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【#2】 英語教師として "Update"するためにしたい10のこと① -反省的実践家になる-

こんにちは。
Sakaue Wataru | English teacherです。

2024年、英語教師としての力量を高めるため、
noteを活用した「振り返り」(reflection)
機会を作ることにしました。


1.「振り返り」って身近なもの


皆さんは、日常の中でどれほど
「振り返り」を行っているでしょうか。
意識的に行っていることもあれば、
無意識に行っていることもあると思います。

一例を挙げます。
忘年会で焼き鳥をたらふく食べ、
ビールをしこたま飲んだ翌朝、
顔がパンパンに浮腫んでいました。
それを目にした妻は、ケラケラと笑いながら、
「親指が寝てるかと思ったわ」
と揶揄われました(どんな状態だったか、
想像にお任せします。笑)

その時、
「塩分とアルコールを摂りすぎたんだな。
これからはもう少し控えよう」
と心の中で決心したのでした。

かなり例が稚拙で申し訳ないのですが、
これも「振り返り」になっています。

過去の出来事を踏まえて、
これから(未来)の行動を自己決定する。
つまり、「過去」と「未来」をつなぎ、
より高次の自分になるために、私たちは
「振り返り」を取り入れていると言えます。


2. 2024年にやりたい10のこと

今年で教職12年目となりました。
ありがたいことに、多くの「失敗」や「課題」、
そして「成果」を得ることができました。

2024年は、それらを振り返りながら、
英語教師である自分を"Update"するために、
以下、「10のこと」を意識していきます。

⑴ noteによる「指導観・授業観」の振り返り
⑵ ICTを活用した「授業実践」の振り返り
⑶ 授業の「健康診断」with 授業評価アンケート
⑷ 言語活動における「目的・場面・状況」のUpdate
⑸ 苦手意識がある「即興のやり取り」のUpdate
⑹ 児童生徒が行う「振り返り」のUpdate
⑺ 英語を学ぶ「意義」のUpdate
⑻ 教師が夢中で学び合う「校内研修」の推進
⑼ 学校全体を巻き込んだ「英語プロジェクト
⑽ 学校外への「実践発信

目標の性質から、
⑴〜⑶ を「教師力編」
⑷〜⑺ を「授業力編」
⑻〜⑽ を「学校づくり編」
として、言語化していきます。

この記事をご覧になっている方々が一つでも、
「あ、それ自分もやってみようかな」
と思える内容があれば、とても嬉しいです。

今回は⑴〜⑶の「教師力」に関わる部分について
触れていきたいと思います。

少し長くなりますので、興味のある部分だけ、
読んでいただけたらと思います。

⑴ noteによる「指導観・授業観」の振り返り


noteを活用し始めたのは、前回の記事に書いた通りです。

自身の授業を振り返る時に欠かせないのは、
「なぜその指導法を選んだのか」
「どんな児童生徒を育てたいのか」
「児童生徒はその学びをどう捉えているか」」

といった、教師の「指導観・授業観」
の視点だと考えています。

なぜかというと、
授業には必ず「ねらい(目的)」があり、
どこに向かうストーリーなのかという
「ゴール(目標)」があるからです。

そして、目の前には必ず、その学校の、
そのクラスの、その先生だからこそできている
「空気感」「児童生徒の実態」があります。

そこをスルーして面白そうな実践を試しても、
ほとんどの場合、うまくいきませんでした。

そこで、日々の授業実践を、
「目的と目標」
 (何のために、どんな児童生徒を育てたいか)

「児童生徒の学習状況やニーズ」
 (児童生徒理解)

の視点を持って振り返っていきたいと思います。


⑵ ICTを活用した「授業実践」の振り返り

ICTの発達は、教師の仕事の質を
飛躍的に高めてくれていると実感しています。
次から紹介するのは、今年特に意識的に
活用したいと思っているものです。
もし、他にも効果的なものがあれば、
ぜひコメントで教えてください!

①Microsoft Wordを使った単元計画(Before/After)の作成

毎回、簡易的な「単元計画」を作っています。
項目は次のとおりです。

●単元名・教材名
●学年・クラス
●目標及び評価規準
●単元末課題の目的・場面・状況とリーブリック
●モデル(A基準)となる発表や作品の例
●C基準の生徒への支援
●単元の指導と評価の計画

最初はめんどくさいのですが、
ここまで考えておくと、単元がスタートしてから
すごく余裕を持って仕事ができます。

ただ、「授業は生き物」という言葉にあるように
計画通りにいかないのが授業です。
指導の途中で何回も修正を入れ、調整しながら、規定の時間数内でやりくりをする、ということを
日常的にされている先生も多いと思います。

子どもたちの理解度や反応を見ながら
授業をしているなら、
ごく自然なことではないでしょうか。

そもそも、作成した単元計画に
無理があることもよくあります。

そこで、全然目新しいことではないのですが、
Wordで作成した文書に赤色で朱書きを入れたり
コメント機能で修正点をメモしたりします。

写真:Wordを使ったBefore/Afterの単元計画

こうすることで、次年度、自分や別の担当者が
同じ単元を考えるときに、よりUpdateされた
授業を提供することが可能になります。

②ボイスレコーダーを使った授業の振り返り

お仕事でボイスレコーダーを
使われている方はいらっしゃいますか?

私は仕事柄、リスニングテストを作成したり、
研修で許可を得て録音したりしています。

それに加えて、今年試したい活用法があります。

それが、自分の授業中の発言を録音する
というものです。

自分では気づかないのですが、
人の話し方には「癖」があることが多いです。

生徒が授業中の先生の真似をしている場面に
遭遇して、爆笑したり、
複雑な気持ちになったりしたことがある人も
多いのではないでしょうか(苦笑)

「えー、あー、とか言い過ぎだな」
「ここの説明がくどいな」
「ここは英語で伝えてもよかったな。
 それなら、こう言えるかな・・・」

と、録音した自分の声を聞くと、
さまざまな気づきを得ることができます。

私は往復40分かけて車で通勤をしているので、
その車の中で、自分の授業を1つピックアップ
して聞いてみようと思っています。

一番の目的は、自分の「英語力」の向上です。
英語教師には、子どもたちが理解しやすい
平易な表現で英語で指示をしたり、
フィードバックを返したりする力が必要です。

自分の声を聞くのは少し(というか、かなり)
抵抗があるのですが、気持ちがブルーに
なりすぎない程度に実践してみます。

③生徒の作品や発表動画による振り返り

「よい授業」とは、どんな授業で、
何をもって評価されるのでしょうか。

それは「育った児童生徒の姿」に他なりません。

いかに優れた教材を使っていて、どれだけ入念に板書計画を立てても、それが目の前の子どもたち
と調和し、子どもたちの生き生きとした姿に
繋がっていないのなら、それは「よい授業」とは言い難いと思います。

「よい授業」を追求する上では

「なぜその実践が優れているのか?」

という問いに対する根拠が必要です。
その際、絶対的な根拠となるのが、
子どもたちの作品や発表です。

スピーチの発表なら、原稿に縛られず、
聴衆と目線をつないで、豊かな表情で話す姿、
内容の説得力や具体性などで優れている発表に
心を奪われる人が多いです。

ライティングでは最初は1文も書けなかったが、
活動を通して「これだけ書けるようになった!」と気付ける変化(Before/After)があれば、
指導の有効性を実感できます。

これは、児童生徒にフィードバックすることで、彼らの自信にもつながりますね。

一方で、動画を見て
「あぁ、ここの指導が足りていなかった」
といった「課題発見」にも繋がります。

例えば、現在進行形のパフォーマンス課題で、
動画を実況中継する課題を実施したとき、

●be動詞が抜けていたり、その形が適切ではない【知識・技能】
●聞き手が理解しやすい発表の構成になっていない【思考・判断・表現】

などの気づきがあります。

それらから、次の単元で行うべき指導や手立てが見えてきます。
タブレット端末の導入で、授業の記録を気軽に
保存できるようになりました。
この環境を最大限に活用して、継続的に
児童生徒の作品や動画を保存し、
授業改善につなげていきたいと思います。


⑶ 授業の「健康診断」with 授業評価アンケート

最後に、授業評価アンケート(記述式)
の活用についてです。

皆さんは授業評価アンケートをしていますか?

学校全体で、行っている所もあるかと思います。
ここで焦点を当てたいのは、
数値によるアンケートではなく、
「記述式」のアンケートです。

子どもたちのアンケート(声)には、
授業改善のヒントが満載です。

ここ数年、ずっと実施しているのですが、
今年も根気強く続けていこうと思います。

アンケートの項目としては、
以下のような内容にしています。

【単元末】
●この単元でどんな力が磨かれたと思いますか。
●授業中に影響を受けたのは、
 どの友だちのどんな発言や行動でしたか。
●次の単元では、この単元の学びをどのように
 活かしていきたいですか。       など
【学期末】
●授業で「力がついた!」「集中できた」と思う
 活動は、どれとどれですか。理由と一緒に教えて
 ください。
●逆に「力がつかなかった」「やりがいを感じなか
 った」と思う活動は、どれとどれですか。理由と
 一緒に教えてください。
●授業で、心に残っている単元や活動はあります
  か。あれば、理由と一緒に教えてください。
●授業に対して、「もっとこうしてほしい」という
  要望があれば教えてください。
●先生に一言(成績には関係ありません)  など

耳が痛い内容を書いてくれる子もいますが、
それは本当に有難いことだと思っています。

例えば、中学校2年生で
次のように書いてくれた生徒がいました。

タブレットを使って英作文をするのはいいですが、
手を使って書く方がスペルとかを意識して書くので
英作文の力がつく
と思いました。
清書だけタブレットにして、それまでは
ノートに書くようにしてほしいです。

実際に授業を受けている生徒だからこそ、
気付ける大事な視点だと思いました。

正直、「ノート指導」のあり方に悩んでいます。

そんな中、デジタルとアナログを棲み分ける
基準として、貴重な視点をもらえました。

このように、記述式アンケートを通して、
教師が気づけなかった「課題点」を
子どもたちが教えてくれます。

それは、まるで「健康診断」のようです。

定期的に行うことで、課題が小さなうちに
改善することができます。

1回の実施に15〜20分ほどかかります。

ですが、自分の授業をよりよくするため
さらには、子どもたちに学んだことの
「メタ認知」を促すため
に、記述式アンケートは
大切な役割を果たしてくれます。

3. 最後に

ここまで、英語教師として
振り返りを日常化することについて述べました。

「教師力」を向上させるには、
膨大な時間と労力が必要だと痛感します。
「めんどくさいなぁ・・・」と
心が折れそうになることもあります。

ですが、そんな時は、宮崎駿氏の言葉
を思い出すと、勇気をもらえます。

最後はその言葉で、
この記事を締めくくりたいと思います。

ここまでお付き合いいただき、
ありがとうございました!

『プロフェッショナル仕事の流儀  特別編』より

世の中の大事なことって
たいていめんどくさいんだよ。

「めんどくさかったらやめれば?」
「うるせぇな」って、
そういうことになる。

「めんどくさい」っていう
自分の気持ちとの戦いなんだよ。

https://schizo.love/巨匠宮崎駿「世の中の大事なことってたいてい面/

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