく変わっていない。
しかしながらわたしの経歴は、「英語が売りの大学出身・外国語関係の学部出身・留学経験あり・言語系資格複数所持」で、完全に勘違いされるものであった。
まったく海外志向ではないのに、経歴のせいでそういうキャラを期待されてしまうので、基本的にうまくいかなかった。このあたりのギャップをうまく言語化して落とし込めないわたしが悪いんですが。

敗因6 「文系大学院生」ではなく、「ただ年だけ食った学部生」扱いされる(大学院時代)

被害妄想かもしれないが、このことを面接を通して体感してきた。話を聞いてはくれたが、どうしても各所で「就職したくなくて院に行って年だけ食ったヤツだろ」と思われていた気がした(そしてそれを、完全には否定できない自分もいる)もちろん面接ではそうでないアピールはするのだが。「そんなに若くないのが嫌なら、書類で落としてよ」と思ったこともある。


他にもいろいろあるが、自分と同じ属性の人(自分含む)を不本意に傷つけそうなのでこのへんでやめとく。

おわりに

ダラダラ自分の敗因を書いていたら、当時の自分が成仏した気がしてきた。これからはただのネタにできるぞ!!

これから就職活動をする皆さん、新卒採用で嫌な思いをしても、30代にもなれば、たいしてがんばらなくても良くも悪くも克服できます。がんばりすぎずがんばってください。応援しております。

おわり

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