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チーム力最大化2ーやる気をさらに引き出す


この〈チーム力最大化〉のテーマでは、私のマネージャー経験の中で良い結果を出せた経験をもとにメンバーのパフォーマンスを上げる考え方やコツなどを書いています。

1.2つめのやる気の元

チーム力最大化1”で、メンバーのやる気を引き出してチーム力を最大化するために、一番初めに仕事に対する動機を聞いてそれに合う仕事をアサインするといいですよ、という話をしました。
さらにメンバーのやる気が上がる仕事の動機づけとして、
彼らが
①キャリアイメージに合わせたスキルを獲得できていると思える
②できることが増えている実感を得る
という点が挙げられます。
つまり、2つめのやる気の元は “成長” です。
1on1やキャリア面談などで、異動や昇格についてメンバーと話すと思いますが、その時に、どの部署に行きたいかだけでなくどんな仕事をしたいのか、どんなふうに仕事をしたいのかも併せて聞いていきます。
聞いた側のリーダーはそれを聞いて、どんな能力、知識、スキルが必要か、分解して考えてみます。分解した中で、今の領域でその人に身につけてもらうと次につながりそうなものをピックアップして、仕事のアサインやスキル育成、自分では教えられないなら社内教育プログラムや社外の教育プログラムへの参画を支援します。

例えば、どんな仕事をしたいのかにおいては
マーケティングなら、
調査手法(リサーチ)、デザインシンキング、マーケティング理論など。
戦略や事業企画系なら問題解決(ロジカルシンキング)やMBAなど。

どんなふうに仕事をしたいのかにおいては
大きいプロジェクトを任されたいなら、問題解決(ロジカルシンキング)やプロジェクトマネジメント、
関係者の気持ちになって部門の橋渡しをしたい、ならファシリテーションやコミュニケーション、
将来のことを考えて新しいことを提案したい、なら将来予測の情報が掲載されている官公庁サイトや書籍、アイデア出しや提案の作り方
など。
どんな仕事でも必要な知識やスキルは絶対ありますし、さらに社内の部門横断的な仕事においては、社内の業務内容や人脈の共有も支援の対象になり得ると思います。

リーダーもそれほど多くの部署を経験していない人もいると思うので、すぐに提案できなければ、メンバーと一緒に調べて考えたり(知りたいことはググればなんでも出てきます)、該当部署の知り合いに聞いてみる、そこの人を紹介する、などが支援につながると思います。社外教育の費用を工面することも支援と言えます。
とにかく、メンバーが話すキャリアや成長の方向性を理解していて、それに合う成長支援を提言できていることが重要です。
いつも、そのメンバーの気持ちになって、自分だったら何が知りたいか、どうしたいか、考えている姿勢が大事。それは必ず彼らに伝わります。

2.メンバーの成長のためにすること

キャリアイメージがない人やまだ曖昧な人にとってはどう成長したいかと言われても困ってしまって答えられないメンバーもいますよね。
そういうときは、とにかくロジカルシンキングを鍛えることをまず勧めます。

私のチームでは、希望を聞くよりも前にロジカルシンキングの重要性を説明し、まずしっかり体得してもらうようにしています。
ロジカルシンキングの効果は

  • 本質的な問題を見つけられるので思いつきアクションで効果や成果が出せないという確率が下がる

  • なぜそれをやるのか、をステークホルダーに明確に説明できるため、提案が通りやすくなったり支援をもらいやすくなる

  • 判断が早く適切になるため、実行・成果創出のスピードが上がる

  • アクションを実行しても効果が出なかったときに、その前の立案工程に戻って修正案を出しやすくなる

  • 議論、会議などでのファシリテーションが上手くなる

と、まあいいことしかないです。
ロジカルシンキングは、Business foundation skillと言われるとおり、ほんとに基本的なスキルですが、人に教えられるほど理解・実践してきた人は意外と少ないので、一定レベルを越えると圧倒的に仕事の質と量が変わります。
社内のスキルアッププログラムや、社外の教育などを活用しながら、リーダーは教えられるようになる、メンバーも学んで実践でこの思考を意識し続ける、ということをやると半年ぐらいで劇的な効果があります。

ロジカルシンキングのスキル自体は天井がないので、実践すればするほど精度とスピードが上がります。
最初に教えるのは時間がかかりますが、その価値は絶対にあります。

私のチームでは一つの身近なことをテーマにして2時間セットで10~20回ぐらいかけて徹底的に教えていますが、打ち合わせの時間が短くなり、若いメンバーがどんどん複雑な仕事をマネジメントしていけるようになっています。
メンバーの成長にも寄与しますし、ひいてはチームのパフォーマンスが確実に向上します。


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