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【活動報告】ちちぶ圏域ケア連絡会研修会にて講演

2月3日にちちぶ圏域ケア連携会議研修会において、当団体代表宮本医師と顧問山田医師が「事例から学ぶ明日から役立つ家族療法のエッセンス」と題した講演会を行いました。

秩父地域 は「ちちぶ版地域包括ケアシステム」 と呼ばれる1市4町協働で地域包括ケアシステムを有し、全国的にも珍しい体制です。

毎月行われる勉強会の頻度の高さから、医療福祉関係者の意欲の高さを感じられました。また、医療従事者の中にはラジオ番組をされたり、コロナ禍以前は住民の方に演劇を行ったりとさまざまな活動を展開しており、そのマルチな活動に感銘しました。


講演内容

講演では冒頭でグループワークを通じて、認知症の診断を受けた84歳女性を巡る息子夫婦間の介護に関する意見の対立についての事例検討を行いました。

なぜ意見の対立が起こっているのか?対立がある家族にどのように関わるか?について主にディスカッションし、家族のそれぞれの立場を理解し、意見対立の解消や対話を促進する方法について、話し合いました。

後半では、病気と家族の心理、支援に役立つ家族療法の技法について、事例を交えながらお話ししました。

質疑応答

質疑応答では、「独居の高齢者が増えてきているが、そのような方にどのように家族支援の観点でかかわるのか?」という質問が寄せられました。

独居高齢者には、支援者が家族役割を代行する必要があります
。関係構築が難しい場合もありますが、「家族になる対話」が求められ、家族療法の「ジョイニング」が有効です。これは相手のペースやルールを尊重し、早く関係構築する技法です。

独居者への支援は重点的となり、、支援者の負担は大きいため、チームで密に密に連携をとること(システムの拡大)が望まれます。

まとめ

高齢化に伴い病気を抱える方は増え、その家族もまた大切な支援対象であるため、より「家族も含めた支援」が求められます。また、終活に伴う家族間葛藤は増加し、介護をめぐる家族葛藤に支援者は巻き込まれがちです。支援者に「家族間葛藤に対する支援」が求められます。超高齢化社会、家族単位の支援ますます必要です。

さらに、必要なのは家族支援だけではありません。医療福祉関係者がさまざまな医療機関や専門職間(支援者システム)の葛藤に挟まれ、日々試行錯誤していることも実感しました。

家族療法の知識や技術が、家族システムの意見対立だけでなく、支援者システム間の意見対立を扱う上でのヒントになれればと思います。

この度は、貴重な機会をくださりありがとうございました。

会の様子

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執筆:宮本侑達(ひまわりクリニック)
編集:田中道徳(岡山家庭医療センター)

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