2024前半|今年のJ2最強はこのチームかもしれない|V・ファーレン長崎の解説

あしたのファジアーノ岡山の試合を「もっと楽しむ」ために、対戦相手についても知っておこう、という思いで開設したnoteです。

対戦相手の押さえておきたいポイントについて、サッカー素人がふんわりとした内容で解説いたします。

有料設定ですが、最後まで無料でごらんいただけるので、なんとなく愛媛FCについて知った気分になってみましょう。

J2第14節 大分 vs 長崎の試合からV・ファーレン長崎の特徴をまとめました。

V・ファーレン長崎の歴史と今年の状況

2004年に国見高校OBによる「国見FC」と合併した「有明SC」として誕生したクラブチームは、その年に長崎県サッカーリーグで優勝。2006年に現在の「V・ファーレン長崎」に改名すると、2009年にJFLへ参入し、2013年よりJ2を戦いの舞台に移している。

2017年には長崎を拠点とする「ジャパネットたかた」が親会社になると、翌年の2018年にはJ1に昇格するほどの強豪チームに成長した。

クラブ名は、ポルトガル語の「VITORIA(勝利)」とオランダ語の「VREDE(平和)」を「V」で表し、「ファーレン(VAREN)」はオランダ語で「航海」を意味する。

マスコットは、長崎県の県獣「九州シカ」と県鳥「オシドリ」をモチーフにした「ヴィヴィくん」だ。2021年にはJリーグマスコット総選挙で1位にも輝くほどの人気マスコット。

2023年の成績は、J2で18勝13敗11分と7位になり、J1昇格プレーオフにはギリギリ届かなかった。カリーレ監督が今期も指揮をとる予定であったが、サントスFC(ブラジル)との契約問題があり、急遽「下平隆宏」監督と契約した。

2024年の成績は、8勝1敗5分でJ2の2位に位置し、なんと2節の仙台戦から12試合連続で負けなしを継続している。ここ2試合は引き分けが続いているが、J2で今もっとも勢いがあるチームかもしれない。

スタメン選手は固定する傾向にあり、6マテウス・ジェズスが欠場しているだけでほぼベストメンバーで戦えている。昨年のJ2得点王であった、9フアンマが途中出場にまわるほど、オフェンス陣の選手層はかなり高い。

主な退団選手(同カテゴリ以上)

  • GK 波多野 豪 |J1 FC東京

  • DF 今津佑太|J2 ヴァンフォーレ甲府

  • MF 鍬先 祐弥|J1 ヴィッセル神戸

同クラス以上のチームに移籍した選手は最小限に抑えられた印象だ。

主な入団選手(ベンチ入りメンバーのみ)

  • GK 21 若原智哉(レンタル)|J1 京都サンガF.C.

  • DF 5 田中 隼人(レンタル)|J1 柏レイソル

  • MF 24 山田 陸|J1 名古屋グランパス

  • DF 27 モヨ マルコム 強志|法政大(在籍中?)

2種登録のモヨ、新加入ではないが、20歳の33笠柳などの若手選手の台頭も目立っている。

V・ファーレン長崎の特徴

ロングボールの少ない攻撃的な縦サッカー

長崎の特徴は、4-1-2-3の軸にした、縦にはやいサッカーと決定力のある強力なオフェンス陣にある。ただし、ロングボールを使うことはほとんどなくボールロストも少ない印象だ。強力なオフェンス陣の活躍により3点以上とる試合が複数回ある。

サイド攻略による質の高いクロス

長崎の縦サッカーを実現する秘訣はサイドの強力なアタッカーにある、特に左サイドの33笠柳、右サイドの27モヨは突破力とクロスの質が高い選手だ。

中央からはポケットをついてくるスルーパス

サイドに警戒しすぎると、今度は中央の縦パスで相手守備陣のポケットを積極的に狙ってくる。素早い縦パスはつながる可能性も高い。

相手を引き込む守備とネガトラの回収力

守備面では4-4-2のブロックで相手を引き込んでボールを奪おうとする。ボールを回収してからのカウンターは滅法つよい印象だ。また、オフェンス時にボールロストした際は素晴やく取り返しにプレスをかけてくる。

後半60分から投入される強力なベンチメンバー

長崎のベンチメンバーにはなんと去年のJ2得点王である9ファンマが座っている。スタミナの切れた後半から投入することで試合終了まで得点のチャンスが途切れない。ほかのベンチメンバーもJ2ではスタメンクラスのメンバーばかりだ。

ファジアーノ岡山戦での注目ポイント

セカンドボール回収に勝てるか

長崎の守備陣を攻略するには、岡山がボールロスト際にすぐに取り戻せるかにかかっている。長崎はすぐにボールを取り戻そうとするが、その際に陣形が崩れるのがウィークポイントでもある。ボール回収では絶対に負けてはいけない。

勇気を持って前線のプレスをかけられるか

長崎の戦術は相手チームのプレスを引き出すことから始まっている。そのため、あえて相手チームを引き込んでカウンターを狙うのもひとつの手かもしれない。
しかし、長崎のビルドアップはなんとか取りきれそうなシーンも少なくはない。前に出るには勇気がいる相手ではあるが、岡山のプレスが強力であることをここで証明してほしい。

木山ファジのチームづくりは第二フェーズへ

今までの木山監督は守備の修正を第一に考えてきた雰囲気がある。しかし、ここ数試合では攻撃面の活性化にシフトしてきいるように感じる。
土台づくりはシーズンの1/3を終えてほぼ完成してきたと考えてもいいかもしれない。ここからは攻撃面の活性化に向けたチームづくりの第二フェーズに入ることを期待したい。

長崎の強力な攻撃陣を何失点で抑えられるか

今年の長崎の選手層はかなり厚い。そして、下平監督とチームはかなりフィットしている。この攻撃陣を抑えるのはJ2でもわずかなチームだけだ。多少の失点は仕方ないが岡山がどれだけ失点を防げるか、また得点チャンスをどれだけ決め切れるか注目したい。

ファジアーノ岡山の注目選手

岡山の選手全員

もう全員が注目選手である。誰がスタメンかも僕程度では予想できない。ベンチ入りした選手も含めて「全岡山の選手に、注目せよ」。(手抜きではないぞ、本当だぞ、本当に手抜きじゃないんだぞ)

FW 9 齋藤恵太

9グレイソンは離脱した可能性が高い。しかし、岡山には秋田で活躍した9齋藤がいる。ポストプレーにはまだ期待できないが、裏への抜け出し、そしてヘッドの決定力は岡山も見てきたはずだ。

9グレイソンや11太田とは違うストライカーの力を発揮して欲しい。

V・ファーレン長崎の注目選手

FW 11 エジカル ジュニオ

ゴール、アシスト、どちらにも絡むことのできる万能なCFだ。徳島戦ではハットトリックも達成している。11エジカルを抑えずに長崎の攻撃を止めることはできない。

FW 33 笠柳 翼

長崎の左サイドを活性化させる20歳の攻撃的な選手だ。左サイドからのカットイン、クロスの武器を持っており、自ら仕掛けることも仲間を使うこともできる。88柳、4阿部には抑えてもらいたい。

DF 27 モヨ マルコム 強志

長崎の右サイドを活性化させるのは、2種登録のSB27モヨだ。スピード感のドリブルと攻撃参加により、右サイドからクロスを上げてくる。

J1昇格への天王山

今年のJ2を率いるのは、清水と長崎の2チームになりつつある。スタートダッシュに成功した岡山はまだ両チームの背中を追える状況であるが、この長崎戦に負けると自動昇格はかなり厳しい状況になる。

今年の長崎は強力なチームであり、離脱者も6マテウス・ジェズスだけですんでおり、前年までに築き上げた力強さを持っている。一方の岡山は新加入の選手が多く、怪我人に泣いている状況だ。

正直いって試合前の分析では長崎に勝てるイメージはまったくない。しかし、J1昇格に向けてこの試合だけは絶対に落とせないのだ。選手もサポーターも熱い気持ちを持ってこの天王山を迎えよう。

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