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『new born 荒井良二』 千葉市美術館


明るい雰囲気のチラシが気になり千葉市美術館に。

荒井良二氏のことは存じ上げませんでしたが、前回の三沢厚彦展がもの凄く良かった千葉市美術館だけに今回も期待して訪問。
結果、今回も凄く良かったです!

会場に入ってすぐに木の板に直筆のメッセージ。子供の字っぽい独特のフォントです。

ふつうに塗り潰し修正あり

 活動のベースは絵本のようですが、ご本人いわく「絵本も書くひと」という事で、過去の展示会でのライブペインティングの作品やインスタレーション、無数のイラストに音楽と非常に盛りだくさんな内容です。

入場してすぐの門

荒井氏の絵本自体も展示されてましたが、確かに子供が小さい頃本屋さんで見たことあるなーという印象。一度気づけばすぐに荒井作品と分かる作り。


キャプション代わりに御本人の直筆で説明コメントがあるのですが、どれも優しい感じなのです。
特にこれなどグッときます。

そして明るく優しい大竹伸朗のようなインスタレーション。こちらは流れてる音もほんわか系でハッピーなイメージです。とにかく居心地よい明かるさ。作品も細かい。

写真だとそれほど楽しそうに見えませんが…
こけしが佇んでます
屋台風
ミッフィー55周年展に出品した「ミッフィーの化石」
どうかしてる感もあります

そして時々笑いを取りに来るイラストキャラ達(多数登場します)

気持ち力士


そばる そばたべてる
ゆあがる ゆぶねからあがる
よだる よだれがたれる

そして最後に新作のインスタレーション「new born 旅する名前のない家たちをぼくたちは古いバケツを持って追いかけ湧く水を汲み出す」(タイトルながい…)
こちら立ったまま観るより、しゃがんで観ると全然印象が違います。小さい子供向けに作ってるからでしょうか

ぱっと見こんな感じですが


目線を下げるとこんな感じに

最後まで観て、作品全てが明るくて優しい雰囲気で、しかも子供の目線というか感覚を感じるのは何でだろう?
荒井さんの事が気になり、帰りについこちらの本を買ってしまいました。

その中で、

つまり「子どものため」に描くということは、自分も含めた「過去、現在、未来に存在するすべての子供たちのために」描くことだとわかったのです。
3.11を経て、僕はこのことをますます確信しています。大げさに聞こえるかもしれません。でも、ぼくは100年後、もっと言えばその先の子どもたちにも届けたい。そう本気で思いながら、いま描いてます。

「ぼくの絵本じゃあにぃ」荒井良二

荒井さん、優しそうに見えて、もの凄く熱い方。
今の子供だけでなく、過去=今の大人、未来=これから生まれる全ての人に向けて伝えていくのだと。
本気で取り組んでるからこそ最後まで優しさを感じたんだなーと帰りの電車内で気付きながら家路につきました。
本気で思うこと大事、です。(自分に言ってます)

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