2024前半|てげ広い、オーソドックスなスタイルで相手陣地を切りひらく|テゲバジャーロ宮崎の解説

あしたのファジアーノ岡山の試合を「もっと楽しむ」ために、対戦相手についても知っておこう、という思いで開設したnoteです。

対戦相手の押さえておきたいポイントについて、サッカー素人がふんわりとした内容で解説いたします。

有料設定ですが、最後まで無料でごらんいただけるので、テゲバジャーロ宮崎についてなんとなく知った気分になってみましょう。

第二節 宮崎 vs 福島 の試合からテゲバジャーロ宮崎の特徴をまとめました。

テゲバジャーロ宮崎の歴史と今の状況

1965年に「門川クラブ」としてできたクラブチームは、2015年に現在の「テゲバジャーロ宮崎」となった。

テゲバジャーロの意味は、宮崎弁の「てげ(すごい)」とスペイン語の「vaca(牛)」と「pajaro(鳥)」を掛け合わせた造語だ。

2018年にJFLへ昇格すると2021年には現在のJ3へ駆け上がってきた。昨年の成績は9勝17敗12分でJ3の19位となり、今季よりセレッソ大阪U-23でも監督を務めた「大熊裕司」監督が就任している。

大熊体制での2試合は宮崎1 - 2松本、宮崎1 -2福島とまだ勝ち星がない。福島戦では新加入選手が8人出場しており、チームづくりはこれから深める印象の試合だった。

主な退団選手(同カテゴリ以上)

DF 小川 真輝|J3 FC岐阜
MF 下澤 悠太|J3 FC大阪
MF 東出 壮太|J3 ガイナーレ鳥取
FW 永田 一真|J3 ヴァンラーレ八戸|岡山県出身
FW 南野 遥海|J2 栃木SC

主な入団選手(ベンチ入りメンバーのみ)

DF 大武 峻|J3 福島ユナイテッド
DF 吉田 朋恭|J2 栃木SC
DF 辻岡 佑真|J2 いわきFC(レンタル)
MF 大渕 来珠| J2 V・ファーレン長崎
MF 楠 大樹|J1 東京ヴェルディ(レンタル)
MF 坂井 駿也|J1 サガン鳥栖(レンタル)
MF 力安 祥伍|J3 ツエーゲン金沢
MF 阿野 真拓|地域リーグ 福井ユナイテッドFC
FW 上野 瑶介|JFL ソニー仙台FC
MF 高瀬 生聖|常葉大学

テゲバジャーロ宮崎の特徴

オーソドックスな縦にはやい4-4-2

攻撃時も守備時も基本的に4-4-2で戦っていた。中央突破で攻め込むことは少なく、主にサイドへボール出しすることが多かった。ボールを奪ったあと、またボールを奪われたあとの動き出しの早さを目指しているようだ。

流動的な動きはサイドバックのインナーラップぐらいなもので基本を重視して戦っている傾向が見てとれた。

ワイドに広く構える陣形

オフェンス時のポジションは、両サイドに選手が開いた位置におり、全体的に間伸びした印象だ。ただし、最終ラインからのビルドアップには苦労しており、福島のプレスにハメられてバックパスを狙わられるシーンを何度も見た。サイドにボールを動かすシーンが目立っていたように思う。

やや偏りのある強力な右サイド攻撃

中央突破のタイミングが少なく、福島戦で効果的な攻撃は右サイドに偏っていたように思う。左サイドに選手が張っていたものの、サイドチェンジや効果的な連携にはつながっていないようだ。

右サイドの38楠は東京ヴェルディからレンタルされた選手で、宮崎の選手の中ではトップクラスのオフェンス力を披露していた。

ボール保持と守備は慎重に行う印象

連携面での迷いは見られる傾向にある、ボール回しとプレスは慎重に行う印象があった。ボール出しのタイミング、プレスにかける一歩目がゆっくりとした感じだ。大事に試合を進めようという意識が福島戦から伺えた。

ファジアーノ岡山戦での注目ポイント

球際の寄せの早さと強さでJ2チームの力を示したい

宮崎が全体的にワイドに開くため、岡山のプレスをかわそうと動いてくる可能性が高い。ただし、福島のプレスが効果的にハマっていたシーンも見かけており、岡山のプレス強度ならハメてしまうことを期待したい。

宮崎の守護神57植田の壁を崩せるか

おそらくシュート本数では岡山がリードすることが予測される。しかし、福島戦でも好セーブを見せた57植田のシュートストップには注目だ。岡山の決定力が試される試合になる可能性が高い。

ただし、ゴール中央のスペースが空いていることも多いため、バイタルエリア(ゴール中央前のスペース)に侵入できると決定機も高まるだろう。

42高橋と55藤井と宮崎38楠の対決

直接マッチアップするであろう42高橋であっても、宮崎38楠の速さに突破される可能性はある。第二の壁として止め切る55藤井の守備にも期待したい。

宮崎右SBの36吉永がオーバーラップしたスペースを42高橋が狙えるかも注目だ。

ファジアーノ岡山の注目選手

CF 11 太田 龍之介

岡山期待のユース出身長身フォワード。今季は9グレイソンの影に隠れているが、新人選手としての能力値は期待が高い。できれば9グレイソンの役割を任せられるかどうかも確認したい。

MF 44 仙波 太志

おそらく14田中や19岩渕などの役割が求められるはず。決定的なシュートにつながる動きに期待したい。試合に出られずに本人も熱い気持ちを持って宮崎戦に挑むはずだ。

MF 20 井川 空

昨年は怪我で出場機会に恵まれなかったが、最終節ではかなりいい動きを見せていた。14田部井や24藤田とは違う、20井川のボランチ像を確かめたい。

テゲバジャーロ宮崎の注目選手

GK 57 植田 峻佑

ハイプレスで何度もチャンスを演出した福島にゴールを許さなかったのは、GK57植田のシュートセーブが光っていたからだ。並みのGKであれば4失点を超えてもおかしくないほどに攻め込まれていた。

57植田の牙城を崩すにはバイタルエリアからのシュートチャンスの機会を増やしたい。

MF 38 楠 大樹

宮崎の右サイドに位置するスピードスター。スピードを生かしたドリブル突破、意表をついたミドルシュートなど、戦術38楠と言えるほど躍動していた。宮崎の右サイドは要注意だ。

FW 11 橋本 啓吾

188cmの大型フォワードが、宮崎の2トップの一角で待ち受けている。福島戦ではロングボールで競わせる戦術は用いておらず、決して目立つ選手ではなかった。しかし、セットプレーなどで岡山の守備陣に強力なプレッシャーを与えるはずだ。

全岡山選手のパフォーマンスに注目したい

失礼な話となり申し訳ないが、宮崎の印象は与しやすい相手に見えた。ワイドに開いた守備は、バイタルエリアのカバーがおろそかになっている印象があり、福島のハイプレスに対してビルドアップも機能していなかったからだ。

もちろん要注意選手もいるがチームとしての完成度はこれから深めていくように僕の目には映った。今季の岡山はベンチ外の選手でも、ほかのJ2チームであればスタメンクラスのスキルを持っている。

ベンチから外された選手たちの逆襲劇にぜひ期待したい。

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