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クリスマスって何の日?

幼い頃に叔父からもらった絵本「さむがりやのサンタ」が大好きだった。子供たちが幼かった頃には、ボロボロになるまで何度も何度も読み聞かせた大切な一冊だ。遠い北の国に住むサンタさんが、クリスマスイヴの朝起きてから、身支度をして出かける準備をし、世界中の子供たちにプレゼントを届け、帰ってきて自らもクリスマスを楽しみ、寝床に就くまでの2日間が描かれている。時には愚痴もこぼす人間味のあるサンタさんが、私のイメージするクリスマスの土台にある。

高校生の時、好きだった哲学の授業で先生が言っていた。「日本人はキリスト教徒でもないのにクリスマスを祝いますが、僕はそれでいいと思うんです。一年に一度家族が集まり、ケーキを囲んで一緒に時を過ごす。それだけで素敵なことだと思います。」と。うん、うん、その通りだと私も思う。毎年クリスマスには、哲学の先生のこの言葉を思い出す。

子供たちにとってクリスマスは特別な日であってほしい。ただ、プレゼントをもらえたり、チキンやケーキを食べるだけの日ではない。クリスマスケーキのろうそくを前に毎年話していることがある。
「暖かい部屋でおいしいものを食べ、皆からプレゼントをもらえるのが当たり前ではないんだよ。世界には寒くておなかをすかせてプレゼントをもらえない子供たちもいるの。自分のことだけじゃなく、悲しい思いや辛い思いをしている人たちのことにも思いを馳せる日にしようね。」と。ケーキのろうそくを吹き消すときには、子供たちそれぞれが「世界中の人に幸せが訪れますように…」って願いを込めてくれてるといいな、と思う。

子供たちも大きくなり、長男は友達と過ごすので「ケーキだけ取っといてねー」と言い残して出かけていく。今年は、次男と三男と3人でお祝いした。あと何回、子供たちと一緒にクリスマスを過ごせるのだろう。いつかそれぞれ巣立って大人になっても、クリスマスが温かな思い出の詰まった特別な日であってほしい。

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