今頃にウクライナ犯行説?

2022/9/26、ドイツとロシアを結んでいた天然ガスの海底パイプラインであるノルドストリームが何者かによって爆破されました。

今年2月、その犯行はバイデン政権であると指摘したのは諜報活動家のシーモア・ハーシュ氏でした。

バイデン政権はすぐさま否定。

度々、ウクライナ人による犯行説が囁かれていましたが、これほど大規模な作戦が実行可能な組織は限られているだろうということで、あいまいにされてきたのがこれまでの経過でしょうか。

作戦というところでは、シーモア・ハーシュ氏の話は具体的であり、時限爆弾を使う以外に方法がないというところも、それを仕掛けることが可能なのはハイテクを使える軍事組織しかないのではないかとも思えます。

今回、やまたつさんはワシントンポストが発表した報道を使って分析した動画をあげていらっしゃるので、まずはざっくりと切り出しておきましょう。

11.12 ウクライナによるノルドストリーム爆破報道の意味は?




概要


1.2023/11/11、ワシントンポストとドイツメディアが共同捜査報道としてノルドストリーム爆破事件の犯人に関する報道をしている。
2.犯行はウクライナ軍の当時の特殊作戦軍元大佐がコーディネートしていた。
3.この報道自体がウクライナ支援の終了のサインではないかと話題になっている。
4.ウクライナの犯行となれば、とんでもないテロ国家ということになる。

いくつかの説

①ロシア犯行説。
②アメリカとノルウェー説。
③ウクライナ過激派説。
④ウクライナ特殊部隊説。

犯行の証拠(報道レベル)


犯行に使用されたヨットは”アンドロメダ”と特定。
5人の男、1人の女がブルガリアとルーマニアの偽造パスポートを使い、ウクライナ諜報機関のフロント企業経由でヨットを借りた。
ドイツ当局の発表で、爆発物の痕跡が確認されている。
その残留物はノルドストリームの爆薬と一致した。

ウクライナ犯行説にしたい?

欧米政府が「欧州エネルギーインフラへの危険な攻撃」と呼ぶ事件に、ウクライナ軍と諜報機関トップが関係していたことを示す、今日までで最も直接的な証拠だ。

と指摘している。

犯行者は?

コーディネートしていたウクライナ軍の元大佐Roman Chervinsky(ローマン・チェルビンスキー)は、その前職が諜報機関の高官。

彼は2023/4月に逮捕されている。
2022/7月、ロシア兵の亡命補助作戦で失敗した。
亡命者を招き入れる際にミサイル攻撃を許して17人が死傷した。
これを職権乱用として逮捕。
しかし、彼は「軍の許可が出ていた」と証言している。

計画者は別にいる?

報道では、計画立案は別人と主張。
ウクライナ軍最高司令官に直接報告する立場の人物。
だからウクライナ軍がやったのだとしている。
犯行はウクライナ大統領を迂回する方法がとられていた。

しかし、アメリカはウクライナ軍の行動・作戦を把握できていないことが先の流出した機密文書で明らかになっている・・・

ゼレンスキー大統領は、「我々は一切関与していない」
正確には「知らない」ということでは?

ローマン・チェルビンスキーが犯人という理由

彼は「大統領側近にスパイがいる」や「2020年の作戦の失敗は、大統領側近たちによるリークが原因」と公に批判していた。
なので、嫌われている彼が犯人にされている?

ウクライナ軍工作は知っていた?

流出した機密文書や報道によると、2022/6月にオランダ諜報機関がウクライナの工作を察知していた。
CIAに伝達し、アメリカがウクライナ工作を止めたと言われていた。

ワシントンポストの記事によれば、米国政府関係者は「中止ではなく、延期させて出発地変更をさせられただけのようだ」と統制がとれていない発言をしている。


結論


この報道は怪しい。
証拠を残しすぎている。
ヨットが極端に汚されていることや残留物など。
テロ行為で犯行を特定されやすいものを残すはずがない。

ヨーロッパとロシアを結んだパイプラインは、欧州にとって生命線。
それをテロで爆破するウクライナは支援されるはずがない。

誰が得をしたのか?

ロシアではない。
ノルドストリームで欧州を経済圧力をかけることも出来たはずで、約3兆円もの安定収入を手放すはずがない。

一方、米国とノルウェーはロシアの影響力が低下し、自国のガス事業の収益が拡大する。
事実、ドイツはこの事件以来、アメリカのガス会社と契約を結んでおり、ノルウェーも過去最高収益を上げている。

ノルウェーの元首相は、NATOの事務総長であることもあげられる。



感想


シーモア・ハーシュ氏のリーク記事は詳細で、かつ合理的な話でした。
その情報源は政府機関(CIAなど)からということは知られている話です。

2023/11月現在、ロシアウクライナ戦争はほぼ決着がついており、今はイスラエル・ハマス戦争に世界の目は向いています。
やまたつさんの仰るように、つまり、ウクライナは責任を取らされているのでしょう。

おそらく表向きは明らかになるまで時間がかかるし、真相は闇の中なのかもしれません。
結局、みんなが忘れた頃の何十年後かに表に出てくるのではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?