中嶋洋二郎

介護食らしくない介護食レシピを掲載するサイトをやっています。実際の介護経験があるプロの…

中嶋洋二郎

介護食らしくない介護食レシピを掲載するサイトをやっています。実際の介護経験があるプロの調理師であり介護食士です。介護職員初任者研修終了しています。近隣のカルチャーセンターなどで介護食(ユニバーサルレシピ)を教える講座を開いています。 https://tabegoro.club

マガジン

  • 介護食/しっとり柔らかレシピ集-vol.2

    公開後、ある程度時間が経過した介護食レシピを公開が古いものから順番に10本ずつ集めてマガジンとして順次制作、販売致します。特典として各レシピの最後にそのままプリント出来るレシピブックもつけました。すべて「噛みやすく飲み込み安い」事を考えたユニバーサルレシピになります。トロミ調整剤を使わずに家族と同じ料理を食べてもらえる様に工夫したレシピを集めています。在宅介護のお役に立つことを願って作りました。

  • 介護食/しっとり柔らかレシピ集-vol.1

    公開後、ある程度時間が経過した介護食レシピを公開が古いものから順番に10本ずつ集めてマガジンとして順次制作、販売致します。各レシピの最後にそのままプリント出来るレシピブックもつけました。すべて「噛みやすく飲み込み安い」事を考えたユニバーサルレシピになります。トロミ調整剤を使わずに家族と同じ料理を食べてもらえる様に工夫したレシピを集めています。在宅介護のお役に立つことを願って作りました。

記事一覧

固定された記事

特別ではない介護食

介護施設で調理師として仕事をしていますと、本当に様々なタイプのオーダーが入ります。基本的には「刻み食」「ミキサー食」「普通食」の三種類なのですが、刻み食の中にも…

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介護食レシピ「大豆とタラのスープ」

最近はスーパーで大豆の水煮や蒸し大豆をよく見かけるようになりました。大豆は良いタンパク源であると同時に、大豆イソフラボンを含みますので、特に更年期を迎えた女性は…

中嶋洋二郎
11時間前
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50歳を過ぎたら気をつけること

近頃は書店の平積みを見ましても、70代以降をターゲットにした本が多く見られます。 それだけ高齢化が進んでいて、出版社も高齢層向けの本を多く出すようになりました。 …

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介護食レシピ「豆腐とミンチと卵の蒸し物」

今回ご紹介するのは、豆腐とミンチをザックリと混ぜて蒸す料理です。至って簡単ですがしっかりとタンパク質の摂れるおかずになります。ハンバーグを作る時の様に手を汚すこ…

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シンプルに生き小綺麗に暮らす

この事は以前にも記事にしたことがあるのですが、私の父が亡くなって私にとっての介護生活が終わってから数日後、父が遺した手帳を見つけました。 そこには俳句が趣味だっ…

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介護食レシピ「カレー味マカロニグラタン」

ホワイトソースを使ったグラタンは介護施設でも人気の献立なのですが、理由は「柔らかく、しっとり仕上がった、喉越しの良い料理」というお年寄りが食べやすい条件を全て満…

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介護食レシピ「鶏ミンチとサヤインゲンのミルク煮」

付け合わせなどの脇役が多いサヤインゲンですが、立派な緑黄色野菜でβ-カロテンを多く含みます。しっかり加熱すると柔らかくなり甘味も増しますので今回は鶏ミンチのミー…

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閑話休題「中年と老人の境目」

私は若い頃から、人間という物は年相応に老けていくのが最も良い歳の取り方だと思っていて、それは今でも変わりありません。 特に見た目に関して老化に抗う事で、何とも形…

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介護食レシピ「貝割れとサラダ豆のアボカド和え」

生の貝割れと市販のサラダ用の蒸し豆を、潰したアボカドで和えた料理です。サラダ用の蒸し豆は封を切ったらそのまま使えますので火を使わずに出来ますし、潰したアボカドが…

中嶋洋二郎
10日前
9

もっちりを食べやすく

お年寄りに限らずですが、お餅や芋類などは皆が大好きな食べ物です。 ただ、こうしたもっちりとした食べ物は塊で喉を通過しがちな為、運が悪いと喉に詰めてしまいますので…

中嶋洋二郎
13日前
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介護食レシピ「豆腐と豚バラ肉のサッと煮」

歯の悪いお年寄りは肉類を敬遠しがちになりますが、脂身が多めの薄切り肉をサッと加熱したものは比較的食べやすいと思います。今回は薄切りの豚バラ肉を豆腐と一緒にサッと…

中嶋洋二郎
2週間前
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閑話休題「ご先祖様と墓じまい」

私の育った地域はたいそうな田舎でしたので、次男坊や三男坊の多くは高校を卒業したくらいのタイミングで実家を離れ、そのまま都会で家族を持つのが普通でした。 実家は概…

中嶋洋二郎
2週間前
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介護食レシピ「豆腐と卵の中華風丼」

豆腐を鶏がらスープで煮て最後に溶き卵を入れて中華風の丼にします。味つけは醤油と砂糖ですので、鶏がらスープを和風の鰹風味の出汁に変えれば和風にもなります。手早く出…

中嶋洋二郎
2週間前
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閑話休題「バブル世代とZ世代」

最近、20代から30代前半くらいの若い人と話していて驚くのは、彼らは景気が良い世の中というものを全く知らずに大人になっているので、お金や暮らしに関する価値観が私の様…

中嶋洋二郎
2週間前
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和食と詫び寂び

少し前に和食は引き算の料理と言われる話しを書きましたが、今回はそれに関連して日本独特の美意識である「詫び寂び(わびさび)」について少しだけ。 実は私がこの「詫び…

中嶋洋二郎
2週間前
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介護食レシピ「納豆シラス入り卵焼き」

納豆と柔らかいシラスの卵焼きです。今回ははんぺんを生地に入れて厚焼き卵風にしてみました。はんぺんを入れると生地がふんわり膨らみますのでボリュームアップします。は…

中嶋洋二郎
3週間前
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固定された記事

特別ではない介護食

介護施設で調理師として仕事をしていますと、本当に様々なタイプのオーダーが入ります。基本的には「刻み食」「ミキサー食」「普通食」の三種類なのですが、刻み食の中にも「粗刻み」や「極刻み」など色々ありますし、刻んだうえでトロミを付ける「刻みトロミ食」なんかもあります。これはその施設によって色々に設定されていて、一律に決まっているわけではありません。私の経験したちょっと変わったオーダーは、主食のご飯は「おもゆ」の指定なのにおかずは全部普通食というのもありました。 施設の場合はこんな

介護食レシピ「大豆とタラのスープ」

最近はスーパーで大豆の水煮や蒸し大豆をよく見かけるようになりました。大豆は良いタンパク源であると同時に、大豆イソフラボンを含みますので、特に更年期を迎えた女性は積極的に摂りたい食材です。今回はタラの切り身にニンニクとトマトもプラスしてスペイン風のスープに仕立てました。 そのままスープとして食べてもいいですし、スープパスタにしても美味しいと思います。子供からお年寄りまで一緒に食べられるユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。

50歳を過ぎたら気をつけること

近頃は書店の平積みを見ましても、70代以降をターゲットにした本が多く見られます。 それだけ高齢化が進んでいて、出版社も高齢層向けの本を多く出すようになりました。 料理本のジャンルでも50歳代以降をターゲットにした本が散見される様になりました。 以前の料理本と言えば子育て世代に向けた本が中心でしたから、時代は変わる物だと思います。 私の様に普段から高齢者向けの食事づくりを専門にやっている料理人がカルチャーセンターなどで介護食についての料理教室を持つことは、以前ならありえ

介護食レシピ「豆腐とミンチと卵の蒸し物」

今回ご紹介するのは、豆腐とミンチをザックリと混ぜて蒸す料理です。至って簡単ですがしっかりとタンパク質の摂れるおかずになります。ハンバーグを作る時の様に手を汚すこともありません。 蒸し上がりに豆腐から水分が染み出しますが、汁が有る事でお年寄りには食べやすくなります。気になる方は事前に豆腐の水切りをしっかり行うか、ミンチと豆腐を混ぜるときに溶き卵を入れるか片栗粉を入れるなどすれば汁が染み出すのが抑えられます。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。

シンプルに生き小綺麗に暮らす

この事は以前にも記事にしたことがあるのですが、私の父が亡くなって私にとっての介護生活が終わってから数日後、父が遺した手帳を見つけました。 そこには俳句が趣味だった父が生前に書き付けた俳句がいくつも記されていたのですが、田舎の広すぎる家で、独りで暮らす寂しさを詠んだ句がいくつか含まれていました。 元々は三世帯同居の大家族だった家も、私を含めた三人の子供が独立して家を出て行き、祖父母が亡くなり、そして思いがけず母が父よりも随分先に亡くなり、ぽつんと独りで取り残された父の心の内

介護食レシピ「カレー味マカロニグラタン」

ホワイトソースを使ったグラタンは介護施設でも人気の献立なのですが、理由は「柔らかく、しっとり仕上がった、喉越しの良い料理」というお年寄りが食べやすい条件を全て満たしているからです。 今回ご紹介するのは通常のホワイトソースにカレー粉を加えたマカロニグラタンです。スパイシーな味つけは食欲を刺激しますし、カレー粉とホワイトソースはとても相性が良いので是非試してみて下さい。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:40分(焼き時間含む)

介護食レシピ「鶏ミンチとサヤインゲンのミルク煮」

付け合わせなどの脇役が多いサヤインゲンですが、立派な緑黄色野菜でβ-カロテンを多く含みます。しっかり加熱すると柔らかくなり甘味も増しますので今回は鶏ミンチのミートボールと一緒にミルク煮にしてみました。お年寄りに不足しがちなタンパク質とカルシウムも一緒に摂れますし、ミルク煮にする事で子供も大好きなユニバーサルレシピになります。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:25分 材料:2〜3人前 サヤインゲン…120g 鶏モモミンチ

閑話休題「中年と老人の境目」

私は若い頃から、人間という物は年相応に老けていくのが最も良い歳の取り方だと思っていて、それは今でも変わりありません。 特に見た目に関して老化に抗う事で、何とも形容しがたい妖怪の様な風貌に変化していく芸能人などを見るに付け、やはり年相応が美しいと思ってしまいます。 ただ、これが外見だけを何とかしようとするのでなく、精神的な部分や健康面でのアンチエイジングでしたら、大いにやって良いのではとも思っています。 私の知り合いに70代前半の女性が何人かいるのですが、このあたりの年頃

介護食レシピ「貝割れとサラダ豆のアボカド和え」

生の貝割れと市販のサラダ用の蒸し豆を、潰したアボカドで和えた料理です。サラダ用の蒸し豆は封を切ったらそのまま使えますので火を使わずに出来ますし、潰したアボカドが全体をまとめてくれますので、嚥下の悪いお年寄りにも食べやすいサラダです。 栄養価の面でも、加熱しないのでアボカドと貝割れに含まれる豊富なビタミン類が効率良く摂取出来ますし、豆類とアボカドには食物繊維も豊富です。子供の苦手な貝割れの辛味もアボカドで和えれば気になりません。子供からお年寄りまで楽しめるユニバーサルレシピで

もっちりを食べやすく

お年寄りに限らずですが、お餅や芋類などは皆が大好きな食べ物です。 ただ、こうしたもっちりとした食べ物は塊で喉を通過しがちな為、運が悪いと喉に詰めてしまいますので、嚥下機能の衰えたお年寄りには危ない食べ物に分類されてしまいます。 特にお餅は実際に喉に詰めて亡くなるかたも多いので、老人向けの介護施設などでは出してはいけない食材となっています。 お正月のお雑煮にしても、粘りの無い介護食用のお餅を使うか、お餅の入らない汁物を「雑煮」として出すかのどちらかになります。 介護施設

介護食レシピ「豆腐と豚バラ肉のサッと煮」

歯の悪いお年寄りは肉類を敬遠しがちになりますが、脂身が多めの薄切り肉をサッと加熱したものは比較的食べやすいと思います。今回は薄切りの豚バラ肉を豆腐と一緒にサッと煮て、煮汁に軽くトロミ付けをしたレシピをご紹介します。子供からお年寄りまで一緒に食べられるユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:10分 材料:1〜2人前 豆腐…150g(半丁) 豚バラ肉薄切り…80g 貝割れ…適量 煮汁 水…200cc

閑話休題「ご先祖様と墓じまい」

私の育った地域はたいそうな田舎でしたので、次男坊や三男坊の多くは高校を卒業したくらいのタイミングで実家を離れ、そのまま都会で家族を持つのが普通でした。 実家は概ね長男が引き継ぐ事が多いのは日本全国どこの田舎でも同じです。 私も次男でしたので、高校卒業と同時に大阪に出まして、そのまま大阪で結婚し家族を持ちました。 ところが私の場合、長男である兄も実家を離れてしまったのは良いのですが、この兄が早死にしてしまい、あっけにとられていたらそのわずか数年後に姉も早死にしてしまうとい

介護食レシピ「豆腐と卵の中華風丼」

豆腐を鶏がらスープで煮て最後に溶き卵を入れて中華風の丼にします。味つけは醤油と砂糖ですので、鶏がらスープを和風の鰹風味の出汁に変えれば和風にもなります。手早く出来て財布にも優しいユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安:10分 材料:1人前 豆腐…150g(半丁) 卵…1個 刻みネギ…適量 煮汁 水…120cc 鶏ガラスープの素…小さじ1 醤油…大さじ」1 酒…大さじ1 砂糖…小さじ1

閑話休題「バブル世代とZ世代」

最近、20代から30代前半くらいの若い人と話していて驚くのは、彼らは景気が良い世の中というものを全く知らずに大人になっているので、お金や暮らしに関する価値観が私の様な高度経済成長期に育ちバブル時代も経験した世代とは全くかみ合いません。 特に給料に関して、何年務めても上がらないのが当たり前で、収入を上げたかったら有望な資格を取るなりその業界で実績を積み上げてヘッドハントされるなりしないと上がらない仕組みが出来上がっています。 こんな世の中では将来に希望が持てないのは当たり前

和食と詫び寂び

少し前に和食は引き算の料理と言われる話しを書きましたが、今回はそれに関連して日本独特の美意識である「詫び寂び(わびさび)」について少しだけ。 実は私がこの「詫び寂び」という言葉のちゃんとした意味を知ったのはほんの数年前でして、それまでは「わびさび」で一つの単語だと思っていましたし意味合いもはっきりとは知りませんでした。 例えば枯山水の庭園などを思い浮かべて、それが「詫び寂び」なのだろうと感じる程度の知識しかありませんでした。 それがYouTubeの動画で「詫び寂び」につ

介護食レシピ「納豆シラス入り卵焼き」

納豆と柔らかいシラスの卵焼きです。今回ははんぺんを生地に入れて厚焼き卵風にしてみました。はんぺんを入れると生地がふんわり膨らみますのでボリュームアップします。はんぺんを入れずにそのまま普通の卵焼きでも勿論かまいません。 味つけの調味料はシラスとはんぺんの塩味がありますので、控えめを意識して下さい。今回は2倍濃縮のめんつゆのみ使いました。子供からお年寄りまで食べられるユニバーサルレシピです。 ★写真付きの詳しいレシピは「食べごろclub」に掲載しています。 調理時間目安: