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【中古住宅選び】家だけでなく気をつけたい、立地環境で実際遭遇した6つの盲点

このテーマは、
私がインスペクション業務を始める前、サラリーマン時代や自営業時代で遭遇や経験してお伝えできる、「家そのものだけではない購入判断要素」をご紹介します!



敷地が道路に接しているか?

はあ?何を?と思うかもしれません。
普通は敷地と道路が繋がっているじゃないか?とおっしゃる方もいるでしょう!
大前提として、
家を建築しようとする場合、敷地は幅2m以上の道路に接していないと建てられないのです!見た目、道路や通路になっていても
建築の法律では、全ての道や通路を「道路として」認めているわけではなく、「定められた条件や認められた幅2m以上の道や通路」を道路として認めています。


私が遭遇した中古物件では、主要道路から家に行きつくための通路部分が道路として認められていなかった為、買った中古物件をそのままメンテナンスして住むには支障ありませんが、
①先々「建て替える」こと
②先々「畳6帖程度を超える増築」
が出来ない物件でした。
現状ある家を建て替えたり、基準を超える増築をしたりする場合には法で認められた道路に接していることが必要です!買ってしまってから、立て替えや増築できない事を知るようでは残念です。


めったにありませんが実際にあるんですよ。
昔からある街が要注意です!
「この物件は、建築法律上認められた道路に接している物件ですか?」
と販売会社に念のため質問しておいて損はありません!

 

 

敷地周辺に高低差がある

敷地よりも道路が高い、とか、敷地が隣地よりも低いなどの物件は、水はけのことを考えてみてください。雨が降った際、どんなに塀があっても
水は低いところに流れこみます。

「水はけはどうなのか?」について、販売会社に質問してみたり、一番手堅いのは隣家や近所の方に「ここはどうなのか?」聞いてみるのも得策ではないでしょうか。

もし、だいぶ気に入って欲しいと思う物件にそのような特徴があるのなら、火災保険の水害補償を充分に検討しておくことが賢いのではないでしょうか。現在は「集中豪雨や局地的豪雨」など発生するリスクは高いですね!
銀行ローンやフラット35ローンを利用した場合には、借りる相談先から自動的に火災保険の提案を受けますが、借りたお金を担保するための保険商品になりますのでその商品内容を確認して不安であれば、補償や特約を自由に設定できる民間の火災保険会社へシフトすることも出来るようです。

そして気象災害への備えの一方で、水はけが悪い敷地の家の床下は、ジメジメしやすく土台や床下地面がカビやすい傾向が見られます。半地下の家も基礎コンクリートに充分な防水配慮(ドライエリア含む)した施工をしておかないと悩み事が付きなくなります。

 

 

下水かどうか

各市町村の整備方針や分譲地開発の事情によっては、道路に下水道が入っていない地域も見られます。 

下水道がない地域の場合、敷地内の必要箇所に「合併浄化槽」という設備を埋め、各家庭の
①洗濯・調理・入浴などの雑排水
②トイレの汚水
を、その浄化槽に流して基準を満たす水質に浄化処理されてから、道路側溝に放流する仕組みになります。

 
浄化槽というのは微生物の力で分解浄化処理しますので、設置する際にも届け出が必要、かつ、設置後も定期的に行政機関が検査や維持管理をして、住む人の責任のもとに使い続ける仕組みになります。


下水とは違う手続きや維持管理が必要ですので「この物件は下水かどうか」は物件資料や販売会社に直接確認することも大切です!

 

 

庭木の量

庭木は厄介です。隣地にはみ出して生い茂っている家は珍しくなくなりました。空き家が増えているからです。庭木の維持管理は木が大きくなるほど
伐採処分に経済的な負担がかかります。落葉樹の場合、落ち葉が隣地に飛散してトラブルになることもあります。
管理できるような植木がある場合、早いうちに伐採処分する検討だけでも賢い選択なのかもしれませんね。

ちなみに伐採の場合、根まで伐根したい方も要望として多くおられますが、莫大な費用が掛かる為、地面根本付近で幹を切断してもらい、上を撤去して残った切株は薬剤を数年かけて生育を止める手もあります。

造園屋さんや庭師さんに伐採処分方法を相談してみるとよいでしょう。

 

 

隣家と屋根

隣家と物件との距離は大事です。
至近距離の物件は
①屋根の雨垂れ
②屋根の落雪
で隣家ともめるような物件かどうか確かめたほうが良いでしょう!
但しこれは、建築にくわしい…もっと言えばアフターサポートを得意とする地場工務店の方、又は物件購入判断の為に利用した地場ホームインスペクターに意見を聞ければ尚有効でしょう。

北国では特に、隣家にどう落雪するか想定されずに新築され、隣家へ落雪してしまいトラブルに発展している物件も見られます。
隣家の人があきらめている場合や、買う人が現れた場合に何気に改善を促してくる場合も見られますので特に注意をおススメできます。

作ってしまった家の位置や屋根は、簡単に変えられません。落雪ラブルを改善する手立ては一般の方が思う以上に簡単ではありません。後で気付いて何とかしたいとなっても、余計なお金を投入して心配しながら住むことにもなります。

 雨の日に見に行ったり、落雪状況を確認して物件判断できれば理想ですね!

 

 

隣家と設備

給湯やエアコンの室外機のトラブルもしばしば聞くようになりました。家の外に置く設備機械は、騒音がそれなりに発生するので、隣家の方から「音がうるさい」とトラブルになる事例もあります。

一度配管設置した機械を移動するには、なかなか大変です。販売会社さんへ聞くこともしかり、実際現地で隣家の窓との関係を確認してみたり、設備を仮運転して貰えるのならばその実際音を聞いてみるのもよいでしょう!

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