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ファミクル「共感って何?」(全3回) 第3回共感が難しい…そんなときどうしよう?ー②共感を拒否される編

共感しようとしてみたけどうまく共感できない、そんなときはありませんか。臨床場面で困る場面として「①愚痴」「②共感を拒否される」「③どうしても共感できない」の3つがあります。

今回は3つ場面のうち「②共感を拒否される」場面にどうしたら良いかをを考えていきます。共感ってそもそも何?と思われた方はぜひ第1~2回を御覧ください。

第1回:https://note.com/familabo_113rd/n/na8d9905629ec
第2回:https://note.com/familabo_113rd/n/n2776aa2a1b62

共感を拒否される

相手に共感しようとしたときにこんな風に言われたことがある方もいるのではないでしょうか。

せっかく気持ちに共感しようとしたのにこのように拒否されたら皆さんはどのように感じますか?

一生懸命、気持ちや考え方を聴こうとしているのに「どうせわからない」なんて言われたら「やってあげているのに」と感じてしまうかもしれません。

傷つきを抱えた人は、土足で共感されることを嫌がる

特に心が傷つき裏切られてきた人にとっては、他人は「わかってもらえない存在だ」という思いがあるのかもしれません。

そんな時「わかりますよ」なんて簡単に言われると「あなたに何がわかるのか」と反発を感じてしまう方は少なくありません。

どんな人でも共感を求めている

表面的には「わかってもらいたくない」と表現する人でも、共感を求めていないわけではなく、共感してほしいと感じています。でも、すぐに分かったなんて言ってもらいたくないのです。

場合によってはその人自身が「自分の気持ち」を見つめる準備ができておらず、“土足”で入ってこられるとつらくなってしまうのかもしれません。

拒否されたと感じたらまずは立ち止まる

拒否されると、ついついこちらが感情的になってしまいそうになりますが、まずはこちらが冷静になって立ち止まることが大切です。

①立ち止まって、共感できないことを受け入れる
②なぜ拒否するのか考える

拒否する理由は人によって様々ですが、このようにステップを踏むことを意識することで感情的にならずに冷静に対応することができるようになります。

その上で、自分自身と相手の関係性を見つめ直しながら、なぜこの人は拒否するのだろう、と冷静な目で分析します。

たとえば、
・まだ関係性が構築できていないと感じるなら、深い共感に立ち入るのではなく、話しやすい信頼できる関係性になれるように模索します
・相手に準備ができていないと感じるなら、無理に入ろうとせずに準備ができるまで待ちます
・過去の激しい傷(虐待によるトラウマなど)を抱えている場合には、共感的に入ろうとするとトラウマの再体験につながることもあるため、相手によってはあえて踏み込まない選択をすることも大切なこともあります

コツは、"感情的にならずに立ち止まること”です。
ぜひ冷静に分析する目を持ちながら対応してみましょう。

参考文献
ロジャーズの中核三条件 共感的理解:カウンセリングの本質を考える 3 ;三國牧子他

次回

「共感(empathy)って何? 第3回:共感が難しい…そんなときどうしよう?ー③"どうしても共感できない編”」
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執筆:田中道徳(岡山家庭医療センター)
編集:宮本侑達(ひまわりクリニック)


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