233、沈んでほしくない夕陽
気になってた女の子と、やっと!しゃべれた!
家どこですか?と、お互い言い合っただけなんだけど、いま、家に帰ってきて、ドキドキする。
まさか、あのひとと、話ができるなんて。
うれしくて、うれしくて、ドキドキがとまらない。
もう、宙に浮いてしまいそう。
ぼくだけ、道を歩いてて、宙を歩いてるんじゃないだろうか。
商店街を出て、お互い家が反対方向だから別れたが、あのひとの声が聞けるなんて。それだけで、うれしい。
次は、どんなことを話そうか。また、商店街を一緒に歩いてくれるだろうか。いろいろ、期待と不安があるけれど、もっと、一緒の時間を過ごしたかったなあ、と思う。
ぼくも、就活がはじまり、あの場所を離れることになるし、あのひともまた、就職が決まって、お互い離ればなれになるんだろう。
時間は、短い。
それまでにどこまで、あのひとと、仲良くなれるかな。
もっと、もっと、あのひとの人生に近づきたい!
そう願う気持ちで、胸が張り裂けそうだ。
こんど、帰るときも、ちゃんと話しかけよう。
できるだけ、あのひとと一緒にいられる時間を長くするんだ!
そうしないと!
こんどは、後悔しませんように。
夕陽よ!沈んでくれるな、と願った。
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