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【 恥ずかしい行動とは? 】 建築トラブルセカンドオピニオンを経験し、感じていること④

戸建を新築され、引き渡しをされた元請け会社さん。半年経ち、その家に不具合が発生しました。

元請会社さんは即時対処〜解決したものの、住む方は「戸建そのものへの不安、元請工事会社に対しての不信感」を抱いてしまう事になったそうです。

その不安や不信感払拭のため、請負会社さんが第三者チェックを利用して、住む方と向き合ったというお話…と、それに関わった私なりの感想です。



●いつもと違う相談相手

建築不具合トラブルについて第三者相談がくるときは、いつもなら「住む方から相談」がくる。が…今回は元請け会社さんから相談がきた。珍しい経験となりました。



●元請け会社さんの意向

元請け会社さんは、出来事を通してみずから与えてしまった不安と不信感を払拭したいご意向。

自社で調べて住む方へ報告するより、自ら工事した家を第三者専門家がチェックし報告(セカンドオピニオン)してもらうことで「事実に客観性と公平性をもたせたい」と感じました。



●どこを調べるのか?

不具合が発生した箇所の調査ではなく、他に何か不具合が隠れていないのか?…という不安を考慮、家全体を調べる調査となりました。

天井裏や床下はもとより、傾斜や施工不良や仕上不良がないかどうかについての第三者チェックです。

こちらで引きうけているインスペクション(住宅診断)は、要望や意向で調査内容を応変し組み立てるスタイル。何を調べるべきか、どこを見るべきか、を請負会社さんとすり合わせながら決めていきました。




●調査

調査当日は、住まれているご夫妻がご在宅、調査がしました。そして請負会社さんも立会いました。

一般的に調査は、地味で長時間になることが多いため、誰も立ち会わない場合が殆ど。元請け会社さんはこちらの調査をひと通り端から見守られ、住む方に対しても他人事と思われないような姿勢がみられました。第三者チェックのインスペクションがどれだけ地道で根気が必要な作業か…を実感していただくことにも繋がりました。


●どう報告したか?

何よりも良かったと思うのが、調査後片付けをしたあと即時に、チェックシートを使って、住む方へ直接、概要報告を「元請け会社さん同席」で報告できたことです。

勿論、住む方よりも先に元請け会社さんへ、根回しまがいの「どのように報告すればよいか?」聞くことは厳禁です。私から…報告は現地で両者にいきなり報告したい…を要望させていただいたからです。

報告後…住む方へ「私はこちらの元請け会社さんとは、今まで取引はない点、資本関係や利害関係もない点」を付け加えさせていただきました。

その後数日を経て、口頭説明したチェックシートを補う写真や資料を整理作成して、元請け会社さんへ届けました。

その後、住む方と元請け会社さんがどういうやりとりになったかは、第三者チェックした私達は知りえません。



●振り返って…

今回のような…元請け会社さん側からの相談ケースは稀だと思いますが、未来では増える気がします。

今回の元請け会社さんは「恥ずかしながら…」と相談されました。が…私には「第三者専門家へ勇気ある相談は決して恥ずかしいことではなく、住む方から逃げたり言い訳したりするほうが恥ずかしいですよ…」と直接は言いませんでしたが…思いました。

私はサラリーマン時代に元請け会社で勤務し、営業の立場でも現場監督の立場でも、住む方から逃げたり言い訳したりしたことがあります。
何が恥ずかしいかを自覚しているつもりです。
そんな私が…今こんな仕事をしているとは…。

家は人が作り、人が話し合い、作られます。

最善を尽くしていても誰でも間違う可能性があります。間違いに対して真摯にまず対処し、その影響で生じた不信感や不安に対して第三者を活用されたことは恥ずべきことではなく、どこを見て行動したのかが感じられる一つと感じられます。

この行動や判断によって、住む方と元請け会社さんの関係性がより良い方向へ育まれることを陰ながら望みます。



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