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【なぜインスペクションが必要?】②家を建てて住んでいる人の場合

住み続けるなかにおいても
インスペクションを利用される場面が
見られます. どんな場合でしょうか?


1. 家を建てたばかりの方の事例

築1~3年で異状が起こり、建てた業者が
・言い訳をして、対処してくれない
・不具合ではないからと、対処してくれない
・対処はしたが、異状は直らない
などの事情の方から相談を受けました.


建てた業者に異状を直してほしいだけなのに
不信感が募り、第三者に相談されています.
異状な箇所を第三者が調べ、
その結果(要因・見解など)を活用して
建てた業者に指摘~解決されたい傾向が見られます.


2. 10年以上住んでいる方の事例

不具合の発生時期に違いはありますが
・何度か直してもらったが、直らない
・心配な現象が起きたが工事業者も原因がわからず
 そのままになっている
・やりとりの結果、工事業者が怒って来なくなった.
・建てた工事業者にはもう頼みたくない.
などの事情の方から相談を受けました.

同様に不信感が募り、第三者へ相談されています.
年数が経つにつれて、工事業者との関係性が
こじれている印象も受けます.
そもそも「どこが原因なのか、どう直せるのか」
長年の悩みを払拭されたい傾向が見られます.


3. 相談を受け、見られる傾向

築1~3年で相談された方々にはある
傾向が見られます.

家を建てているときから、いろいろあった

ということです.

私は「調べて見解を出す」ために必要で、
事前にご相談者へ異状の経緯について
質問するのですが、
・建築途中で
「疑義を抱え納得できなかったこと」
・建築を通して
「やりとりに疑義を持ったこと」
が次から次へと話題に出てくる
傾向がありました.
それが異状とは別の過去の出来事であっても
話さずには居られない
ご相談者の気持ちもお察しできます.

建築途中で既に不信感を抱えながらも
どうにか無事に工事完了してほしいという
切実な思いから、苦慮しながらも
工事業者とやりとりして完成にこぎつけた
疲労感も感じられます.

私は自営になる前は、まさしく工事業者の立場で
キャリアを積んできましたから、
そのお話を聞くことで
工事業者の「都度の説明が不十分だよ
工事業者が不勉強を露呈しているよ
一般の人(建築の素人)だからと浅はかな説明」だよ
・変更が生じ、それが業者側の落ち度や間違いだった際、
 
「正直に事実説明」せず「事実を隠した説明」したな
と感じることが少なくありません.


一方で、10年以上住んでいる方々に
見られた傾向は、

家を建てているときは
比較的ストレスは少なかったが、
住んでから起きた出来事に対して
業者の見解や対応が
「きちんと調べよう」
「逃げずに誠実に対応しよう」
としていたら、
ここまで住む人を悩ませずに
すんだのではないか
ということです.


同じように経緯について質問するのですが、
・建築後に起きた「現象への見解が浅はか
・建築後に起きた「現象への見解が嘘つき
・建築後に起きた「現象に対する対応が中途半端
と感じる傾向がみられました.

4. 工事業者が示す傾向

第三者として見解を出し、報告内容は
工事業者にも見せてよいように資料化し、
それを活用して
住む人が工事業者と話し合いをした結果、
・それでも対応がない
・具体的に対応する
のどちらかになりますが、

具体的に対応することになった場合、
その修理時に立ち会うことも
依頼されたりします.
その際、現場で工事業者と対面する
ことになります.
中には、
設計者の場合もあれば
工事業者側の弁護士が派遣した
建築士が工事業者と一緒に来たことも
ありました.


その際の、
工事業者側の対応にも傾向
が見られます.
言われた通りに直すのでどうすればよいか
 指示して下さい

直す範囲はここまででよいか
などと、第三者に判断を委ねようとする
傾向です.

要するに
「面倒で厄介な話を終わらせたいから
 言われる通りにやるよ」とか
「責任持ちたくないから」などの
気持ちが見え隠れします.
現場に呼ばれ作業している下請業者職人が
遠巻きながら私をにらんでいることも
ありました.

その場合、一貫してきたことがあります.


どこまでどう直すのか、当事者が
考えてやることではないですか?
と.


自分たちが作った家に責任感を抱いたかは
わかりませんが、こう言った展開の場合は
中途半端にせずきちんと修理していきました.


工事業者が何か感じ取ってくれたらと
思いながら今日も様々な相談事に
向き合っています.

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