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『宇野亞喜良展』 東京オペラシティアートギャラリー

『宇野亞喜良展』を見に初台の東京オペラシティアートギャラリーに行って参りました。

元旦の「日曜美術館」の放送で、宇野さんと彼の大ファンである、のんがアトリエで対談しているのを非常に興味深く視聴しまして、本展覧会もかなり気になっていました。宇野さん、なんと御年90歳。

カルピスの社内デザイナーからキャリアをスタートさせ、グラフィックデザイナー、イラストレーターとして手掛けた作品が正に無数に展示。もう、凄いボリューム。

壁一面に宇野さんのお仕事

今から50年以上前に手掛けた企業広告の数々。今見ても最新のデザインに感じるものばかり。大企業の宣伝部も今よりかなり自由な雰囲気だったのではと想像。その後、日本デザインセンターに入社し横尾忠則とも一緒に仕事をしていたのですね。

天井桟敷の舞台のポスターも多数手掛けていて、このへんは横尾さんと交代交代でやっていたのかしら?派手な色使いではあるものの、横尾さんのようなドギツさはなくて、なんというか軽やかなセンスを感じます。個人的には宇野デザインの方が好みです。


舞台のポスターたち

昨年の『横尾忠則 寒山拾得』を見た時も87歳とは思えない、パワフルな作品に圧倒されましたが、宇野さんは更に2歳年上。戦前生まれのアーティストたちはホント凄いです。

展覧会の最後に宇野さんの挨拶文が掲示されてました。

素敵なことばでした

最近、俳句をビジュアライズすることにはまっていて、それを少女の気分になって絵にすることをやっていると。それに続けて、

文字から絵を発想することが好きだし、少女を描くのが好きだからなのだと思う。考えれば90歳にいたる長い時間を、この好きだから…という気分で仕事をしてきたし、そんな気分で生きてきたような気がする。

『好きだからという気分。』

うまく言葉にできないこともありますが。好きだからという気分を大切に。

絵も素敵ですが、人生の大先輩に大切な言葉も頂いて帰路につきました。気分たいせつ。


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