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【志望理由書】日本大学理工学部海洋建築工学科<総合型選抜>大学入学希望理由書の書き方

日本大学理工学部海洋建築工学科を総合型選抜で受験する方の参考となるよう、志望理由書(大学入学希望理由書)の書き方のアドバイスをしていきたいと思います。

今回の情報は主に令和5年度入試について書いています。

日本大学理工学部海洋建築工学科について

基本情報

総合型選抜について

入試倍率

2022(令4)1.2
2021(令3)1.0

※倍率は受験者数÷合格者数です。

出願資格

大学入学資格を有し、第一希望である者

海洋建築工学科エントリーし,志望学科での勉学に強い意欲を持ち,本学部の教育と研究環境を活用して目標を実現する学力の3要素を有する者

入試日程※2023年度入試

■エントリー期間:7/1~9/12

■出願情報登録期間:8/1~9/12

■出願期間:9/1~9/12

■試験日:10/23

■合格発表:11/1

■手続き期間:11/1~11/16

提出書類

  • 出願確認票(Webで作成したものを印刷)

  • エントリーシート(エントリー期間中にWebで提出したものを印刷)

  • 調査書(出願資格証明の書類)

  • 大学入学希望理由書(HPよりプリントアウトして作成)

  • 活動報告書(HPよりプリントアウトして作成)

  • 学修計画書(HPよりプリントアウトして作成)

  • (A)事前課題報告書(※出願後10月上旬に課題が郵送される。)

  • (A)事前課題につての説明資料(試験当日持参)

  • (B)「小論文試験と面接」の選択の意思を確認するための書類

  • (B)小論文試験を受けるための資格証明を英語資格にした場合、その英語資格の証明書

こちらの大学の受験方法は2通りあり、「プレゼンテーションと口頭試問を含む面接」の試験を受ける人は(A)をを提出してください。大学の出す条件(評定や資格など)を満たすものは「小論文試験と面接」の試験に受験することができ、(B)をつけたものを提出してください。ただし英語資格の証明書は下に示す大学の出す条件のうち、d の英語資格の条件を使う人のみが提出します。それ以外の条件を使う人には不要です。

小論文試験を受けるための条件は以下になります。

●全体の学習成績の状況が3.6 以上であり,かつ,次のa からe までのいずれかを満たすこと
a. 数学の学習成績の状況が4.0 以上
b. 物理,化学,生物,地学のいずれかの科目の評定の平均が4.0 以上(但し,基礎科目を除く)
c. 芸術(美術Ⅰ,美術Ⅱ,美術Ⅲ)のいずれかの科目の評定が5
d. 実用英語技能検定準2 級以上合格,TOEIC®L&R のスコアが450 以上,CEFR ランクA2以上[ケンブリッジ英語検定・GTEC(CBT タイプ又は検定版)・TEAP(含むCBT)・TOEFL®iBT テスト等],または,IELTS のスコアが4 以上のいずれかに該当(実用英語技能検定は合格証明書,TOEIC®L&R は公認認定証, CEFR はランクがわかる証明書,IELTS は成績証明書の写しを提出すること)※外部の英語資格・検定試験の取得年月は問わない
e. 各種の建築設計競技,デザインコンクール,美術展に出展し,試験当日に当該作品を持参できる

条件については情報が変わっている可能性がありますので、必ず大学の出している募集要項を確認ください

試験

  • 説明資料を用いた課題のプレゼンテーションと口頭試問を含む面接

または

  • 小論文

  • 面接

試験はどちらかを選んで受験になります。ただし、小論文試験を含む試験を受けるためには大学の出す条件を満たす必要があります。情報が変わっている可能性がありますので、必ず大学の出している募集要項を確認ください。

評価項目

  • 試験(面接・プレゼンテーション・口頭試問・小論文)

  • 大学入学希望理由書

  • 活動報告書

  • 学修計画書

  • 調査書

  • 事前課題報告書(小論文試験を選択した者は評価対象外)

志望理由書について

日本大学理工学部海洋建築工学科の志望理由書は、大学入学希望理由書という名称となっています。

  • 大学ホームページよりダウンロードした指定の用紙を使用

  • 黒ボールペンで手書き

  • 時数指定なし

  • 出願要件「志望学科での勉学に強い意欲を持ち,本学部の教育と研究環境を活用して目標を実現する学力の3要素を有する者」を満たしていると判断し,それを主張する内容

という指示があります。

近年よく「学力の3要素」という文言を見かけます。これは、「知識・技能」、「思考⼒・判断⼒・表現⼒」、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」になっています。志望理由書を書く場合、この「学力の3要素」について頭を悩ませる方もいるかと思いますが、この記事で紹介する書き方で書いていただければ大丈夫ですので、ご安心ください。

志望理由書のアドバイス

志望理由書の書き方につきましては、以下の無料のnote記事をお読みいただくと理解が早いと思います。

https://note.com/fair_willet76/n/ne6e2e4f7c587


上記の記事の流れに沿って「①将来の夢」~「⑤自分の長所」をまとめ、志望理由書についてアドバイスしていきます。

大学ホームページ・パンフレットの読み込み

日本大学理工学部海洋建築工学科のホームページやパンフレットを読み込み、身に付けることができそうな力や経験を挙げていきます。


パンフレットの学科のページの最初に書かれている部分です。

さらに、学部のホームページには以下のような文言があります。

海洋建築工学科は、海洋への人類の望みに対して建築や海洋の技術を統合し、1978年に誕生した新たな学問体系を持つ学科です。その基本は、人が住み、働き、憩う環境をデザインするために、カタチを「作る」こと、構想を「創る」こと、構造物を「造る」ことであり、日々、建築およびその先のフィールドの開拓をめざしています。海洋建築工学科では、建築工学の基礎知識や技術を習得するとともに、海洋および沿岸域の環境を理解し、防災安全に優れ、多様な立地環境に適合できる建築や、自然環境・景観に配慮した都市・地域づくりの計画や設計のための専門知識を学びます。これらの知識を十分に活用し、高い倫理観を持って人と地球に貢献する建築技術者を育成しています

 海洋における経済活動のうち海洋再生可能エネルギーは、洋上風力発電や波力発電をはじめとして今まさに開発が本格化しようとしています。海洋建築工学科はこれらの構造物設計や社会システムづくりにかかわる人材も育成しています。

日本大学理工学部HPより

また、学科のホームぺージの学科の特徴のページには以下の内容が書かれています。

海洋建築工学科は、人が住み、働き、憩う環境をデザインするために、カタチを「作る」こと、構想を「創る」こと、構造物を「造る」ことを基本とし、建築のさらにその先のフィールドを開拓しています。研究の対象は、地球そのものです。
海洋はもちろん、沿岸域の暮らしや環境、都市、人そして建築における課題の発見と解決策の提示に取り組んでいます。

 4年間での学修の体系
1年生では専門教育の基礎に相当する科目を学ぶとともに、社会人として求められる幅広い教養とコミュニ ケーション力を身につけます。2、3年生には、より専門性の高い科目が設置され、意匠・計画を学ぶデザイン演習、実現象を体験し理解する実験・実習の科目、建築物の構造設計に必要な知識を修得する構造力学、材料・施工法及び建築計画などの科目、海洋建築物の建設に最も重要な海洋環境の理解を目的とした科目から構成されています。さらに3年生からのゼミナールでは、授業の枠を超えて高度な知識・技術を身につけるために、少人数教育の授業が行われています。
<1年生>
海洋建築の社会的役割を知り必要な基礎知識を習得する
建築の基礎を理解しながら、建築技術と海との関わりをグループワークやオリエンテーションを通じて理解し海洋建築的思考を養います。
<2年生>
建築や海洋に関わる専門科目と建築デザイン演習を通じて海洋建築への理解を深める
構造系、計画系および環境系の専門科目をバランスよく修得することで、将来の選択肢を広げる幅広い知識を習得します。
<3年生>
少人数ゼミナールでより専門的な知識と技術を習得する
自身の興味・関心に沿って、セミナール(研究室)を選択し、調査・研究・議論・発表を通して2年生よりも専門的な知識と技術を習得します。
<4年生>
卒業研究を通じてより実践的な知識と技術を習得する
授業としては総合演習でPBL形式の実践的演習を行い、卒業研究でより高度な専門領域へと踏みこみながら研究成果を自身でまとめます。 日本大学理

工学部海洋建築工学科HPより

パンフレット・学部HP・学科HPを読んだところ、最も特徴的なことは学科の学びそのものです。普通の学科は様々な大学に存在しており、志望理由書を書くためにはその違いを見分けなければなりません。

例えば”建築学科”であれば多くの大学にありますので、志望理由書に「建築学が学びたいので貴学を志望する」と単純には書けないわけです。その大学の建築学科独特の取り組みを見つけ、「貴学の○○や△△により自分の目標を実現できると感じたので志望する」というように書かなければならないわけです。

ですが、こちらの学科”海洋建築工学科”は他の大学にない、日本大学唯一の学科になりますので、

 「海洋建築を学びたい」=「日大理工海洋建築工学科に行きたい」

といえるわけです。つまり志望理由書に「海洋建築を学びたいから貴学を志望する」と書いても良いわけです。

さらに学部のホームページにある「高い倫理観を持って人と地球に貢献する建築技術者を育成」という点を合わせれば将来像がイメージできます。

その将来像としては、「海洋資源を活かして地球環境に貢献できるような建築技術者」というところで良いと思います。

3つのポリシーを読む

上に示したアドミッションポリシー、カリキュラムポリシー、ディプロマポリシーの3つを読み、そこから「海洋資源を活かして地球環境に貢献できるような建築技術者」というあいまいな将来像を明確なものにするための必要な情報を取り出します。

アドミッションポリシー

アドミッションポリシーは学部のものと学科のものの2つがあり、そこから読み取れる内容としては、海洋工学と建築学、コミュニケーション能力の習得に強い意欲をもち、海洋空間の環境保全と諸問題の解決を通して、社会に貢献しようとする人物となるかと思います。

理工学部

日本大学理工学部は,日本大学が掲げる教育の理念『自主創造』に基づき,一人ひとりの個性を尊重し,『自由闊達な精神,豊かな創造性及び旺盛な探究心を持ち,人類の平和と福祉に貢献できる,誇りある人材を養成する』ことを教育理念に掲げています。
このような教育の理念のもとに,日本大学理工学部では,大学で学ぶ上で求められる基礎学力を有し,知的好奇心が旺盛で,修得した科学的知識・技術を活かし社会に貢献したいという意欲のある人を求めています。

海洋建築工学科

海洋建築工学科の教育に必要な基礎能力を有し数理科学を論理的に深く理解している人、コミュニケーション能力の向上に努力を惜しまない人、海洋工学と建築学の発展に強い興味を持ち基礎理論と専門技術を学びたい人、快適で安全な美しいデザインの建築物やウォーターフロントの計画・設計技術を修得したい人、沿岸陸域から海洋空間の環境保全と諸問題の解決に貢献したい人、などを受け入れます。

カリキュラムポリシー

カリキュラムポリシーは学部のもののみしか確認できませんでした。ここには工学の知識だけでなく、倫理観や論理的思考力、批判的思考力、リーダーシップなど幅広い力を身に付けようというような内容が書かれています。ですので、直接志望理由書に使えそうな内容はありませんでした。

日本大学理工学部(工学)では,日本大学教育憲章(以下,「憲章」という)を基に,専門分野を加味した卒業認定に関する方針に沿って学問分野別の教育課程を編成し実施する。
「憲章」に基づく卒業の認定に関する方針として示された8つの能力(コンピテンシー)を養成するために,初年次教育,教養教育,専門教育,キャリア教育等の授業科目を各能力に即して体系化するとともに,講義・演習・実験・実習等の授業形態を組み入れた多様な学修方法による教育課程を編成し実施する。
また,学修成果の評価は,専門的な知識・技能及び態度を修得する授業科目に関しては,授業形態や授業手法に即した多元的な評価方法により,各授業科目のシラバスに明示される学習到達目標の達成度について判定し,「憲章」に示される日本大学マインド及び自主創造の8つの能力(汎用的能力)への達成度に関しては,卒業の達成を測るための授業科目の修得状況や到達度と学生自身による振り返り等をもとに段階的かつ総合的に判定する。

1.教養教育科目,基礎教育科目及び各学科の専門教育科目の学修を通じて,豊かな教養・知識を身につけ,倫理観を高める能力を育成する。

2.教養教育科目及び基礎教育科目に置かれる外国語科目等の学修を通じて,世界情勢の理解や外国語による意思疎通の能力を育成する。

3.基礎教育科目の基礎科学分野及び各学科の専門教育科目の学修を通じて,工学に関する知識を養い,論理的かつ批判的な思考力を育成する。

4.各学科の実験・実習科目及び卒業研究の学修を通じて,問題を発見し,解決策を提案する能力を育成する。

5.各学科の専門教育科目の学修を通じて先端の技術・理論に触れ,探究心及び挑戦力を育成する。

6.全学共通初年次教育科目,基礎教育科目及び各学科の専門教育科目の学修を通じて,コミュニケーション力及び他者への理解力を育成する。

7.卒業研究等の学修を通じて,リーダーシップや協働者の力を引き出す能力を育成する。

8.卒業研究及び卒業達成度評価科目の学修を通じて,自己の学びを振り返り,自己を高めることができる能力を育成する。

ディプロマポリシー

ディプロマポリシーは学部のもののみしか確認できませんでした。これも、カリキュラムポリシーと同様に工学の知識だけでなく幅広い力を身に付けてほしいという内容となっています。

日本大学理工学部は,日本大学教育憲章に基づき,以下の能力を身に付け,所定の年限在学し,かつ所定の授業科目及び単位を修得した学生の卒業を認定し,学士(工学)の学位を授与する。
1.豊かな教養・知識に基づいた高い倫理観を有し,人類の平和と福祉に貢献できる。

2.世界情勢を理解し,国内外において直面している状況を理解し,その多様性及び自身の考えを説明することができる。

3.得られる情報を基に工学に関する知見から論理的な思考,批判的な思考をすることができる。

4.事象を注意深く観察して能動的に課題を発見し,豊かな創造性及び工学に関する専門的知識を基に解決策を提案することができる。

5.旺盛な探究心を持ち,あきらめない気持ちで社会における様々なことに対し果敢に挑戦することができる。

6.他者の意見を聴き,自身の考えを伝え,互いの個性・特色を理解することができる。

7.集団においてリーダーシップを発揮し,他者と連携することで,協働者の力を引き出し,その活躍を支援することができる。

8.謙虚に自己を見つめ,振り返りを通じて自己を高めることができる。

①将来の夢

「海洋資源を活かして地球環境に貢献できるような建築技術者」というぼんやりとしたイメージとアドミッションポリシーなどから読み取った内容を合わせ、明確な将来像を作ります。

アドミッションポリシーで、「海洋工学と建築学、コミュニケーション能力の習得に強い意欲をもち、海洋空間の環境保全と諸問題の解決を通して、社会に貢献しようとする人物」、カリキュラムポリシーとディプロマポリシーから「倫理観や論理的思考力、批判的思考力、リーダーシップなど幅広い力を身に付けた人物」という人物像を読み取ることができます。

それらをふまえ生まれる将来像として

「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用して人々の生活を豊かにすることができる建築士」

というものが挙げられるのではないでしょうか。

②大学を選んだ理由

海洋建築工学科のホームページの「海洋建築工学科の特色」や「パンフレット」から内容を見ていきましょう。

3つの専門科目

海洋建築工学科の学びは3つの専門科目群に分かれています。その3つの中から自分の将来にあわせて科目を選択し、将来につなげることができます。

〇計画系科目群

建築物を設計するために、都市やウォーターフロントなどに関わる空間計画手法とデザイン技術の知識を身につけ、人間に快適な陸域・海域に立地する建築物の計画・デザインができるようになります。

簡単にいうと建築物の空間計画やデザイン力を身に付けることができます。つまり建築士として必須の能力となります。

〇構造系科目群

建築材料の性質・特性に関する基礎知識および構造力学・構造解析の知識を身につけ、ウォーターフロントの 超高層ビルや海上プラットフォームの構造設計・施工ができるようになります。

簡単にいうと建築物の材料知識や強い建築構造の作り方を知ることができます。

〇環境系科目群

地球物理学や海洋環境学の基礎から応用までの知識を活かした海洋環境の維持・管理・保全ができるようになります。

簡単にいうと環境を持続的に利用する能力を身に付けることができます。最近流行りのSDGsですね。この科目群は「①将来の夢」の海洋資源の活用のためには必須の学びになります。

学年による学び

次に学年ごとの学びの流れを見てみましょう

〇1年次

建築の基礎を理解しながら、建築技術と海との関わりをグループワークやオリエンテーションを通じて理解し海洋建築的思考を養います。

学科HPより

1年次では海洋建築を学ぶにあたっての基礎知識を学ぶことができます。建築と海とのかかわりについてはグループワークやオリエンテーションがあり効果的に学ぶことができるようです。さらに建築製図などを学ぶベーシックデザイン演習では少人数制のグループ学習で、ポスター作成や発表会などを行うことから、コミュニケーション力や人に伝える力もつけることができます。

〇2年次

構造系、計画系および環境系の専門科目をバランスよく修得することで、将来の選択肢を広げる幅広い知識を習得します。

学科HPより

2年次になると1年次の基礎を元に上記の計画系・構造系・環境系の3つの専門分野に応じた選択課目も増えてくるため、ここで海洋建築工学についての専門知識を系統的に深めることができます。さらにデザイン演習も1年次のベーシックデザインより具体性が上がり設計能力を高めることができます。ここで専門知識を広く学ぶことで3年次の研究室選択へつなげていきます

〇3年次

自身の興味・関心に沿って、セミナール(研究室)を選択し、調査・研究・議論・発表を通して2年生よりも専門的な知識と技術を習得します。

学科HPより

他の大学には無いこの学科の大きな特徴として、3年生の前期から研究室に配属される点が挙げられます。研究室配属されるのは13年次の後期からというところも増えていますが通常は4年次からです。ですが、こちらの学科は3年になるとすぐ研究室配属されます。海洋建築はかなり特殊な学科ですので学生の専門性を高めるためにこうした手法が取られているのでしょう。

3年になりすぐ研究室に配属されることから、専門知識を深めるだけでなく、調査や議論、発表を通して協働力やプレゼンテーション能力などを向上させる機会が増えます

〇4年次

授業としては総合演習でPBL形式の実践的演習を行い、卒業研究でより高度な専門領域へと踏みこみながら研究成果を自身でまとめます。

学科HPより

4年次になると、授業は総合演習と卒業研究のみになります。総合演習はPBL形式(問題解決型授業)を行っており、課題発見力や課題解決能力を身に付けることができます。さらに卒業研究では3年次に続き専門知識や協働力・プレゼンテーション能力を高めていくことができます。

大学を選んだ理由のまとめ

まず学科として絶対に外せないものとしては「海洋建築工学を学べる」点です。海洋建築工学を専門としている大学はここだけです。ですので、当然ですがこの点については必ず記載しましょう。

他にも1年次から2年次にかけて「海洋建築を学ぶにあたっての知識を基礎から専門まで系統的に学ぶことができる」ことが挙げられます。そして、3年次から研究室配属されることにより「専門性をより深め、協働力やプレゼンテーション能力を高めることができる」ことも挙げられます。他にも「環境系科目群を深く学ぶ」ことができれば「①将来の夢」の「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用する」ことができるようになるといえます。

これらの点をまとめればよいのではないでしょうか。

③大学生活

「②大学を選んだ理由」として挙げた3つの項目について、大学の具体的な取り組みを探していきましょう。

1.海洋建築を学ぶにあたっての知識を基礎から専門まで系統的に学ぶことができる

大学のホームページやパンフレットだけでなくカリキュラム表などを参考に見ていくと良いかと思います。

ホームページやパンフレットには建築の基礎となる設計製図課目である1年次のベーシックデザイン演習や2年次のデザイン演習を少人数授業で行うことで、建築に関する知識を効果的に身に付けることができると書かれています、さらに、そこではグループワークやプレゼンテーションを行う機会があり、協働力や人に伝える力を身に付けられることも示されています。

 さらに、カリキュラムをみると1年次の授業に「海と建築」や「海洋建築工学インセンティブ」などの授業があり、海洋と建築をつなぐための基礎知識を学ぶことができます。他にも海洋実習や実験などで海洋と建築について実践的な力も身に付けることができる環境がある点をあげるとよいのではないかと思います。

2.専門性をより深め、協働力やプレゼンテーション能力を高めることができる

 ここは研究室に配属されるタイミングが3年前期ということもあり、2年次までの学習で専門科目を決めなければなりません。カリキュラムを見ると1年生の授業は基礎知識が中心で、本格的に専門科目を学ぶことができるのは2年生からになります。つまり2年生で学んだ専門知識から、自分のやりたいことを見つけ研究室を選ばなければなりません。つまり2年生の専門科目はしっかりと学ぶ意志を明記したほうが良いと思います。

 さらに研究室に配属し、研究や議論、発表などを繰り返すことで専門性、協働力、プレゼンテーション能力を高めることができます。これらの力は技術者にとってなくてはならない能力であり、「①将来の夢」を実現するためには非常に効果的な取り組みであるといえます。

3.環境系科目群を深く学ぶ

 今回の「①将来の目標」を「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用して人々の生活を豊かにする」としていますので環境を意識した知識を身に付けることができることは挙げておいた方が良いと思います。

特に近年はSDGsなどが叫ばれておりますので、環境を保全することの大切さは以前に比べて増しているように思います。こうした現在社会で求められている事象も志望理由書に入れていくとよいのではないでしょうか。

その他大学生活

その他の大学生活として、進学者が全体の3割近くいるという点から、「大学院進学も視野に入れている」と書いてもよいと思います。もちろん進学のつもりがなくとも、「視野に入れている」くらいなら嘘にはなりませんし、海洋建築工学に関する知識を深めたいという意欲を伝えられると思います。

 さらに「卒業研究」で配属したい教授・研究室をあげるのもよいでしょう。そうすることで、より具体的に学びたい内容を伝えることができますので、ぜひ大学のホームページから興味のある教授・研究室を探してみてください。

 今回「①将来の目標」を「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用して人々の生活を豊かにする」としていますので「海洋空間利用工学研究室」などが良いと思います。

④将来のきっかけ

「①将来の夢」である「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用して人々の生活を豊かにすることができる建築士」になりたいと思うようになったきっかけを書きます。

 これまでの経験の中で、海洋建築物などについて困った経験や助けられた経験があればそれを書きましょう。ただ海洋建築物に関するような大規模な経験をしている人はほとんどいないと思いますので、社会の持つ問題を海洋建築によって解決できそうなものを挙げると良い思います。特に「SDGs」などを利用すると印象はよくなるかと思います。

例えば、
日本は現在、海外から輸入したエネルギーに依存しているが、海洋資源についての技術を向上させることができれば海に囲まれた日本は他国に頼らずにエネルギーを確保できるようになる。そうした産業に携わり、多くの人々が豊かな生活を送れるようにしたいと感じるようになった
現在発電に用いられている火力発電や原子力発電は環境に対して悪い影響があるので、環境に与える影響の少ない海洋エネルギー技術を発展させることで地球環境の保全につなげることができると感じた
といったような、社会が求めるきっかけを挙げればよいのではないでしょうか。

⑤自分の長所

自分の長所は「①将来の夢」とアドミッションポリシーから考えます。アドミッションポリシーは「海洋工学と建築学、コミュニケーション能力の習得に強い意欲をもち、海洋空間の環境保全と諸問題の解決を通して、社会に貢献しようとする人物」という内容が書かれています。ここまでに出ていない力として、「他者のために行動できる力」が一例として挙げられるでしょう。また将来の夢である「環境を守りつつ、日本が持つ豊富な海洋資源を活用して人々の生活を豊かにすることができる建築士」に必要な力の一例として、「課題解決能力」が挙げられるのではないでしょうか。

あなたの長所を「他者のために行動する力」や「課題解決能力」として、これらを示せるようなあなたの経験を挙げてください。

例えば、

「課題研究で「(人のためになるようなテーマ)」というテーマで、様々な調査方法や検証方法を考えながら課題解決に取り組んだ」

「文化祭の企画委員として来場者に喜んでもらえるような企画を実現していく中で様々な問題が生じたが、その一つ一つを話し合いや工夫することで解決することができた。その結果、来場者だけでなく、クラスのみんなに喜んでもらえるようなクラス企画を作り上げた」

というように、人のためになるようなことに興味をもち、それを知るために様々な行動をとり解決へ繋げたというような経験を挙げれば大丈夫です。

志望理由書をまとめる

ここまでまとめた①~⑤を以下のような構成にまとめ、文章を整えてください。

日本大学理工学部海洋建築工学科の志望理由書は文字数指定がありませんので、パターン②で作成しましょう。

ここで、大学入学希望理由書の内容に求められていた「学力の3要素」についてですが、「知識・技能」は「①将来の夢」を実現するために大学や建築に関する情報についてしっかりと調べていること、「思考⼒・判断⼒・表現⼒」については、「②大学を選んだ理由」や「③大学生活」を「①将来の夢」につなげることができていること、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」については、「②大学を選んだ理由」で「他の研究室と協力しながら研究したい」ことを示せば表現できると思います。

志望理由書の例文

ではここまでの内容をまとめて、志望理由書の例文を書いてみます。
さらに、志望理由書の例の後には、過去面接で聞かれた内容やアドバイスも示しておきます。

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