見出し画像

恋人は他人だ。でも「ただの他人」ではない。

あたしには恋人がいる。 
もう交際期間は長く、4年以上になる。

彼はとても真面目で、誠実な人だ。
これ、よく聞く形容だと思うけど、
まじのまじでそうなんだからすごい。
書くのもばかみたいだけど、
恋人であるあたしを馬鹿にしたり、
傷つけることはしないし、話し合いもする。
とても普通なのだ。
(こんなことを言いたくなるのは、
最近友達がアプリで出会っている男性たちが
話を聞く限りあまりに不誠実で、
希少価値を感じ始めたからである。)

あたしは彼の繕わない優しさが好きだ。
彼の気遣いにお礼を伝えると、
時々目をまん丸にする。
とても自然に、心からあふれる言動や行動に、
たくさん支えられてきた。

かっこよくない優しさが そばにあるから

good-bye days (YUI)

小学生のあたしは、
優しいはかっこいいことだと思ってたけど、
かっこよくない優しさって
本当は1番かっこいいんですよね。


なんて、ただの惚気のようなことを言いたいのではなくて、
それなのにあたしは時々彼にかっこよさを
求めていたことに気づいたんです。

かっこよくて、リードしてくれて、
何事も察してくれる、
そんな王子様みたいなことを
あたしは彼に求めていました。
はずっ、こうやって整理するとひどっ。

なんでかって、かっこよくない優しさが
好きだったはずなのに。


もちろん、
これは何とか頑張って今から言いますが、
あたしだっていい彼女なんです。
優しいし、彼のことを尊重しています。
何かあったら飛んでいけます。

だから、
あたしに非がありまくるわけでもなくて、
ただ、言語化が苦手な彼に
「察すること」「引っ張ること」を
求めていたあたしは、
単純にここまで時間を重ねたことで
得たものを活かしていないなと思ったんです。


これから一緒に住むとか、籍を入れるとか、
そんな話になるとして、
あたしは何故か急に、そこで
彼に王子様を求めてしまっていた。
彼は頭の中で沢山考えても、
言葉を外に出す責任感がめちゃくちゃあるから、
急かすのはもう悪手でしかないのに。
でも、思いは言葉にしないと目に見えない。
言語化が全てではなくても、
実は脆い男女の関係にはやっぱり
柱になりうるものなんです、言葉は。
だからこそ求めていた。
そんなあたしの気持ちを、
あたしは抱きしめてあげたいと思います。

なんだか、あたしも彼も
女であることと男であることで
社会で嫌な思いや苦しい思いをしてきていて、
あたしはなんでか「選ばれる」立場だと
思っていたわけですよね。

責任を取る、と責任を持つ、は違っていて。
責任を取るのは上司の仕事で、
あたしたちに上司はいなくて。
いわば共同経営者(©︎逃げ恥)なわけだから、 
どちらが責任を重く背負うことは違う。

 彼と今後の話し合いをした時に、
ゆっくりでいいので思ってることを言って、
と頑張ったら、
あたしへの不満を伝えてくれて。
(そげなこと思いよったと?分からんっちゃけど!)
という心の声は、
「言って欲しいよ」という
ちゃんと標準語の可愛い言い方に変換できたのですが。

あたしの友達は、この彼の一連のことを
「双葉に甘えすぎ」「言語化してくれるでしょ、って許されてると思ってる」と
労をねぎらってくれたのですが。
そんな友達にも大感謝なんだけど、
冷静になっていくと、
あたしはそんな彼が好きだし、
そんな彼だから言葉を信じていけるし、
そんな彼だから「一緒に居続けている」ことが
尊いことを理解出来てるとも言えると思う。
それに好きな人が甘えてくれるのって
ありがたいことですよね。
まあ問題は彼が甘えてる自覚がないこと!
感謝して欲しい!
と思う気持ちもあるけど、
まあ、もう少し時が経ったら言おうかな。
彼は彼で思うことありつつ横にいてくれるんだから。

長い時間を共にすると、
あなたはあたしであたしはあなた、みたいな
錯覚を起こしそうになるけれど。
あたし以外の人はみんな他人なんだよな。
分かることは永遠にできない。
寄り添うこと、許し合うこと、
そして、「わからない」ことを受け入れること。

恋人は他人だけど、「ただの他人」ではない。
心に留めて、明日からも歩いていくか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?