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【小説】2.5次元アイドル②

 フィギュアのような着ぐるみの中に入る女性声優の話。

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※挿絵はDALL·Eを用いています。


 上手く言えないけれど、私はこの姿が気に入った。
 気に入ったと言うよりも、自分の顔を人前に曝さなくて済むのだと思えるだけで安心した。

 こういう場合、整形でもすればいいだろうとか思う人もいるだろうが、私は自分の顔を気に入っているし、例の事件は別として自分の親として、両親のことを尊敬している。
 だから、顔そのものに手を付けると言う気はなかった。
 第一、私自身悪いことをしていないのに、好みでもない顔に自分の顔を作り変えるのは、何か自分から罰を受けに行っているように思えるのだ。

 そういう事情で、私はこの姿で仕事をすると言う事務所の方針に賛成した。
 思ったよりも息苦しくはない。
 体質のせいなのか、汗を掻くと言う感じではなかったし、特段この姿が暑くて苦しいと言うこともなかった。

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