見出し画像

冬休み帳、お焚き上げ 続編

小学6年生の三男が、冬休み帳をどんど焼きでお焚き上げした。

始業式前日の夕方、仕事から帰ると三男は書き初めを書いていた。書き初めのお題は「強い信念」。まさにぴったりの言葉に、思わず吹き出してしまった。「強い信念をもって、お焚き上げしました!」って言ったら先生も言い返せないかもねー。なーんて、人ごとだから勝手なことを言って楽しむヒドイ母である。

冬休み帳はなくなったけれど、日記と書き初めとハミガキカレンダーの色ぬりなどなど、細かいもの全てからは逃れることができなかった。結局、残りの宿題と持ち物準備をして布団に入ったら23時を過ぎていた。朝は絶対起きられない予感がした。
ところが翌朝、普段は7時近くまで起きられないのに、5時に起きてシャワーを浴び、登校の準備をした。久々の学校が楽しみだからか、3学期の出だしは順調だった。

・・・がしかし、夕方浮かない顔で帰って来た。冬休み帳のこと、何て言ったのー?と聞くと、事実をそのまま伝えた模様。でも最初はみんなに冗談だと思われた、と。その後「音楽室で先生がうるさかった」と言うので、きっと説教されたんだろう。
案の定その日、担任から「お焚き上げの件で…」と電話があった。三男の担任はとても理解のある人で、子どもたち一人一人の個性を認め、丁寧に指導してくれている。今回の件はいい悪いとか、代わりに別の宿題をやらせるとかいうつもりはなく、ただどんな経緯でそうなったのかをお聞きしたい、とのことだった。

確かに、先生の立場で「面白いね~」なんて言うわけにはいかないだろうし、普通に考えたら「心に深刻な何かを抱えているのかもしれない」と思われたのかもしれない。どんど焼きで燃やす提案をしたのは私であることも含め事実をそのまま伝え、「そんな度胸があるとは思っていなかったのでなかなか面白いことをするな、と思って褒めてやりました」と言った。三男とどんなやり取りをしたのかも話してくれて「お焚き上げしてどんな気持ちだったかをその場では答えられなかったけど、『日記に書く』と本人が言ったので、時間がかかってもそれを待つことにします」と。

その後、日記で先生とのやり取りがあったようだけれど、中身は教えてくれないので分からない。この先の長い人生を思えば、1回分の冬休み帳を燃やしてしまったことくらい全然大したことはないけれど、若干12歳。仮にも小さな小学校の児童会長をしている彼にとっては大きなチャレンジだったと思う。「宿題」という自分を縛り付ける存在、枠からはみ出さないことが良しとされる学校教育、それを子供に押し付ける大人たち...そういったものに対する強烈な意思表示だったのではないか。

...と母は勝手な妄想を膨らませて、一件落着とする。

この記事が参加している募集

子どもに教えられたこと

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?