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【活動報告】ふくまち大学コミュニティナース学科の地域実習受け入れ

当診療所において、
2023年11月7日ふくまち大学コミュニティナース学科の地域実習を受け入れました。主催はコミュニティナースの加藤瑞穂さんです。

加藤さんには小生は学生の時からご縁をいただいております。

当診療所の師長さんと受け入れを行った、初めてのコミナス実習今庄はズバリ神回でした。

熱い参加者に囲まれて 名言や名解釈が飛び交っていました。

参加者の概要


看護師になることを志望する学生や建築関係、フリーライター、新任の福井県地域おこし協力隊、現役のコミニティーナース、デザイナー、県内の市役所職員、子供の支援をお仕事にしている方、県内の市役所公民館職員、看護師さんなど総勢12名多くの方にご参加いただいておりました。
当診療所で医学生、研修医、医療介護福祉関連職以外の実習を受け入れるのは初めてです。と言いますか、そもそもこんな市民大学が開催されているのが素晴らしいと思います。

時間割

診療所での医療✖️まちづくりの取り組み



私より下記をテーマに話をさせてもらいました。
・ 自己紹介
・ 南越前町の紹介
・ 家庭医療・総合診療の紹介
・ 地域医療の紹介
・ 診療所の業務内容
・ まちづくりの取り組み ゲストハウスとの連携 つなげる屋台、暮らし診つける&つなげるまちづくり診療所プロジェクト
・ 2040年問題を超えていること

診療所看護の実践


当診療所の師長からは下記のような話を頂戴しました。
・ 普段の業務における診療所の内外の人との連携の様子の共有
・ コミュニケーションが良好でないとその人たちを支えられない
・ コミュニティナースには、自分達(=それぞれのコミナス)のできることに関わってもらえたら嬉しい。それは看護師資格がなくてもいい。診療所の看護師と連携して、診療所に来ない人の情報を集めてもら得るのが強み。
・ コミュニティナースは情報をたくさん持っている。暮らしに踏み込んでいる。
・ 災害時にはコミュニティナースの普段からの関わりが役立って、機動性が生まれるのではないか。
・ 人の縁が一番大事

コミュニティナースの加藤さんからはコミナスは地域のお節介やきという話も出ておりました。

ワークショップ


時間が押しましたので巻き巻きワークショップになりました。
①+②、そして③についてグループに分かれて考えてみる時間をとりました。
出ていた意見を記載します。
① 参加者自身の地元の地域との距離感:地域活動をする上での距離感のイメージです。
・ 本音を語れない近いお付き合い
・ 知らないことが多すぎる
・ 越前市に住んでいるけどあまり関われていない
・ 両隣くらいしか家族構成を知らない
・ 地域の色を感じ中(良いところ、悪いところ)

距離感は人それぞれですね。
今回の実習にご参加の皆様の背景は、12人12色でした。

②今庄でできそうだな、やってみたいなと思うこと
・ 吊るし柿ワークショップ
・ 今庄ツアー オリオンベイク、ゲノム、旧大桐駅、今庄宿
・ 旧国鉄サイクリングツアー
・ 若い人向け宿場町まち歩き企画
・ 古民家カフェ巡り、蕎麦打ち体験
・ 健康教室
・ 限界だからこその先を考えるワークショップ
・ じじ・ばば塾
・ 集落の限界を味わう会
・ 街道にミニ電車を走らせる
・ 地酒+おつまみ飲み比べ会
・ 逃げ地図ワークショップ 
・ 古民家相談会
・ 絵本会
・ やぎのふれあいタイム
・ つなげる屋台を引いて地域を練り歩きたい
・ 地域の人たちの熱意を応援したい
・ 旧北陸線を散策する
・ JR北陸線スタンプラリー
・ 昭和会館で落語や演劇会を主催したい
・ 夜に集まれるところを作りたい

お、これらの中に今庄で既に取り組んでいる人や団体があるものが実は結構あったりします。やりたいという意欲的な参加者さんたちでしたので、既に取り組んでおられる方とうまく結びつけられると面白い融合反応が起きそうな予感がします。

③地元においてそれぞれの立場やフィールドでやってみたいこと
・看護の道プロジェクトシーズン2
・つながるキャンプ全国の大学生
・哲学カフェ(ACP)
・オンラインで地元と今庄をつなげる
・外国人の人と防災キャンプをする

なんだか気になるものばかりです。診療所や、おそらく町にとっても示唆に富む内容でした。
参加者の方どんなことに取り組まれているのかもっと話してみたかったです。

ワークショップは、最後に下記の言葉でまとめました。
相性ってありますから。
地域にいる方の多様性が生まれることで、幸せが増えると思っています。

「幸せ」という言葉を深めるならウェルビーイングの考え方になります。
今回はお時間の関係で、ウェルビーイングは内容から割愛させてもらいました。

中谷くんのレクチャー

地域まるっと体感宿玉村屋の中谷翔さんは元地域おこし協力隊で、このゲストハウスを立ち上げたメンバーのお一人。

https://tamamuraya.jp/

「趣味から始まるまちづくり」をテーマに、コミュニティーナースは「町に出ていく支援者」と定義づけくださり、貴重な話をしてくださいました。

コミュニティーナースは「町に出ていく支援者」

それに関心がある方々が集まっているので、趣味がまちづくりにもなり、住んでいる方々の心の健康、生きがいを広げることにも役立つということを伝えさせていただきました。

コミュニティーナースと聞くと、医療関係者を思い浮かべがちで、医療の話をした方がいいのかと思いましたが、医療の本質は健康な状態を守るもの。その健康な状態は地域活性化やまちづくりでも守れることをお伝えしてみました^^

中谷さんの言葉を抜粋させていただきました。

過疎化とは何か?
という質問に対して、参加者の皆さんはいろんなご意見を持っていました。
・人口減少
・自分の思うことができない
・医療崩壊
などなど。でも過疎化は心の持ちようによってであり、心の過疎化は防げるのです。
住民の生きがいを高める取り組みの数々、写真に出てくる住民の笑顔の素敵なこと!これは必聴です。

今回診療所側に投げかけられた問い

今回いろんな問いを投げかけられました。すぐにお返事する中ではうまく回答できていなかった気がするものもあったり、ぜひ共有したい内容もあるのでこちらで記載しておきます。

Q.
医療は目的か?
A.
医療は目的ではないと考えております。住民の暮らしを支えるための手段の一つです。そして医療は主役ではありません。

Q. コミュニティナースという言葉は、当診療所で行われているような既存の看護に概念がついてきた感じだと思うんですけれども、診療所の看護師としてはどう思いますか?
A.
一言で言えば役割分担、兼業でいろんな人の力を合わせて診療所を運営する。診療所の看護としてはできないこともある。看護師としてでなく、コミュニティナースとして地域に入って、住民とつなぎ役になってもらえたらありがたい(と当院の看護師長が話をしていました)

Q. 最先端の病院の医療がしたい、かっこいいという話を聞くのですが、人材確保はどうやってするのですか?
A. (診療所の人材確保と考えると)人材、人財の確保においては、実際に苦労しているところはある。しかし、当診療所の立地地区では2040年問題を超えそうになっている。人口減少、少子化が進み、高齢者に至っては増加が上げ止まり傾向で、人口減少が急加速している。でも地域医療こそ最先端!時代を先取りできます。
そして総合診療医、家庭医と臓器別専門医は全く専門性というか業務内容が異なります。地域で医療がしたい、家庭医療を実践したいという方にとってはこういう田舎のフィールドは時代の最先端の医療だと私は思っています。もちろん病院の高度医療も大事で、働く人が何をしたいかによって決めて貰えばいいと思います。ただ、地域医療、家庭医療・総合診療がしたいという医療職の方に情報を届けられる機会を増やしていくことで、また当診療所がその媒介となることで、当地区の医療を支え、ひいては日本中の同様の地区の問題解決に役立てたらと考えています。

コミュニティナース学科主催の加藤瑞穂さんのフィードバックに感謝

最近あちこちの市町を徘徊している加藤の今日の学びは、 今庄はすごい。究極を言うと『人』って部分をきちんと走ってるのと、何よりも 診療所の皆さんが、身体だけではなくてそれ以前に大切な心がいつも外へ外へその人の暮らしへ向いているところに胸ふるえました〜 身体だけでなく、気持ちが診療所のなかからすでに外へ向いてることが、他にはまだまだないいい意味の最先端!と思っています。

加藤さんからいただいたメッセージより

診療所にとってはある意味「当たり前」の業務内容を外部の目線から捉えてもらい、肯定してもらった貴重な機会となりました。

診療所の業務として、いずれかコミュニティドクター、コミュニティナースを「開拓」していきたいと診療所の医師として思っています。きっとできるでしょう。

今回来てくださったみなさんは、それぞれ想いが熱かったです。30分しか実施していないワークショップでもあれだけ意見が出ます。FacebookやInstagramでよく見るスターみたいな方がいっぱい来ておられました。

街歩き

びっくりしたのが街中での皆様のおもてなしです。

昼食は、そば六助さんでいただきました。

美味しい蕎麦なんです。

ぜひ皆さま今庄診療所に、玉村屋にいらしてください、そして蕎麦を食べにいらしてください。

そばができるまでの待ち時間、
みなさん、宿場の宝物に興味津々!

参加者の熱さ、やる気に触れて、まちづくりNPOの方が即興で町の歴史や活動を紹介してくださいました。

そして、街歩きの際には、まちを散歩中の住民の方がこれまた町の歴史の紹介や建物の紹介を一生懸命してくださいました。


今庄の売り

これはズバリ「人」なんよね、「人」!ってことです。

時々今日みたいに診療所に実習生や来訪者があるのですが、実習生や来訪者にも温かな言葉をかけてくださる、町の皆様に感謝しております。

最後に

実は・・12名の実習受け入れに向けて、かなりドキドキ緊張していました。
今回大きな次への一歩を踏み出せた気がしますし、何よりこういう受け入れの目的は、つながりを、間違いなく地域住民や患者さんに還元されるものすることです。

もちろん簡単ではないですし、人口減少、働きかた改革、人財確保などなど課題は非常に多いですが、面白いことにいっぱいチャレンジしていこう、せっかくなら働く人にとっても、診療所にくる人にとっても、面白く感じてもらえる、幸せにしてもらえる環境を作り出して、コミュニティナースのお力もお借りしながら、関わらせてもらっている地域の皆様と幸せを目指していきたい、そんなふうに思っております。

コミュニティナースとの連携は今まで北海道の取り組みや雲南の取り組みをSNSで羨ましく伺っておりました。今回の実習受け入れを経て、一緒に活動するイメージが湧きました。

加藤さんはじめお世話になりました皆様、ありがとうございました。私自身楽しませていただきました。

お知らせ(ちょっと宣伝)

・移住検討にあたって、医療体制って気になる
・地域の医療って医療の目線で一般の方が見学できる機会ってないけど、みてみたい。

そんなことありませんか?
地域まるっと体感宿玉村屋さんからのご提案で、玉村屋さんの方に宿泊込みで地域医療視察ツアーが申し込めるようになりました。ご希望の方のニーズなどを踏まえ、私の地域活動の時間に対応させていただきます。

今回の記事を読んでいらしてみたいという方は、ぜひご参加ご検討くださいませ。

最後までお読みいただきありがとうございました。

2023年11月13日