史上最高の哲学入門

飲茶著の「史上最高の哲学入門」を読んだ。今まで何冊か哲学書を読んだけれど、退屈に感じてしまい、途中で挫折するようなことが何度もあった。しかし本書は全くそんなことはなく、最後まで面白く読むことができた。
著者が漫画「バキ」シリーズのファンということもあり、哲学者による真理のぶつけ合い、といったコンセプトを導入して描かれているためエンタメ感覚で読むことができる。
「真理の真理」、「国家の真理」、「神様の真理」、「存在の真理」の四篇で構成されており、ある哲学者が何に対して思索を巡らせたかによって分類されている。そのため、思想がどのように発展していったかを追うことができる点も読みやすくなっている点かと思う。
何より最大の特徴は口語が多く取り入れられている点ではないかと思う。一般的な哲学書と違い、小難しい表現は極力排して、哲学者や当時の市民の心情を、現代の若者言葉のように挿入されることによって親近感を感じながら読み進めることができた。
哲学には興味があるものの、難しい本だとなかなか読み進められず、挫折してしまう、そんな人におすすめの一冊である。史上最高の名に恥じない著作である。

個人的には「道具主義」の考えがとても好き。リアリストだからか、得心の行く哲学である。

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