【 リフォーム前に! 】屋根や外壁をはがさず新しくする「カバー工法」…知っておくと検討しやすい2つの大切なこと。
屋根や外壁を「メンテナンスするより、新しい屋根や外壁にリフォームしたい!」とお考えになる方もいらっしゃると思います。
リフォーム方法は一つではなく
①屋根や外壁をはがして、張り替える
②屋根や外壁をはがさず、上から重ねて張る
のように、まずこの2つの方向のどちらで検討するかを考えることになるでしょう。
②のほうは、いわゆる「カバー工法」とよく呼ばれます。ではこのカバー工法のやり方について一般の方にも知ってほしいポイントをいくつかご紹介させていただきます。
まず押さえたい!
はがすかどうかで違ってくる「コスト」
先程の、
①屋根や外壁をはがして、張り替える
②屋根や外壁をはがさず、上から重ねて張る
でコスト負担はどう変わるでしょうか?
次の走り書きを見て欲しいです。
細かくはもっと工事プロセスや比較項目がありますがここでは省略します。
どちらも負担は同じでしょう!と言われたことが、私は少なくないんです。
✔壊す行為
✔壊した材を産業廃棄物として法令処分する行為
には、お金がかかります。業者さんがサービスだよ〜と言える様な気軽な金額ではありません。
かけるコストの視点から、②であるカバー工法「屋根や外壁」をはがずに「新しい屋根や外壁をその上から張ってしまおう」という選択肢が出てくるのは自然でしょう。
安易なカバー工法リフォームによって
「弱く・短命」にならないように!
屋根や外壁をカバー工法でリフォームする際、相談相手の工事業者さんから話が出るかどうかに関わらず、一般の方も知識だけは頭に入れておきたい大切なポイントを2つだけ挙げてみます。
その1 なるべく重い材料は控えてね!
えっ、なぜ?
屋根や外壁をはがさずに上に張るカバー工法では、人に例えると着衣が増えるのと一緒です。新しく張る材料次第では、リフォーム前に比べ家の重さがかなり増えてしまいます。
重さが増えると、増やしただけの耐震パワーが必要になり、「地震や台風に耐えるための家の筋肉量や関節の強化」が必要になるからです。
例として、雪が積もる地域の話です。
市区町村ごとに指定された積雪量=その重さを考慮して、必要な耐震パワーを割増して構造計算します。家にとって重さというのはそのくらい重要です。
経年した家のリフォームでも重さが増えるなら考え方は一緒です。
例えが適切かわかりませんが…
とある男性が30〜40歳代に担いできた重さを60〜70代に持つのは大変な状態で、更に重いものを担ぐのは遠慮遠慮…。
屋根や外壁の工事と一緒に耐震性を向上する工事まで考えていないリフォーム計画ならば、カバー工法ではできるだけ家に重さの負担をかけないよう、軽い材料の検討をおすすめします。
耐震性向上リフォームの多くは、耐震調査をはじめ壁や床や天井など一定の部分をはがし補強する工事が伴うため、カバー工法と耐震リフォームは工事内容的に合わないことも挙げられます。
その2 元の材料の傷みを、新しい材料に
影響させないように施工してね!
どういうことか…?
屋根トタンを例に挙げます。
トタンは経年でサビが現れます。カバー工法の場合、サビが現れたトタンへ直に新しいトタンを張るとどうなるでしょうか?
「もらいサビ現象」が起きてしまいます!
人の病気も、場合によってが転移したりするのとイメージが似ており、新しいトタンにサビが伝わってしまい短命につながります。金属系の材料は特に気をつけて欲しいです。
実際には、新しいトタンと古いトタンの間に、ルーフィング材などを敷き込んだり、空間を確保したりと、もらいサビ現象を発生しにくい施工技術や配慮をして工事したりします。
このように、ポイントを活かしてリフォームしないと、せっかくお金をかけてリフォームしたのに屋根が短命に終わってしまう、とか、耐震性を逆に不利な家にしてしまう可能性もあります。
快適で安全安心なリフォームをしたいですね!
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