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227、友よ

同級生の友だちが、母親の介護に奮闘していると聞きました。
ぼくの場合、周りのひとより、少し早くやってきた親の介護問題。そりゃ、ぼくだって、介護の最中、施設に行ってくれないかなー、って何度も考えましたよー。ぼくだって、聖人君子じゃないんですからー。
介護の最中は、まったく、ひとも寄り付かなくなりますしねー。
それでも、母のお世話をしたのは、やはり、いままでの恩返しがしたかったからです。
きっと、同級生の友だちも、なんらかの、ぼくと同じような気持ちなんでしょう。

何度、逃げ出したくなったことか。あんなに強かった母の、日に日に弱ってく姿を目の当たりにするんですから。まさか!もう、頼むし、お母ちゃん、これ以上、弱らんといて!とは言えないし。黙って、悲しむだけです。

あの悲しみときたら。毎日、その悲しみが続くんです。とにかく、逃げ出したかった。

友よ。おまえも、いま、味わっているんだな。あの悲しみを。
ぼくも、悲しかった。ときには、母の前で、号泣することもあった。
でも、友よ。
母は、なんらかのかたちで、おまえに、人生の答えを与えてくれる。それが、母親からの贈り物なのだ。
友よ。
泣くな。いや。泣いてもいいが、放っといて逃げ出すことだけは、やめろ。
母も、いま、悲しんでいる。そばにいてあげられるのは、おまえだけだ。
ただ、もう、どうなっても無理だ、と思ったときは、あきらめてもいい。
ひとには、身の丈というものがある。それを越えてはだめなんだ。

ただ、そのときが来るまで、友よ。

ただ、戦い抜いてくれ。

涙の雨は、虹をつくるから。

友よ。

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