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粉もん警察にご用心

 

自粛警察

   2020年4月28日、コロナで国内がパニックになりかけていたころのことです。千葉県八千代市の駄菓子店に赤い文字の張り紙がされました。

 この駄菓子屋さんは3月半ばまで、来店する子供たちにマスクを無償で配りながら時々店を開けていたそうです。それが「子ども達のために頑張る駄菓子屋さん」としてマスコミに取り上げられました。その後、駄菓子屋は営業自粛要請の対象ではありませんでしたが3月28日をもって休業しました。しかし、商品の賞味期限管理や店内の清掃のために店主は1日おきに店内にいました。どうやらそれを見ていた自粛警察が誤解したようです。

着物警察

 京都では初老の女性達が着物警察として活動しています。「着物の柄が季節に合っていない」とか「帯の結びが間違っている」「裾の長さが変」、「化繊の着物はあかん」なんてことを見ず知らずの人に、通りすがりに言うのです。場合によってはその場で有無を言わさずに着付けを直すこともあります。

お箸警察
 着物警察ほどではありませんが、同じく京都に出没するのが「お箸警察」です。こちらも初老の女性が多く、お箸の正しい持ち方を指導したり、手を合わせて「いただきます」と言わせる等の取り締まりをしているようです。「せっかく都に来たんやから、美しく召し上がってくださいねー」が決め台詞です。

マナーとルール

 マナーは社会生活を円滑に行うための潤滑油のようなものです。しかし、ルールのような罰則はありません。なぜ罰則がないのかと言えば、判断基準が人によって違うからです。着物の裾がどれぐらい短いと見ていて不快なのかは人によって違うのです。
 判断基準が違うのはルールも同じです。「善悪」は人が考え出したものなので、人によって基準が違います。もし、絶対的な善悪の基準があるのなら戦争がおこるはずがありません。
 「信号無視は許せるが万引きは許せない」という人もいれば、「万引きはそれほど悪くないが架空請求は許せない」という人もいるかもしれません。それでは万人に共通したルールにならないので基準となる法律と罰が作られました。

マナー違反を強制的に正すとルール違反になる

 マナーは他の人を不快にさせないためのものですが、先ほども言った通り、不快になる基準が人によって違います。自分の物差しで「はい、不快!」と言いながら、他人の着物を着付け直すのはルール違反です。お箸の持ち方を強制するのもルール違反です。食べる前に「いただきます」と言うか言わないかは思想信条に関わることなので強制してはいけませんし、「いただきます」と言わないからマナー違反ということではありません。深く考えた末に「いただきます」と言わないことにしている人もいます。口に出さずに「いただきます」と思っている人もいるでしょう。それは人それぞれの自由なのです。
   
    よほど不快に感じて他人のマナーを注意するのなら、自分の基準を押し付けることなく、且つ失礼にならないように慎重に話さななければなりません。それができないから着物警察やお箸警察はルール違反になるのです。
 

粉もん警察

 もうすぐゴールデンウイークです。大阪にもたくさんの観光客がおみえになるでしょう。そこで地元民として申し上げておきます。「粉もん警察」にご注意下さい。

 彼らは、観光客をさして美味しくもないたこ焼き屋に誘導したり、「バエる」ということだけで、お好み焼きに過剰にチーズを乗せるよう指示します。また、うどん屋では「揚げ玉」と称した天カスを売り付けようとします。他府県の方はご存知ないようですが、大阪府では「天カスは無料で提供する」と条例で定められています。
   ※「○地○だこ」をたこ焼きに分類するかどうかは、大阪府議会で継続審議中です

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