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【#5】 英語教師として "Update"するためにしたい10のこと④ -「振り返り」の見直し-

こんにちは!
Sakaue Wataru | English Teacherです。

2024年、自分の「教師力」を磨くために
自分が今年意識したいことを言語化しています。

今回は、「振り返り」の見直しについて考察していきます。
というのも、学校現場では振り返りが「形骸化」していることがあると感じることがあるからです。
自分はよくあるのですが、次のような状況に陥ってしまうことがないでしょうか?

🔘”毎時間書くこと”が目的になっている
🔘”先生が喜ぶようなこと”が評価される
🔘“感想”に近い取組になっている
🔘”どんな視点で書くか”という「基準」や「視点」があいまい

1.「振り返り」の先に何が待ってるの?


「振り返り」を書く上で、授業者である私たち教師がその「意義」や「目的」を適切に捉えていなければ、取組の効果は薄くなると感じています。
これは、「振り返り」に限らずどんなことにも言えます。

例えば、ランニング。

毎日続けることが「ゴール」であれば、長続きしないことが多いです。(私自身、もう3ヶ月、ジムから足が遠のいています・・・)
ですが、うまく「ゴール設定」をしている人もいます。
同じ学年団の先生は、「夏休み中に100km走る」「体重を2年前に戻す」と、明確なゴールを設定して、上手にモチベーションを保っているので尊敬しています。
さらに、「脂肪が燃焼し始めるには30~40分の有酸素運動が必要」「ランニングの後に筋トレを取り入れることで効果倍増」というように、最大限の効果が発揮されるタイミングを理解して習慣化しています。

「振り返り」においても、その効果を最大限に発揮するためには、教師と学習者が「振り返りの先にあるゴール」「適切なタイミング」を理解しておくことが不可欠だと思うのです。
ですが、授業においては、ゴールを見据えずに振り返りを書いたり、ただ学んだことや感じたことを書く「感想」のような取組が多いような気がします。
自分もそういった状況に陥ってしまうことがよくあるのですが、それでは「振り返り」に費やした時間がもったいないな・・・と感じてしまいます。

2.「振り返り」は何のため?


そもそも、「振り返り」とは何のために行われるのでしょうか?
文部科学省のHPには次のようにあります。

振り返りは、「学んだ内容」「学び方」「これからの自分」を意識したものに子ども自身が定着することにより、こまめに主体的に振り返る習慣が身に付いてくる。振り返りを問い直すことで、子ども自身が再構築することを評価する。

文部科学省HPより

英語で振り返りは「リフレクション(reflection)」と訳されます。
リフレクションとは「内省」のこと。「感想」とは異なります。

内省《名・ス他》
現実に起こったことを客観的に振り返り、そこから窺える自分自身を見つめること。

これは、前述の文部科学省HPの内容と重なりますね。
もう少し掘り下げてみます。
ビジネス関連のnote、TECH CAMP ブログさんでは、振り返りが次のように説明されています。

振り返りとは、自分が目標達成のために行ったことを理解して整理し、次の行動につなげるための対策や改善点を導き出す行為を指します。 その際に、出来事や結果を思い出すだけでなく、体験や取り組みの意味を理解するようにします。 そして、同じような状況に出会った時に今までよりも最適な対応ができることが大切です。

TECH CAMP ブログより

教育とビジネス。分野は違えど、とても参考になる視点です。
これらの情報から考察するに、「振り返り」には次の「3つの意義」があると言えます。

⑴「振り返り」は「ゴール(目指す姿)」と、「自分の学習状況や学習到達度」を比較して「メタ認知(自己分析)」を促すために行う
⑵「振り返り」は「ゴール」(目指す姿)に向けて、児童生徒が自ら「学習方法」や「次の改善行動」を自己決定するために行う
⑶ 「振り返り」は「自分の成長」や「さらに成長したい部分」に気づかせ、自信をつけたり、向上心を引き出したりするために行う。

つまり、「振り返り」を単体で考えるのではなく、単元のゴール(短期目標)や学期・学年のゴール(中・長期目標)といった「見通し」とセットで考えることが大事であることが分かります。

3.「振り返り」と「見通し」をセットで考える


教師の仕事は多忙を極めています。
先週に報道された「兵庫の公立校で269人教員不足」というニュースを目にして驚かれた方も多いのではないでしょうか。
自転車操業の日々を過ごされる先生も多い中、「見通し」を持って授業をすることは容易ではありません。

自分の授業を振り返っても、「単元のゴールに何を持ってこようか・・・」と悩みながら見切り発車したことが何度もあります。
ただ、一つ言えることがあります。

それは、

  • 「見切り発車」の方が多忙感が大きい。

  • じっくり時間をかけて「単元計画」を立てた方が、日々の仕事に余裕が生まれ、授業が楽しくなる。生徒の成長を実感することも多くなる。

ということです。
「見通し」が明確だと、子どもたちは「振り返り」を駆使して、どんどん頼もしく成長していきます。これは、「次に何をしたらいいか」が分かりやすくなるためです。
そんな姿を一番実感したのは、中学校3年生で、学校を訪れる留学生に向けて「学校紹介HP」を作るという取組をした時でした。

写真1: 9年生(中3)単元末パフォーマンス課題の設定

単元のゴールは、「学んだ教科書の表現や文法(分詞の後置修飾)を活用して、学校の魅力をPRできるHPの記事を作る」こと。
ペアでああだこうだ言いながら、どんどん記事をアップデートしていく姿はとてもキラキラしていました。

この単元では、次のような「振り返りシート」を用意して、毎時間その時間の学びを振り返るようにしました。

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