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閑話休題「ご先祖様と墓じまい」

私の育った地域はたいそうな田舎でしたので、次男坊や三男坊の多くは高校を卒業したくらいのタイミングで実家を離れ、そのまま都会で家族を持つのが普通でした。

実家は概ね長男が引き継ぐ事が多いのは日本全国どこの田舎でも同じです。

私も次男でしたので、高校卒業と同時に大阪に出まして、そのまま大阪で結婚し家族を持ちました。

ところが私の場合、長男である兄も実家を離れてしまったのは良いのですが、この兄が早死にしてしまい、あっけにとられていたらそのわずか数年後に姉も早死にしてしまうという事態に遭遇してしまいました。

兄も姉も両親が亡くなるまでは生きていましたので、そういう意味では親不孝な死に方はしていないのですが、まさか二人ともこんなに早く向こうに行ってしまうとは思っていませんでしたので、私の心の準備が全く出来ていない状態でいきなり実家とお墓の維持管理が私一人にのしかかってきました。

実は兄が実家を離れて戻らないのが分かったあたりから、姉が実家の事は引き受けたと言ってくれていましたので、私はお気楽に何も考えていなかったのもいけませんでした。

まあ、そんなわけでとりあえず実家に関しては地元の不動産屋さんにお願いして借り手を探していただき、この春にようやく借りて下さる方が見つかり何とか一段落つきました。

と、簡単に書きましたが実際に借りて下さる方が見つかるまでにほぼ10年かかりました。

その間、空き家になっている実家を最低限維持管理する必要がありますので、2ヶ月に一回程度は車を飛ばして遠方の実家まで帰り、風通しと簡単な掃除をする必要がありました。

田舎ですので敷地内の雑草も放っておくととんでも無い事になります。

これは田舎に在住の同級生に頼んでギリギリ我慢出来る程度には手入れをしてもらいました。しかし家の中には先祖代々の家財道具が山のように残ったままです。

借りて下さる方には、この家財道具の処分や経年劣化が激しい水廻りのリフォームなども含めて全部を負担いただくことが条件でした。

ですから、不動産屋さんから借り手が見つかったと連絡が入ったときも中々信じる事が出来ず、最後に契約書を交わすまでは「まだ喜ぶのは早い」と自分に言い聞かせたりしていました。

そうしてあとは先祖代々のお墓だけが私の責任として残されたわけですが、これは幸いにも田舎に住む私の叔父が手入れも管理もしてくれていましたので、あまり気にしていませんでした。

ところがです。

またしても急転直下、ついこの間、その叔父が急に亡くなってしまいました。もう80歳を過ぎていましたから、亡くなること自体は仕方ないですしそういう時期だったのかもしれませんが、外出から戻って居間で座って休んでいると思ったらその状態で亡くなっていたそうです。

そんな叔父の葬儀が終わり1週間ほど経った頃でしょうか、叔父の息子(つまり私の従兄弟)から電話があり、お墓のことは私に任せたと言ってきました。

またしても心の準備が出来ていない状態で降って湧いたような事態に遭遇してしまったわけですが、さすがにお墓は賃貸で貸し出すわけにはいきません。

維持管理するか、いわゆる「墓じまい」をしてケジメを付けるかの二者択一になります。

田舎のお墓というのは、都会の霊園にあるお墓と違いまして、薄暗い「草葉の陰」という言葉がピッタリくる様な場所にあります。

維持管理など都会に暮らす私にはとうてい無理な話です。

結論は「墓じまい」とすでに出ているのですが、何分急なことでもあり、手続きや段取りなどこれから調べることが沢山ありそうです。

お寺の檀家を離れることもしなければいけません。

そうすると今度は私が死んでから誰にどう弔ってもらうのか、私の息子達とも色々話し合う必要もありそうです。

悩みの尽きない今日この頃です。

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