「Tracers S&P500配当貴族インデックス」がいいかも
とある投資信託が10/28に設定されたことが、ネットで話題になっていた。
その名も、日興アセットマネジメントの「Tracers S&P500配当貴族インデックス」という。
配当貴族というワードは前から聞いたことがあったが、よく知らなかったので調べてみた。
配当貴族とは
配当貴族は「Dividend Aristocrats」の訳で、S&Pが設定している指数「S&P 500 Dividend Aristocrats」から来ている。
この指数は、S&P500に採用されている銘柄のうち、①25年以上連続増配、②時価総額が30億ドル以上、③1日の平均取引額が500万ドル以上、の64銘柄で構成される。
消費者にとって馴染みのある企業としては、「アフラック」、「マクドナルド」、「コカコーラ」、「ジョンソン・エンド・ジョンソン」、「プロクター・アンド・ギャンブル」といったところだろう。
対して、一般にあまり知られていないであろう企業では、例えば医療機器の「カーディナルヘルス」、穀物メジャーの「アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド」、石油メジャーの「エクソンモービル」などが含まれる。
総じて、業績が安定している生活必需品やヘルスケア関連の銘柄が多い。
そして、この64銘柄が時価総額に関わらず、均等ウエイトで構成されていることも特徴だろう。(ETFでは、時価総額加重平均方式を取っている銘柄もあるようだ)
S&P500は時価総額加重平均なので、時価総額が大きいGAFAMのようなグロース株が約20%の大きなウエイトを占めるのに対して、配当貴族では株価の大幅な上昇は見込まれないにしても、安定した成長と配当が見込まれるバリュー株が均等ウエイトで集まっていると言える。
「Tracers S&P500配当貴族インデックス」は信託報酬が安い
今までも「S&P 500 Dividend Aristocrats」に連動した投資信託はあったが、今回の「Tracers S&P500配当貴族インデックス」は信託報酬率が0.1155%と低いことが特徴のようだ。
これは全世界株式の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の0.1144%とほぼ変わらない。
他の配当貴族に連動する投資信託の信託報酬率は、「野村インデックスファンド・⽶国株式配当貴族」が0.5500%、「SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン」が0.6050%なので、「Tracers S&P500配当貴族インデックス」の0.1155%は手数料の面ではかなり魅力的だと言える。
ポートフォリオの一部に加えてもいいかも
S&P500はもちろんのこと、全世界株式や先進国株式のようなインデックス投資信託は、どうしてもS&P500の上位にあるGAFAMのようなテクノロジー系グロース株の比重が大きくなってしまう。
そこから他の米国バリュー株への分散を目的として、投資信託の一部を配当貴族で積み立てるのもいいかもしれない。
ただし、つみたてNISAには対応しておらず、特定口座で積み立てるしかないという制約はある。
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