見出し画像

本物の海鮮丼とは

26、7歳くらいの時だと思う。
夏の帰省に合わせて、3年くらいわたしの実家に遊びにくる友達がいた。
友達Aは女子。関東在住。
実家待ち合わせなので、ひとりで″ピンポーン″『ただいま〜!』とやって来る。

毎回、近場で観光めいた所へ出かける。
その年は小樽に行こうとなり、早起きして向かう。

ノープランで小樽に着き、なんか映えそうなところで写真を撮りあっていた。
ちょっと距離をとって、後ろ姿の写真なんか撮ってもらって、さ〜て交替だ!と振り返ったら、


友達がおじさんに絡まれている。え?
事件性…はなさそうだな……?友達に駆け寄る。

おじ『お前達、昼飯は決めたのか』
私達「なにも決めてないです。」

おじ『小樽ったらおめぇよ、海鮮丼食わねぇと。んでな、(手書きの小樽散策マップみたいな地図を取り出す)この辺の適当な店では食うなよ?そりゃ小樽だからな、それなりには美味ぇんだ。そんでもって何も知らねぇ奴らが食って、ぐるナビとかに適当に美味ぇとか書くんだよ。
だからおじさんはこっちの店を薦める。ここはな、◯◯って店で修行した大将が暖簾分けしたんだ。そんでな、おじさんとかお前達みたいな貧乏人でも食える値段で本物の海鮮丼食わせてくれるからな??ここに行けば大丈夫だ。』


勢いがすごい。
なんでも、普段は観光タクシーのおっちゃんらしく、今日は非番だが私達に親切心で教えてくれたとのこと。金はいらねぇよ、と。

でもノープランだったから有難いねって事で、おっちゃんと別れる。

いや〜、すごい旅の始まりだね〜。
なんて言いながら歩き始め、ふと友達の方を見ると、

おばあさんに絡まれている。え???

腰の曲がった可愛らしいおばあ様。

おば『貴方どこから来たの!』
友A「神奈川です!」
おば『小樽はね良いところよ〜〜!あなた、お嫁にいらっしゃい』
 私「(笑)(笑)(笑)」



私たちのどっちが引き寄せているのかで、しばらく揉めて、結局どちらも引きが強いということで落ち着く。

旅が楽しくて、うれしい。



絶妙に似てない似顔絵もたのしい

この記事が参加している募集

休日のすごし方

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?