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小さな結婚式

結婚式やってほしいな

今年、1月1日に娘は入籍した。
幸せそうな娘の様子がわたしは本当にうれしかった。

「結婚式にはあまり興味がない」という娘に、
「自分のためにたくさんの人が集まってくれるんだよ、やったら?」などど
口をはさんでしまった。

わたしは娘の花嫁衣装が見たかったのだ。だからつい言ってしまった。

後日、娘が「結婚式することにした」と言ってきた時はやった!と思った。
7月に素敵なところでの結婚式。会場にプールがあるんだよ。落ちないようにしないと(笑)娘もやっぱりうれしそうだった。
衣装を決めたり打ち合わせに行ったりと忙しくなるね。と話した。

わたしもそろそろドレスのレンタルしないと、と思ったころ、その報せは届いた。「Yのお母さん、検査の結果が悪かったって。Yが会社早退して病院に行った」と。娘の夫、Yくんのお母様は病気の治療中だった。

両家の顔合わせの時はお元気そうで安心したのに。
式の時は着物は大変だから洋服にしましょう。ドレスでもレンタルすればいいですねと話していた。

それなのに……医師からもう治療法がないと説明を受けた、いつどうなるかわからないと。

結婚式やるか、やらないか

結婚式どうしよう。
中止にするか、延期にするか、それとも早めるか。

夫と話してわたしたちは口をはさまないと決めた。
二人とYくんのご両親の気持ちで決めてほしいと思った。

自分の命がいつどうなるかわからないと言われたら……
わたしならどうするか。考えてもわからなかった。
悲しみの感情ばかりが出てきてしまう。

あちらの親せきからは中止にしろと言う意見が出たようだったが、
二人は式をすることを選んだ。

7月ではなく、一番早くできる日を選び、ご両親の移動が少なくできる場所、そして二人が納得できる形で。

参列者4人の結婚式

4月。短い時間で打ち合わせを進め、ちゃんと挙式することができた。

参列者4人。スタッフの方が多い(笑)

「本日はおめでとうございます」その言葉がとてもうれしく心に響いた。

式を中止にしようとした理由に、「心からおめでとうと思えない人がいるならやらない方がいいと思った」悲しすぎるが、あちらの親族の素直な気持ちなのだろう。

なので、今回の参列はお互いの両親のみ。

それでいいと思った。子どもの幸せを願わない親なんていない。
わたしたちだけでいい。

二人は少し緊張していたようだ。

わたしには「ベールダウン」という儀式があった。
支度を終えた新婦のベールを顔におろすというもの。

はじめて聞いたし、サプライスだったので意味もわからずやってしまった。

母親が手伝う最後の身支度という意味があるらしい。「綺麗だよ、幸せになってね」とベールをおろした。

大きな聖堂に4人。お母様は最初から最後まで泣いていた。お父様も涙を何度もぬぐっていた。

わたしも泣いた。おめでとうと、娘の幸せYくんの幸せを願って。
そして、お母様の気持ちを想像して泣いた。

祝福の太陽の輝き

空も祝福

式が終わった後中庭で写真撮影。晴天で空も祝福してくれた。

太陽の光が二人に光のシャワーを降り注ぐ。

式を挙げることができて本当に良かった。

娘からもらった花束に手紙が入っていた。
「お母さんの子どもでよかった」

読んでまた泣いた。
ありがとう、幸せな一日だった。

心からおめでとう。



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