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【パティシエになる場所を決めたお菓子】

これは、パティシエを目指したある女の子のお話。

高校生になって、休日はよくお菓子づくりをするようになった。


自分の作ったお菓子を友達や家族に食べてもらって、反応を見るのが、たまらなく楽しくって、

アルバイトまでお菓子屋にした。


高校を卒業した後の進路は、もちろん製菓学校。


入学して、2年目。


いよいよ就職活動がはじまった。



「お客様が見える所で、お菓子を作りたい」




自分の作ったお菓子を買って喜んでくれる

そんな姿が刺激になって、ひたすら作る。


これが私の思い描く夢だった。



でも・・・








それに該当した求人募集がなかった。





どう最近、就活順調?」同僚からの声かけに、


「うーん…行きたい所がなくて、今焦ってます」


「へーそっか、じゃあさ、うちで製造体験してみれば?」


「え!?でも、私ここに入社する気ないですよ?いいんですか?」


私は、高校から4年間、イルローザでアルバイトをしていた。



“入社する気がない”失礼な事を言っている事は
分かってたけど、本音だった。


そんな私に、就活のヒントになるなら、
やってみれば?という提案をありがたく受け取った。



これまで4年、店舗でアルバイトしてきて、
イルローザのお菓子に対する印象は、



・素朴でシンプルなお菓子が多い




・9店舗あるので、お菓子は機械で大量生産してるだろう



こんなイメージを持ったまま、私は製造体験に参加した。



簡単に見学した後、製菓学校でお菓子を作っているからって、
現場作業をさせてもらえた。


そこで体験したお菓子が、



ダックワーズだった。







ダックワーズとは、アーモンド風味のメレンゲを使った焼菓子。

小判型の生地2枚に、バタークリームを挟んだフランス発祥のお菓子。


さっそく、作り方を教わると、
予想と反して、開いた口が塞がらなくなった。


9店舗分の膨大な数を、機械を使わず、手で1つ1つを作ってる…!



豆を焼いた後、わざわざ砕いてペースト状にしている!!


既製品の粉は使わないんだ…。


~~~~~~~~~~~~~~~


彼女が思った通り、既製品を加えれば、
大幅な時間短縮で、ダックワーズが作れます。


しかし、弊社はお菓子を購入した先の
ドラマまで責任を持ったお菓子づくりをするため、
1つのお菓子にかける想いは変わりません。


商売を考えると普通はやらない領域まで、
徹底して手間暇をかけます。



わざわざ、ここまで時間をかけるのは、
この手間が、アーモンド本来の風味に深みを出し、


想いを届けるお菓子に必要なことだからです。

それだけではなく、弊社はダックワーズに、
一部皮付きアーモンドを加えています。


徹底して、アーモンドの素材を最大限引き立てる工夫をします。


~~~~~~~~~~~~


この時私は、製菓学校で作った
ダックワーズのことを思い出していた。

「学校の授業で、少量作った時でさえ、ここまでアーモンドにこだわっていなかったな」

後から聞いてみると、

ダックワーズ1つに、お菓子屋がここまで
こだわる所は、全国的に見ても、かなり珍しいそう。



・素朴でシンプルなお菓子が多い

・9店舗あるので、お菓子は機械で大量生産してるだろう


私が当初抱いたイルローザへの印象は、違っていた。


そんな体験を終えて、ある日イルローザでアルバイトをしていると、ふと、ダックワーズに視線が入った。


「パティシエの人たちは、あの大変なこだわりを、手際よく、綺麗な所作だったな…」


その時のダックワーズは、一際輝いて見えた。




「丁寧に包んでくれてありがとう。特にお世話になった人には、イルローザのお菓子を渡すって決めとんよ」



「いつも孫が帰ってきたら、一緒にケーキを買いに来るんよ」





4年間のアルバイトで、イルローザのお菓子で喜んでくれるお客様の姿。




私、今まで沢山のドラマに遭遇してきてるじゃん。




「次は、私のお菓子で、一生忘れられない思い出のきっかけを作りたい…!!もっと多くの人を喜ばせたい!」





「よし決めた、イルローザでパティシエになろう」



そう話して、弊社の選考に志願してくれた彼女は、
今年4月より、イルローザのパティシエになります。



弊社のダックワーズが、彼女の価値観を変えました。



「お客様が見える所で、お菓子を作りたい」

彼女が当初掲げた夢とは、違いますが、


「ひとつのお菓子のために」真心を込める弊社の姿勢に共感して、選んでくれたこと、大変誇りに思います。


彼女が、パティシエになる場所を決めたお菓子、そんなストーリーを含めて、ダックワーズを味わってみてください。


いつもより、ゆっくり味わって食べてみると、
アーモンドの深い味わいと香りが分かると思います。


彼女のこれから、
パティシエとしての成長にご期待ください。





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