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家族ぼっち

夫の両親と同居を始めて5年目。

我ながらよくやっていると思う。

なかなか家族水入らずで過ごす事ができないから、「旅行」は私にとって貴重で大切なイベントである。

温泉旅館や素敵なホテルに泊まるのもいいが、夫と私と子ども達とのブームはキャンプだ。

「不便」である事は大事だと思う。

今は1人でどこでも生きていける世の中だ。

「不便」は誰かとともに生きなければ小さな困難を克服出来ない事を知る。
その不便さがどこか距離を縮めてくれる気がするのだ。

小さな事を気にしなくなるし、とにかく目の前にいる家族だけが愛おしい。

とはいえ、最近のキャンプ場はトイレも風呂もあるし、小綺麗に整備され、野生感はほぼない。

子どもがまだ小さいので、程よく整備された空間は助かる気もするが、虫や草花の種類も少なくやや物足りなくも感じる。

電源オートがあり、電気も使用可能。どことなく味気ない。

なるべく使用は避けたいが、お腹が空いた子供は待ったなし。即席麺を作るとかインスタント系でおやつを与えたい時には助かる事もある。

アキレス腱断裂から早、半年以上。
すっかり歩けるようになってはいるが、以前のような軽快さはなく、なんだかぎこちない。

寝起きや寒い日など時間帯や気候によって体が大きく左右されるから、コンディションを整えておく事も旅支度に加わった。


「こどもの日」に東日本大震災で被災し、新たに形成された防災緑地公園でキャンプをしてきた。

高い堤防から海は見えない。
ただ浜風と波の音だけが聞こえてくる。

災害は景観を変えてしまった。


けれど、人々はそこで暮らし、土地は私たちを優しく出迎えてくれる。

やけに美しくアスファルトで整えられた場所がどこか寂しい気がするのは私だけだろうか…

落書きが出来るアスファルトの道
レモネード🩷「人生が、あなたにレモンを与えるなら、それでレモネードを作ればいいのよ。」(災い転じて福となす)


子ども達の心をウキウキさせる公園と美味しいレモネードがある場所。夫がキャンプの受付をしてくれている間にのんびり遊んで過ごした。

キャンプも回数をこなし、夫はテントを立てるのが早くなったと喜んでいた。

私もキャンプ飯を作るのが手早になり、お互いの労を労い、ワインで乾杯した。


子ども達はマシュマロやウィンナーを美味しそうに食べる。


何気ないことが1番幸せで、1番愛おしい。

だから、私は今を生きる。

以前は、「もっともっと」が強すぎた。

これ以上は望まない。あの日を忘れない。

子ども達が健やかに生きていけるように。



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