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ヒューマノクラシー――「人」が中心の組織をつくる

📕 book review

あなたがレビューしたい本は、ゲイリー・ハメル氏とミケーレ・ザニーニ氏の共著で、2023年12月に英治出版から出版された『ヒューマノクラシー――「人」が中心の組織をつくる』という本ですね。

この本は、経営思想の巨人として知られるゲイリー・ハメル氏が、21世紀のマネジメント論を提唱する本です。官僚主義(ビューロクラシー)という旧来の組織のあり方に対して、人(ヒューマン)を中心に置き、社員の最大のポテンシャルを引き出す組織のあり方をヒューマノクラシーと呼びます。¹

本書では、ヒューマノクラシーを実現するための7つの原則を紹介しています。それらは、①オーナーシップ、②市場、③健全な実力主義、④コミュニティ、⑤オープンであること、⑥実験、⑦パラドックスを超えるというものです。¹

本書の評価として、私は以下の点を挙げます。

- 本書の強みは、官僚主義の問題点を明確に指摘し、その代替案としてヒューマノクラシーを提案している点です。官僚主義は、組織のヒエラルキーを基礎とした安定性に重きを置くが、現代のような複雑で不確実な時代においては、中央集権的なトップダウンの組織は機能不全に陥りやすいということを、多くの事例やデータを用いて説得力を持って説明しています。¹
- 本書の弱みは、ヒューマノクラシーを実践するための具体的な方法や手順が不十分に示されている点です。ヒューマノクラシーを実現するためには、組織の文化や制度、リーダーシップなどの多くの要素を変革する必要がありますが、その過程でどのような課題や抵抗が生じるか、どのように対処するかなどについては、十分に議論されていません。¹
- 本書の著者の目的は、組織のあり方を根本的に見直し、人々の能力や情熱を最大限に発揮できる組織をつくることで、社会の課題に挑戦し、より良い未来を創造することだと思います。¹
- 本書の著者の視点は、組織の中の人々に寄り添い、彼らの自律性や創造性を尊重し、組織の一員としてのオーナーシップを高めることだと思います。¹

私の感想としては、本書は、組織のあり方について深く考えるきっかけを与えてくれる本だと思います。私は、自分が所属する組織においても、官僚主義の悪影響を感じることがあります。例えば、意思決定が遅くなったり、創造的なアイデアが抑圧されたり、社員のモチベーションが低下したりすることがあります。本書を読んで、官僚主義の問題点を認識し、ヒューマノクラシーの原則を参考にして、組織の改善に取り組んでみたいと思いました。¹

私のおすすめの理由としては、本書は、組織のあり方に関心のある人にとって、目から鱗の内容が多く含まれていると思います。特に、官僚主義を乗り越えた新しい地平へ世界中の大企業が動き出すという事例は、非常に興味深く読むことができます。¹² 本書は、組織のあり方を根本的に見直す必要性と可能性を示してくれる本だと思います。


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