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232、会いにいく

休み!休みと言えば、社会人のひとたちは、家でゆっくりしておきたい!と考えるかも知れないが、それは、仕事をしてるひと。
ぼくは、いま、仕事を辞めて、ひましてるから、休みが嫌いで、嫌いで仕方がない。
休みが嫌いなんて、不健康だ。
仕事して、休み、大好き!と言える、社会人のひとこそ、健康なひとと言えると思う。
でも、最近は、その休みでさえも、愛おしく思えるようになった。
お父ちゃんの面会に行けるからだ。
ほんとうに、コロナが5類になってから、やっとこさ!お父ちゃんの面会に通えるようになった。
それまでは、まったく、施設のひとが、会わせてくれず、タブレットで面会だけ、だなんて、ふざけたことをやらされていた。
母ですら、最期の最期というのに、タブレットでしか会わせてもらえないくらいだった。それも、たった十五分くらい!
まったく!腹立たしい話だった!
どうしようもできなかった。
誰に文句を言っていいのか、わからなかった。
ただ、世の中のひとたちが、みんなそうだ、というだけで、そんな粗末な面会しかできなかった。
お年寄り、いや、誰だって、見舞いに来られて、タブレットでしか会えないなんて、だれが、喜ぶだろう!
まともな、コミュニケーションもとれない。
ベッドに伏せた母と機械の小さな画面ごしでしか会えなかった、この悲しみ。誰か、わかってくれるだろうか。
お父ちゃんも同様、画面でしか会わせてもらえなかった。
やっと!ほんとうに、やっとのことである。週一回、十五分、面と向かって会わせてもらえる面会から、毎日、三十分、会わせてもらえるようになった。
こうなるまで、実に五年ほども待った。
やっと、会えるようになったお父ちゃん。ずいぶん弱っている。
そして、三日前まで、尿路感染症で、病院に入院してた。
今日、会うと、猫背になっている。
病院で、寝かされてばかりいたのだろう。
まったく!病院は!金ばっかり、取りやがって!なにやってくれてんだ!
そんなこと!お年寄りにしたら、致命傷になるじゃないか!!
なに、やらかしてくれてるんだ!
って、これまた、文句言ったところで、どうしようもないのだろう。
母も、病院で、寝かされたままだったのが原因で、それまで、歩けていたのに、車イス生活になった。
日本の医療!問題あり!である。

まあ、お父ちゃんと、毎日、面会できるようになり、今日も、また明日も会いにいけるようになった。
これが、ぼくの生活の大半を占める。
お父ちゃんと、毎日会えることがうれしい。
ただ、会えるだけで、うれしい。
だから、最近は、毎日が充実している。
毎日、三十分、お父ちゃんに会いにいく。
この普通のことが、とてもうれしいのだ。
誰が、どこで流行らせたのか、わからないコロナ。はた迷惑な話だった。
日本の施設や、病院のありかた。
問題は、いろいろだが、まあ、世の中は、やっぱり、平和であってほしい。
明日!お父ちゃんに会える!このことが、いまのぼくの、支えになっている。

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