マガジンのカバー画像

日本全国魅惑のローカル梅たち

50
ひとくちに「梅(梅干し)」と言ってもその個性や味わいは育った地域や品種により驚くほど多様。 梅仕事を始めて出会った全国のかわいいローカル梅(2024年1月現在自分で漬けた、食べた… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

今年こそ成功させたいカリカリ小梅2024~奈良の七折小梅で3パターンの漬け方を試す(奈良県産七折小梅その1)

昨年カリカリに漬けられず、フニフニに出来上がってしまった小梅ちゃん。 小梅の時期は短く、また熟が進みやすいのかしっかり固い状態で店頭に並んでいることもあまりない。理想的なカリカリのためにはやはり予約!と早くから奈良の梅農家に予約を入れ、楽しみに待っていた。奈良を選んだのは、奈良もまた梅の産地だから。一度手にしてみたかった。 それが昨日、クール便で到着。 さすが農家直送。粒揃いで美しく、しっかり固い小梅ちゃん。品種は主に七折小梅と聞いていた。愛媛県での生産が多い品種で、特徴

梅仕事2024いよいよ始まる〜厚木市産白加賀梅で中国風ほんのり甘い干し梅「話梅(ファーメイ)」に挑戦(白加賀梅その1)

思えば昨年、初めて生梅を手にしたのは5月最後の週末だった。ちょうどまる1年が経過し、いよいよ2年目の梅仕事が始まる。楽しみ! 昨年は青梅には殆ど手を付けなかった。青梅の時期が終わる頃から梅仕事を始めたからでもあるけれど、青梅の主な使途とされる梅シロップや梅酒、はちみつ漬け等の甘い加工にあまり気が進まなかったからだと思う。 梅に関する私の興味はほぼ梅干し一点集中で、それも赤紫蘇を使わず塩のみでシンプルに漬けたものが最も好きだ。梅の品種や状態により、酢やざらめ、氷砂糖等の副材料

青森・秋田で漬けられる大きな大きな杏梅〜なにわ梅・おうみ梅と呼ばれる杏(八助梅・おうみ梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月10日) 東北、特に青森や秋田県の北部では、直径4~5cmにもなる大きな梅の実が梅漬けにされる。 この大きな梅の実を、青森では半割にして種を抜き、紫蘇で巻いて漬けることも多いようだ。…というか、梅と書いたがこれはれっきとした「杏」。ゆえに実は大きくて甘く、種も簡単に外れる。 こうした事情を知ったのは梅仕事を始めたごく最近のことで、昔から地元の秋田や青森あたりではよく「しそ

谷沢梅と城州白の一部干し始め~週間予報のチェックは念入りに(谷沢梅その2&城州白その3)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年8月3日) 一昨日の午後、首都圏に派手なゲリラ雷雨が降り、昨日の昼まで空気が湿っていた。午後にはからっと乾いたようなので、翌早朝から谷沢梅を干すことに。 塩漬け後まる1ヶ月にはまだ数日早いが、谷沢梅には早く干したい事情があった。 というのは、ここ1週間ほどの高温期間、梅酢から表面が露出していた実のいくつかに白くふわっとしたものが発生。 おそらく産膜酵母と思われ、これ自体には害

室町期から大切に守られて来た希少梅・山形県寒河江市の谷沢梅来る(谷沢梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月7日) 谷沢梅の生梅、訳あり2.8kgを買った。 アンテナショップ「おいしい山形」で梅干しを買っただけではやはり満足できず…。 だって安かったから。でもとってもかわいい梅ちゃんです。買ってよかった。 谷沢梅は山形県寒河江市高松地区の集落で代々大切に守り育てられて来た、一説には室町時代以来400年の歴史を持つと言われる在来種の梅。集落の名前から「谷沢梅」と名付けられたそう

JAあつぎ夢未市で大粒フレッシュ梅干し購入&旬の野菜や果物たっぷり、軽やかジェラート「ゆめみちゃんアイス」

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年8月5日) このところ我が家は毎週のようにJAの直売所へ出掛けている。目的は野菜を中心とした買い物と、併設のジェラートショップ。JAのジェラートは地元の野菜や果物を使っていて美味しいのだ。 この週も厚木のJAあつぎ夢未市へ向かった。初めての店舗なので品揃えが新鮮。 夢未市は広さも品揃えも「ちょうど良い」感じの店舗だ。野菜も果物も冷蔵品もバランス良く配置され、広過ぎず狭過ぎず

京都の梅・風雅な城州白のジャムがとんでもなく美味しくできた!(城州白その2)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月4日) うっとりするほど良い香りの城州白。 桃のように甘く柔らかな香りがするので、少し甘さを加えて煮たら美味しそう。 梅干し用の他、表面に傷みがあるものを中心にジャム用とシロップ煮用も少しずつ取り分け、まずはジャムを煮てみた。 あんずジャムみたいな綺麗な色。 梅と杏は近い種類なので当然ではあるのだが(青森・秋田あたりでは杏を「梅」と呼んで漬けたりするし、梅の木を海外へ持ち

気品高い香り豊かな京都の梅、城州白梅来る(城州白その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月3日) なお、これまで梅関連の過去記事はなるべく同品種を連続して着手〜完成をわかりやすくして来ましたが、この後の分は梅仕事繁忙期で(6月下旬〜7月中旬)複数品種を並行していたため、記事内に他品種が頻出します。 そのため、元の投稿に近い順番で投稿していきます。 とうとう買った。 買ってしまいました城州白(じょうしゅうはく)。京都府原産の梅である。 特徴はなんと言ってもその香り

会津の梅、高田梅ふたたび(完熟高田梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月3日) メルカリでお買い得価格を見つけて買ってしまった。高田梅はまだ固いのを梅漬けにして気に入ったので、完熟も試してみたくなったのだ。 熟しているのでいくらか傷みもあるものの、注意深く洗って梅干しを目指してみる。 塩はいつもの鳴門の塩とシチリアの塩を混ぜ(途中で鳴門の塩を使い切ったから)、全体で15%弱。実も大きいし(だいたい平均5cm弱)、高田梅は青梅の時にだいぶ苦戦

越の梅の土用干し完了&お口すっきり、爽やかでとても美味しい赤しそ漬け(越の梅その2・干し過ぎ措置の反省と完成編)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月25日) 6月下旬に漬けた越の梅を天日干しした。 当初、紫蘇漬け用の塩分10%(700g)と白干し用の同12%(550g強)に分けて塩漬けしたつもりだったが、なんと前週、塩分強めの方に一部カビが…。 慌てて該当箇所を取り除き、触れていた近くの梅も洗ったのだが、そうした措置もあってか皮破れが数個発生。越の梅は特に皮が薄いので、扱いにはじゅうじゅう気をつけなくてはならない。そ

中粒で果肉たっぷり、梅干しに最適!新潟産越の梅来る&2023年6月27日現在の梅仕事一覧

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月27日) 昨日届いて約一日追熟させた新たな品種「越の梅」。 皮が薄いので追熟させすぎないようにと予め売り手の方からアドバイスを頂き、仮に色が変わらなくても今日中に漬けるつもりでいた。 しかし昼には全体が黄色くなり、あたりいちめん良い香り!やはり待ってみてよかった。 漬ける前の重量は1,239g、購入時は箱込み1.5kgだった。 この梅は元々梅干しにしたくて買った。 越の

神奈川県の新品種「虎子姫」の梅干しを山北の直売所「とれたて山ちゃん」で購入

GWのドライブは山北方面へ。 私は山北町の道の駅とその近くの直売所「とれたて山ちゃん」が気に入っている。ラインナップがなかなかに個性的だからだ。特に「とれたて山ちゃん」。 山ちゃんはかなりコンパクトな規模の店舗だ。個人商店ぐらいの広さの中に、その時期採れる野菜や果物、この時期なら山菜や木の芽、筍等もとりどり並ぶ。今回は山椒の実と、内心期待していた茹でたけのこが買えた。うれしい! 青果系では柑橘系やキウイ等、やや酸っぱめの果物が充実し(何故か山北の果物は酸っぱい。酸っぱい好

伊勢原のJAあふり〜なで「山口さんの梅干し」を買う

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月23日) 週末、伊勢原のJA直売所「あふり〜な」へ行った。 我が家は週末にドライブを兼ねて野菜の買い出しに行くことが多い。伊勢原のJAはドライブ中にたまたま見掛け、翌週行ってみることに。 事前にサイトや口コミを確認すると「山口さんの梅干しがおすすめ」とのコメント発見。これは行かなくては!といそいそ向かった。 9時開店の数分前に到着。 既に並んでいる方が二十人くらい。多くの

皮が薄くてデリケート!フルーティーな橙高梅干し終わり(橙高梅その2・完成編)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月27日) 三日三晩干すと乾き過ぎるため、片面24時間×2を目安にしようと3日目の早朝に当たる今朝、橙高梅を引き上げた。 干す前の状態(ちょうど1ヶ月間塩漬けした)はこんな感じ。たっぷり梅酢が出て順調に漬かった。 干し上がりは、見た感じはふっくらと美味しそうだが、いくつか萎んでいるものがある。皮破れとまでは行かなくとも、目立たない小さな傷があったのかも知れない。 そんな