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樽とタタン

『樽とタタン』は、中島京子さんの小説です。主人公は、小学生のときに坂の下の喫茶店に通っていた女性です。彼女は店の隅にある赤い樽が気に入っていて、そこで本を読んだり、常連客の話を聞いたりしていました。常連客には、老小説家や歌舞伎役者の卵、謎の生物学者、無口な学生など、個性的な人たちがいました。彼らは、樽に座る女性に「タタン」というあだ名をつけて親しくなりました。

この小説は、タタンが大人になってからも喫茶店に通い続ける様子や、彼女が少女時代に聞いた話の真相を探る過程を描いています。タタンは、老小説家が書いた「羽咋直さんの一日」や、「サケウシ」という不思議な生き物、サンタクロースとしもやけの関係など、様々な謎に出会います。それらの謎は、タタンの家族や友人、恋人との関係にも影響を与えていきます。

『樽とタタン』は、懐かしさと温かさと驚きに満ちた物語です。喫茶店で繰り広げられる人間模様や、現実と空想が交錯する世界観が魅力的です。中島京子さんの独特な文体やセンスも楽しめます。


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