たかあき

詩を主に書いてます。あと、読書のことなど。

たかあき

詩を主に書いてます。あと、読書のことなど。

最近の記事

8時だヨ!積ん読日記

積ん読の山に眼を向ける。 そのなかに、ひときわボロい文庫本が5冊あり、ただならぬ雰囲気を醸し出している。 その5冊とは。 夏目漱石「道草」(カバーがない。汚い) 大江健三郎「燃えあがる緑の木」(全3冊。なんか、臭い) 寺山修司「家出のすすめ」(林静一のカバーのイラストが怖い。やはり、臭い) これらの本をくれたのは、Aさんである。オレの友人だった。正確に言うと、オレが去年まで通っていた就労移行支援の職員さんである。 Aさんは、顔は西郷隆盛の錦絵にそっくりで、元・柔道部員

    • またもや、積ん読日記

      積ん読日記、と書いたものの、ここ最近本を買ってない。それはなぜかと言うと、国会図書館デジタルばっかし読んでるからである。パソコンの画面にかじりついての読書。 無料で読めるわけだから、ありがたい。ビンボー人の味方だ。鶴見俊輔の著作集もあったし、昔の文学全集なんかも。サルトル全集も。ううむ、素晴らしい。素晴らしすぎて、吐き気がするぜ!(ロック風)。だが。 部屋の隅で紙の本たちが呻き声をあげてる感じがする。「いつになったら俺たちを読んでくれるのさ、おっさん!」と。 すまんのう。

      • 積ん読日記、再び

        国会図書館デジタルは便利だ。 便利だが。 やっぱり、本には身体が欲しいもの。 パソコンの画面で活字が読めるのはありがたいが、紙の手触りがやっぱり欲しいのう。 吉本隆明「転向論」などはやはり、紙の本、しかも分厚い「吉本隆明全集」で読んでこそ、あの吉本隆明のグーパンチのような思想のパワーが感じられるとあんパン食べながら思う朝である。

        • 詩「イカと坂」

          季節は後戻りできないが この坂 引き返したい 背中のイカは やがて スルメに変貌しよう、という 準備を整えているというのに その影に触れるたんび ぬめぬめしている粘液が コーティングしてくる わたしの身体を  もう許して 骨まで愛して 叶わぬ望みじゃけん(おっかさん) 食いちぎる スルメ 歯が 歯が がたがた がたがた 山県有朋 そう、わたしの父親 軍人の顔を、してる 教科書を墨で塗りつぶす世代の恨み節は わたしの理解の範囲内だ イカよ、スルメになる前に 墨を出せ、早く

        8時だヨ!積ん読日記

          詩「鯰」

          お 鯰に乗っかられて 揺れることも 怒ることも できない朝  いっそ 魚になりたい、と 考え出したら 暮れてゆくだけ

          詩「たこ爆弾」

          よる疲れたら 部屋は地割れ 墨 薄墨の手 100本 血を吸うでもなく 撫でるでもなく 言葉の海をうようよ 漂い散歩

          詩「たこ爆弾」

          詩「魚爆弾」

          鯛 鱒 鯖 鮭 おお 夜中静かに たたずむ 沈黙だ 眼球の言語を吐くなよ  発色の爆弾を 黙る君と 街の 隙間にぶん投げて 倒れる おれは 爆裂する

          詩「魚爆弾」

          積ん読日記⑯

          さいきんは、あまり詩を書いてない。 本を読み、気に入った文章を、紙のノートに書き写す。この作業を、ずっとやっている。自分の感性、ものの見方を鍛えたいからだ。詩を書くより、楽しい、と感じることもある。 X(旧Twitter)に詩を書くのも、さいきん嫌になってきた。Xには、雑誌で入賞した経験のある詩人もたくさんいる。そのなかには口の悪い人もたくさん。名指しではないけれど、しょっちゅう、他人の作品の悪口を書いているのだ。自分の詩もかえりみずに、だ。みにくい。 そういう人たちこ

          積ん読日記⑯

          積ん読日記⑮

          寒い。朝は。 分かる本、わからない本について。 分かる本→司馬遼太郎、石垣りん、吉野弘など。 わからない本→マルクス「資本論」、丸山眞男「日本の思想」、吉本隆明。 僕は分かる本、わからない本も両方楽しんでいる。ふつう、分かる本のことを面白いとみんな感じるかもしれない。でも。それは本当にそうなんだろうか。 わからない本のなかにも、面白さを感じる、ということは十分にありえることだ。それは言葉ではどうにも、表現しにくいけれど。 わからなさのなかに、あるロマン、あるリズム

          積ん読日記⑮

          詩「インタビュー」

          君に細胞はあるのか 君はビートルズすきか 麺は固めか へんな訛りだなあ クビになって ヒマなんだ だから君   インタビューさせてくれ 味に自身はあるのか 自分をカッコよい、とおもうか 漱石と春樹 どっちが天才だ 乃木坂46どうおもう そもそもきみは 誰だ

          詩「インタビュー」

          詩「散歩」

          左側がわにかたむいたヒトが 歩いてくる まけずに 左側にかたむきながら 歩く 彼にとっては右側にかたむいているが ぼくにとっては左側にかたむいている 鏡のような関係を お互いたもちながら 彼の顔は ぼくではなく 僕の顔も ぼくのまま

          詩「散歩」

          積ん読日記⑭

          寒い。眠い。喫煙。 昨日も古本屋へ。2冊購入。 ①新・反グローバリズム  金子勝 ②日本の近代美術     土方定一 2冊、千円かあ。うーむ。 言語への欲望が、最近高まっている。貪欲にいろんなジャンルに手を伸ばしてる。趣味ではあるが詩を書いているので、どうしても語彙が欲しくなる。少ない語彙で詩を書けるほど、自分には才能はない。 ジャンルの壁を超えて読書すると、例えば「経済学の言葉を使って詩を書いてみようかな?」とか、よこしまな考えが浮かんだりする。「規制緩和は秋のな

          積ん読日記⑭

          積ん読日記⑬

          寒い、寒い。煙草、うまい。 また、古本屋へ。週に何回いってんだろ、おれ。まあ、いっか。以下、本日の収穫です。 ①探求 I       柄谷行人 ②凡庸な芸術家の肖像 蓮實重彦 ③無門関 ③は、「禅」の本である。たまには知らない世界を覗こう。 で、古本屋の近くには図書館がある。図書館に置いてあった「立花隆の本棚」を読んだり眺めたりする。立花隆の膨大な蔵書の数々。文学、歴史、脳科学、サル学、経済、宗教などなど。凄まじい。全部、熟読したわけではないだろう。もしかしたら読んで

          積ん読日記⑬

          積ん読日記⑫

          眠れないなあ。 昨日は古本屋で3冊購入。 ①東山魁夷   日本の美を求めて ②ニーチェ ツァラトストラかく語りき ③有島武郎 惜しみなく愛は奪う 3冊で300円。 よい時代だ。 閉じたままだと、なんだかぶっきらぼう。でも、一度開くと言葉の宇宙が広がる。本というのは、不思議だ。 荒川洋治さんの詩集、「心理」を図書館で借りてくる。散文詩の世界だ。荒川さんの思考、情熱、感性に満ちた作品なので、すんなり入っていくことが難しい。詩は意味ではなく、イメージの文芸。荒川さんの作り

          積ん読日記⑫

          積ん読日記⑪

          青い空。 図書館へ行く。まず、ランダムに本を選ぶ。三木清、丸谷才一、柄谷行人。 で、適当に開いたところを、手書きで書き写す。ホントに適当に、パッと開いた部分を。手書きで。こころを込めて。 繋がりのない、文章ができあがる。三木清+丸谷才一+柄谷行人だから。でも、良いのだ!それで。繋がりがなければ、じぶんで勝手に作ればよい。それが、楽しい! 積ん読していた芥川也寸志「音楽の基礎」三浦雅士「バレエ入門」を読む。さいきん、芸術系の本を読むことが増えた。しらない用語がたくさん出

          積ん読日記⑪

          詩「はじめの言葉」

          どういうわけだろうか 静かなのに かえって 騒がしくなる 静けさが、積もる 納豆をかき混ぜ 朝飯、朝飯、と たった8語呟くだけでも 騒がしくするのは 朝なのか 納豆なのか 初源の言葉 言葉をもたない未開のひとびと かれら はじめて海を見たとき 何と言ったのか 納豆から海へ 海から初源へ 触手は伸び イメージは広がる 沈黙は降り積もるだろう 言葉をもたないならば、だ だが 内蔵は 脳は 手は震えたはずだ はじめて海を見たときに 真っ白な現実へ 叫びとして 呟きとして 傷をつけ

          詩「はじめの言葉」