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バイオハザード:インフィニット ダークネス エピソード3ー3

「焼き尽くせ」

シェンメイは上官の言葉に従う仲間が
爆撃する様子を、近くの席からモニター
を通して見ていた事を思い出していた。

過去と現在が交差するように、彼女の
忌まわしき過去の記憶と、その元凶である
現在では、その証拠を両手で持った祖父は
ケースを開いて、彼女は中にあるチップを
摘まんで取り出した。

「証拠は全部燃やしたと思ってるはず」

「弟も含めてな」
レオンは険しい面持ちで、彼女の手にある
チップを見つめながら言葉をかけた。

「これを公表すればウィルソンは失脚。
B.O.W.の開発も終わり、ジェイソンは支配
から解放される」

突如、大きな屋敷が揺らぐほどの爆音が
鳴り響いた。
その直後、天井から瓦礫がれきが落ちて
きて、祖父の配下のハオランは瓦礫の下敷きに
なった。

更に落ちて来るコンクリートの破片が、
シェンメイの頭上から落ちて来るのを
いち早く察したレオンが彼女をその場から
移動させて身をかがめた。

屋敷を狙ってきた事は、その後も落ち続ける
瓦礫から理解したレオンはシェンメイに、
「逃げるぞ、急げ!」と言って連れ出そう
としたが、
「おじい様! ジュンシー! イヤ、置いて
けない! ジュンシー!」

叫ぶ彼女をレオンは「行くぞ」と引っ張り、
「おじい様、ジュンシー! イヤ!」と、
彼女は叫び続けた。

「来い」レオンは冷静に祖父とジュンシーは
助けられないと理解したように、彼女をその場
から連れて行った。


その頃、ホワイトハウスでは、

「何というか・・・このスピーチは
少し挑発的ですね。中国は不快に思うかも」

補佐官らしき男はウィルソンの原稿を見て
そう言葉をもらした。

「強硬姿勢を取ることに大統領も同意した」
ウィルソンはそう言葉を告げた。

「慎重に進めた方がいいのでは? 中国との
距離感は現状維持すべきかと」
そうウィルソンに伝えたが、足を組んでソファ
に手を伸ばした大きな態度をとって、
その言葉を聞いているだけであった。

「こんなスピーチをしたら眠れる獅子を起こして
しまう!」
彼は紙の原稿を叩きつけるように机の上に投げた。
そして立ち上がり、外を眺める大統領の方に
向かいながら進言を口にした。

「世界経済に影響を与えるし、戦争に発展する
恐れも」

その言葉を否定するように、ウィルソンはすぐに
否定する発言をした。
「ハッキング、バイオテロ、潜水艦への攻撃は
同盟国ならやらない」

「中国だと断定できない」補佐官はすぐに言葉を
返したが、ウィルソンは更に言葉を続けた。

「ペナムスタンの内戦では中国が
裏で動いてただろ」

「しかし・・・」

彼が口を閉ざそうとするように、ウィルソンは
言葉を強くして言葉を吐いた。

「つべこべ言うな! ペナムスタンに軍を配備
できれば中国への足掛かりができる。
中国と欧州の間にあるあの国から、我々は
必要に応じて圧力をかけられる。
その時は必ず来るんだ。準備を進めましょう。
強い米国を世界に見せつけて、
自由世界の利益を守ると示すのです」

ウィルソンは原稿を手にして大統領の机の上に
置いた。その紙には正式な文書として、
❝2006年 和平合意❞の文字が書かれていた。

大統領は一言も発さず、まるで頼みの綱である
レオンの事でも考えてるように、ずっと外を
見続けていた。


レオンは完全に屋敷一帯が炎で包まれる前に、
シェンメイを助け出して、離れた場所の野原に
彼女を横にさせていた。

レオンは辺り一帯が燃え盛る炎を見つめながら、
「ジェイソンめ」と口にした。


ホワイトハウスではクレア・レッドフィールドが、
シークレットサービスにさえぎられながらも
声をかけていた。

「国防長官、私はペナムスタンの支援を・・・」

「用件は?」

「マッドドッグスの真実が知りたい」

「取材なら担当部署を通せ」

「自殺した兵士が残した記録があります」
シークレットサービスは一般人が入れない場所まで
行くと、クレアの足を止めるように立ち塞がった。


暗がりの中、シェンメイは正気を取り戻し、
レオンの手にあるチップを見つめていた。

レオンはジェイソンとの会話を思い出していた。

「❝恐怖❞の話をしたな。恐怖フィアーは拡散して、
認知された末に恐怖テラーとなる。
それこそが真の恐怖だ」

レオンは焼け跡の所々に目を配り、何かを探している
ように視線を動かしていた。

「チップを返して」
後ろからシェンメイはレオンに話しかけた。
「公表してウィルソンの悪事をすべて明るみにする」

「米国のエージェントの標的になるぞ」
レオンはシェンメイの発言に対して警告した。

「やるしかない。弟に起きた悲劇を
繰り返さないために・・・あなただってラクーンシティの
生き残りでしょ。闇に葬ってはいけない。
ジェイソンもそれを望んでる」

彼女の言葉にレオンは反論した。

「いや、ジェイソンには正義は関係ない。
真の恐怖を見せたいだけ。奴が見た恐怖を、
恐ろしい現実を皆に突きつけて、
全部焼き尽くす気だ」

シェンメイはすぐさま否定した。
「そんな人じゃない」

「周りを見ろ」
彼の言葉を聞いて、彼女は辺りを見回した。

彼女の目に映る何もかもが焼き尽くされ、
廃墟と化していた。

「シェンメイ。ジェイソンはどこだ?」
レオンは彼女に問いただした。


クレア・レッドフィールドは部屋の壁に世界地図を
貼り付けて、無数の写真や書置きを、所々に
つけてゆきながら、接点を見つけ出そうとしていた。

関係付けられた場所と場所には分かりやすいように
赤い糸で結ばれてはいたが、途方も無い数のうちの
一部しか無い事から、まだ関係性が見えないものは
多数あったが、徐々に解明されつつあった。

クレアが地図を見つめていると、
突然、電気が落ちた。

彼女はすぐにドアの近くまで行くと、ドアノブが
ゆっくりと下げられているのに気づき、死角である
ドアの後ろ側に立ち、ベッド近くのスタンドの電燈
とは逆の部分を武器として持ち、静かに構えた。

一人の男が足音を殺しながら入ってきた。
クレアは背後から襲い掛かったが、反撃された。
彼女は再び殴りかかり相手を床に転ばせたが、
襲い掛かろうとした瞬間、背後からスタンガンを
首に打ち込まれて気を失った。

to be continued‥‥‥episode4

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