見出し画像

「イコライザー THE FINAL」より主人公ロベルトと医師エンゾの会話より①

主人公であるデンゼル・ワシントンが演じる
ロバート・マッコールは、昼は普通の人で、
夜には悪党に人々の痛みを代行して倒すプロの
暗殺者として暗躍あんやくしていた。

この作品は3作目に当たり、タイトル通りラストの
作品となっている。

彼はいつも通り、大きな組織を潰した後、元の巣で
あったCIAに情報を匿名で流していた。

最初のシーンでは大勢を殺した後、悪党のボスの帰りを
待っていた。二人の男は殺さずにしていたが、男たちは
銃を突き付けているのに震えていた。

ロバートはボスが戻ってきた時に、
「お前が奪ったものを取り返しに」と伝え、
9秒間の間にどうするか決めろとロバートは言って、
腕時計のタイマーを押した。

9秒後、彼は銃を突き付けている男の一人の銃を奪わずに、
銃口を目の中に押し込んで、男を盾にしながら、
まずは銃を構えていた一人を撃ち殺した後に、
ボスと一緒に入ってきた散弾銃を持つ男も撃ち殺した。

そしてボスが銃をロバートに撃ち込んだ時には、
盾としていた男の後頭部に3発の銃弾が撃ち込まれた。
その後、頭が弾けた顏からボスに対して銃弾を数発
撃ち込むと、肩や他の場所に命中して、ボスは倒れた。

もう逃げれないし、助からないと分かっていても、
ボスは這うようにしてその場から離れようとしたが、
ロバートは落ちていた散弾銃を手にすると足に撃ち込んだ。

激痛に耐えながらボスはワイン樽を背中に当てて、
ロバートを見たが、ロバートはすぐに撃ち殺した。

ボスから鍵を奪うと中身は不明のものを鞄に入れると、
外に出た。車には少年が乗っていて、ロバートはすぐに
降りるなと言った。車の中にいろと言われた少年は、
ロバートの言葉通り、車の中に戻った。

ロバートは少年に背を向ける状態で歩き始めた。
数歩進んだ時、ロバートは銃弾を撃ち込まれて、
四方八方に銃を撃ったが、ライフルのような銃を
持っていたのは車の少年であった。

少年は銃を捨てて走って逃げて行ったが、
背中に命中していたが、彼は何とか自分の車まで
戻ったが、意識を失った。

彼を見つけたのは警官であったが、彼は病院には
運ばずに、医師であり人徳もあるエンゾの元に
ロバートを届けた。

エンゾは警官のジョルジョ・ボヌッチ(略名・ジオ)に
「彼は転んだんだ」と言うと、
彼は「でも銃創が」と言ったが、その言葉を遮り、
エンゾは重ねて言った。
「彼は転んだんだ」
ジオはエンゾの言葉を黙認した。

ロバートは元CIAの特殊部隊の暗殺チームの一員だった。
そのため、過剰に警戒心は強いものであった。

翌日、ロバートはまだ起き上がれなかったが、会話は
出来るようになっていた。エンゾは彼に水を手渡して、
スープを作ったと言った。エンゾは自分の名を言い、
ロバートに名前を尋ねた。
彼はロベルトだと答えた。

エンゾは寝室から立ち去ろうとした時、ロバートは
尋ねた。「ここはどこ?」
エンゾは答えた。「君がいるべき所だ」
ロバートは静かに答えた。「分かった」

この「君がいるべき所だ」と言われた時、すぐに返事が
返せなかった。それは前日にロバートがボスたちを殺す
前に言った言葉だったからだった。
「人は誰も、いるべき所がある」

自分の言葉と重なり、そして全員を殺した事も重なり、
彼の思考に1秒ほどの時が割り込んできていた。

ロバートは久しぶりに人間らしい生活に溶け込もうと
していたが、常に警戒心を抱く彼の目には、すぐに悪意が
蔓延るのを嫌でも目についた。

悪党のボスを殺しても、他の悪党が喜ぶだけで一掃するには
目立ち過ぎる事から、彼は迷いが生まれていた。
それはこの居心地のいい街の裏にも、悪が蔓延り、気持ちの
いい良い心を持つ人々は、悪によって困っている事を知った
からだった。

ある日、エンゾは買い出しに行くとロベルトに伝えると、
「君はまだ休んでなきゃ」と言われ、「もう大丈夫」と
言いながら、エンゾの父が使っていた杖を持ち上げるように
して笑いを誘った。

エンゾはそれを見て、「分かった。君に任せるよ」と言った。
魚屋でもエンゾは知られた存在で、警官のジオもそうであったが、
エンゾは尊敬されている事から、魚屋の店主アンジェロに幾らか
尋ねると、「エンゾの友達にもらえない。次から払って」と言われ、
ロベルトは帽子を取って、「ありがとう」と伝えた。

それから日は経ち、エンゾはロベルトの怪我の経過を見てみると、
「ほぼ治っている」と言うと、ロベルトはエンゾにある事を尋ねた。

それはまだ目覚めたとは言えない程度の意識のある時に、尋ねた
事であった。

「君には私がどう見えてる? 担ぎ込まれた私を
君は治療してくれた。救急車も、警察も国家憲兵も呼ばずに、
何故?」

エンゾはその問いにすぐに答えた。

「君に聞いたな?」

「一番初めか?」ロベルトが返事を返すと、

「そうだ」エンゾは答えた。

この時、記憶を探るように、ロベルトは暫く考え込み、
沈黙した。そして思い出したかのように尋ねた。

「私がいい人間か、悪い人間か尋ねた」

「君は❝分からない❞と」エンゾはその時の彼の言った
彼の言葉をそのまま返した。

「本当だ」ロベルトは本心からそう思っていたが、
分からないのでエンゾに尋ねていて、再び尋ねた。

「いい人間はそう答える」

エンゾはそう伝えると、その場から離れていった。

ここまでの時間は40分30秒です。

私はここまで見て、初めて考えてみました。
答えは知っているが、更にもう一度考えてみると、
思いもよらない事が頭を過る事はよくあるからです。

確かに、自分の中で、いい人間か、悪い人間かの判断を
する場合、悪い人間ならすぐに自分でも分かるか、
もう身体は悪意に支配されていて、悪い事にすら気づかく
なっているかのどちらかになります。

しかし、いい人間かどうかは自分での判断は難しいものです。
何かしらの善行をしたからと言って、それだけではいい人間
だとは言えません。

いい人間の定義に関しても、悪い人間と違い、いい人間の場合、
何をすればいい人間と言えるのか? 人間である以上何かしらの
あまり好ましくない行為をしている人も、その行いは悪い人間が
する事だと気づいてはいながらも、小さな悪い事ではあるが、
している事に変わりはないのであれば、悪い人間になるのか?

この二人の会話で、ロベルトと偽名を使っているのは、
周りに迷惑をかけたくない心もありながら、真実を言う事に
慣れていない事も含まれています。

この辺りの事は、自分でも体験済なので、ロバートの気持ちは
よく分かります。私も自分でいい人間か悪い人間かと問われた
場合、自らいい人間だとは言えない人間の一人です。

過去にも有能な人や人道的な人が大勢いましたが、
この問いに関しては、何とも言えないのが事実です。

仮にいい人間の定義が分かったとしても、それを実行に移せるか
どうかはまた別の問題になりますし、仮に実行に移したとしても、
それはいい人間になりたいからと言った、欲望を満たす行為だとも
考えられる以上、この問いに関しては答えは見えません。

いい人間かどうか見ようとするならば、まずは行為に関しての問題
になります。考えるだけならいいが、悪いと分かっていながらも
悪に手を染める場合は、悪い人間だと言えるでしょう。
あくまでも世間に見せてないだけであって、表面しか人に自分を
見せていない偽りの仮面をつけた悪い人間だと言えます。

ロバートは人助けのために、大勢の悪人を殺してきました。
私から見れば、それは仕方のない行為であり、心から助けを
求めている人がいるならば助けるべきだと思います。

しかし、当人からすれば、恐らく相当悩む事になると
考えられます。例え、悪人の本質を理解していても、殺しと
なると悪い行為なのかどうか、錯覚に近い感情が心を満たす
ので、判別することは極めて難しいと言えます。

ただ、完全に悪人だと認められるような人物であっても、
アメリカ等ではよく死刑に反対したり、恋心を抱く人も
少なくないです。

この問いは、見かけよりもずっと難しい問いかけになって
いるとは分かっていながらも、答えを求められても、
人間だから答えられないと言ったような、簡単な問題では
無いものになってます。

確かに人間とはそう言った生き物ではありますが、
だからと言ってそれを理由にして、全ての行為を許して
しまうのであれば、この世は悪人だらけになってしまいます。

そのために、本来はするべきでは無い、人間が人間によって
裁かれる事に繋がるので、非常に難しい問題だと言えます。

この映画の残り時間は1時間ほどありますが、最後まで見ても
この問いの答えは得られない事だけは分かります。
しかし、人間の本質に悩む事や、葛藤に関しては
見ることが出来るので、また途中に気になるものがあれば、
書こうと思います。

ただこれは大前提として分かっている事になりますが、
人間は脆くて、壊れやすい生き物だと言うことだけは
確かなものです。

だからこそ、善悪に悩む時、多くの人の場合は、
すぐに悪の道へ進みます。
全てはバレない事を前提にしているので、軽い考えで
事に手を染めて、バレて捕まったら反省していると、
弁護士に言われて、そう言った発言はしますが、
そもそも、悪い事だとは分かっていながらも、何度も
悪に手を染める毎に、感覚はおかしくなっていき、
簡単に騙せるなどと言った状態になります。

しかし、日本では罪に対しての罰は軽いので、悪は
蔓延りやすいものとなり、良くないと分かりつつも
再び手を染める事になります。

あくまでも日本だから通用していますが、海外なら
殺されているような行為を日本人は簡単にしています。
それは罰の軽さにも関わるので、悪に対しての罰は
重いものとするべきだと、私は思っています。

別件ではありますが、刑務所にかかる費用も相当な
お金が必要になるので、国によっては恩赦と共に、
軽い罪で模範囚なら出所させています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?