ジャニー喜多川氏と文春の民事裁判
【悪魔の証明】
ジャニー喜多川氏が性加害をしたとの裁判結果があるとされ決定事項のように報道されています。
司法に詳しい方々のブログ、Twitter、裁判の内容抜粋の記事によりやっと全体像がみえてきたのでここに並べていきます。
https://ameblo.jp/noripyan3104/entry-12803811656.html
東京高裁の矢崎秀一という裁判官は、スターウォーズのシスみたいな風貌で、法廷ではしわがれ声で暴言を吐き、一審の良心的判決を新証拠もなく強引に覆したり、言論の自由は権力が認める範囲だと判決文に書くなど狂気で知られるが、退官して内閣府に渡り個人情報保護と情報公開を規制する会長となった。
— 井上靜 Joe Inoue (@ruhiginoue) July 14, 2014
第1に、件の裁判は刑事裁判ではなく民事裁判なので、有罪か無罪かの審理はされていません。勿論有罪判決が出たことは1度もありません。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
画像の赤線部分は全て「ジャニー氏が性犯罪について有罪判決を受けた」という旨の pic.twitter.com/F4xtbCSEHl
記述をしていますが、そんな事実は一切ありません。そもそも有罪か無罪かを裁くための裁判ではないのだから当たり前。ググればすぐにわかることなのですが…。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
この裁判は、文春に対しジャニーズが名誉毀損として民事訴訟を起こしたというものです。
ちなみに一審・二審ともにジャニーズ側勝訴です。
名誉毀損は民事裁判と刑事裁判の両方が存在しますが、この裁判は民事裁判です。民事の名誉毀損は「事実適示型」「意見評論型」の2種類に分けられ、この裁判は事実適示型に分類されます。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
ここで「違法性阻却事由」というものが問題になってきます。これは、通常では違法となる行為において、何らかの
事情により、違法性がないと判断されるものです。身近な例で言うと正当防衛などが該当します。刃物を持った人に襲い掛かられたから相手の腕を捻って刃物を手放させた、という事案で考えると、本来相手の腕を捻るのは刑法208条の暴行罪にあたりますが、そうしないと自分の身が危なかった、つまり
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
正当防衛なので腕を捻ったという不法行為における違法性がなくなる。これが違法性阻却事由です。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
民事の事実適示型の名誉毀損における違法性阻却事由は、刑事の名誉毀損で規定されている違法性阻却事由と同じように考えるという判例があります。(昭和41年、衆議院議員選挙の立候補者が新聞を訴えた事
案の最高裁判決。原審事件番号:昭和34(ネ)359)
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
つまりこのジャニーズと文春の裁判において、文春による名誉毀損が違法性阻却事由に該当すると判断されれば、文春は不法行為を行っていないと見なされるのでジャニーズ側の敗訴となります。
その違法性阻却事由規定とは、画像の内容です。この3つの要件を全て満たすと違法性阻却事由となります。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
今回の件に関するネットニュースなどによく登場する「セクハラがあったと裁判所が認定した」という要素は、③の真実性の部分に関わってきます。 pic.twitter.com/mZZONTnhUF
ジャニーズ事務所が大手であることから①②は満たすと考えられるので、違法性阻却事由に当たるか否かは③を満たすか否かである、と言えます。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
民事裁判においては、原則として原告が証明責任を負います。則ち、ジャニーズ事務所は「文春の記事が真実ではない」ことを証明しなければなりませんでした。
「性加害があるという文春の記事が真実ではないことを証明する」つまり「性加害がないことを証明する」ことが求められた。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
「ないことの証明」いわゆる悪魔の証明をしなければならなかったのです。
訴訟を起こした張本人とはいえ、この時点でジャニーズ側が不利な状況だったことは間違いありません。
ここで、民事裁判と刑事裁判の内容的な違いについて触れてみます。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
「疑わしきは被告人の利益に」でおなじみの推定無罪の原則をもつ刑事裁判では、検察官は被告人の犯罪行為を証明することを求められます。
「疑わしきは被告人の利益に」則ち「検察の証明が不十分なら被告人の利益に」、裏を考えると
「被告人の不利益、つまり有罪とするには極めて高度な証明が必要」ということです。裁判用語では「合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証」と言ったりします。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
対して民事裁判に求められるのは「高度の蓋然性」です。わかりやすく言うと、民事裁判においては真実は「神のみぞ知る」であり、
裁判官は、原告被告双方の主張や立証を聞いて「どちらがより真実っぽいか」という観点で判断する、ということです。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
つまり、刑事裁判と民事裁判では求められる証明の正確性がかなり異なります。
これは実は当然のことです。刑事裁判とは、国家が国民を裁く裁判。有罪となり刑に服することになれ
ば、それは国民である被告人の人権を、公共の福祉の観点から国家が制限するということです。これは極めて重大なことなので、非常に慎重になるのが当たり前。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
一方民事裁判は、当事者だけでは解決できない私人間の争いを解決するために国家が力を貸す、そんな裁判です。紛争の解決を目的としているため
判決によって被告人の人権が制限されるわけではありません。だからと言って慎重でなくていいというわけではないですが、刑事裁判に必要な慎重性とは天と地ほどの差があります。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
このような刑事裁判と民事裁判のそもそもの性格や目的の違いにより、証明の正確性には差があるわけなのです。
民事裁判では被害者側の損害賠償請求が認められても刑事裁判では無罪、もしくは不起訴に終わり裁判にすらならない、なんてことは珍しくありません。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
逆に考えれば、民事裁判における裁判所認定を刑事裁判におけるそれと同等に信用するのは、ある意味危険だとも言えます。
この事件は物的証拠が皆無。裁判では被害者とされる少年たち、ジャニー氏それぞれの供述のみで「性加害があった」則ち文春の記事に真実性があると判断されました。しかしそれは「より真実っぽいのはどちらか」を判断する民事裁判だったが故。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
刑事裁判で有罪と判断されるに足る正確性を有した証明があったわけではありません。
— さんふら (@sunf_log_lol) May 22, 2023
「仮にジャニー喜多川氏による性加害が刑事事件化したとしても、証拠不十分で検察が不起訴にする可能性が高いと思う」というのは、私の身内にいるジャニーズ嫌いの元検察官の意見です。
リンク先の方々、引用失礼いたしました。
結論から言うとこの裁判内容からではジャニー喜多川氏の性加害は私はなかったのではないかと思いました。
裁判官に具体的に否定しろと言われたようですが引用元にもあるようにそれは【悪魔の証明】で
ないことを証明するのは至難の業です。
雑誌の記事を読むとジャニー喜多川氏は2審の裁判の法廷でも少年を事実上庇ってしまい「そんな態度は有り得ない」と失笑され少年の証言だけで性加害は否定できないとされてしまいました。
(有り得ないのは裁判官の方だと私は思います。裁判官がどんな人かも参照として載せました)
一番最後に載せた弁護士事務所のサイトにも民事裁判では【悪魔の証明】を要するケースが分かりやすく書いてあります。
現在、再びジャニー喜多川氏に性加害をされたとする人達が名乗りをあげていますが何故か民事訴訟も刑事訴訟もする気はないそうです。
加害者とされるジャニー喜多川氏は4年も前に亡くなっているのですがどうして今になって告発をマスコミ相手にしているのかも不思議です。
告発者の告発内容に矛盾があることを古参のジャニーズファンの方が指摘されていますがそのことはまた時間があればまとめていきたいと思います。
最後にジャニーズのことなど興味がなく潰れても別に構わないという方もおられると思いますが【民事裁判】では【悪魔の証明】を求められることがあることは頭の片隅においておいて損はしないと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？