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ジャッジのおしごと(個人的メモとか)

自分はL1のジャッジを取ったのですが、他のTCGでのジャッジ経験が全くなく「このままでは5月のCallingで絶対にロールをこなせる気がしない!」ということでL2の方に連絡を取り、ヘッドジャッジの方に連絡を取っていただきお手伝いという形で2024年4月28日 あずまやさんのジャッジのお手伝いをしました。今回はフロアジャッジという形で参加しました。

1:ジャッジの持っておいた方が良いもの

①:メモ帳とペン(4色か3色ボールペン)と油性マジック
→プレイヤーからコールされた際のヒヤリング時やデッキリストのチェック時などに使う。なぜ色が多い方が良いかは後述で記載します。
②:iPad(優先度低いけど欲しい)
→大会運営用のツールを手元のスマホではなく別端末で操作したいし画面大きい
③:テーブル番号の紙
table_numbers_a6_200p.pdf (storage.googleapis.com)
→公式から打ち出せるので打ち出して持っておく。外部会場の時に便利
ラミネートしたり、クリアファイルに小分けして持っておく
④:Cracked Baubleのカード
→プロキシ発行時などにあると良い
⑤:各種トークン
→忘れたプレイヤーに渡したり、決勝卓などで忘れてる際などに出せるため
配信卓でサッと出してるとき見るけどあれできるとカッコイイ
⑥:ダイス
→上記と同じ理由。攻撃の点数のダイスとかもサッと出してるのを見るけどあれカッコイイ
⑦:養生テープ
→テーブル番号を貼ったりするときに便利
⑧:コピー用紙
→テーブル番号を側面に貼ったりいろいろと出来るため
⑨:タイマーor時計(なるべく大きい方が良い)
→試合時間の管理を手持ちのスマホで行っても良いがジャッジの裁定確認時などで操作を行った際、誤作動でタイマーが停止したり消えたりするのを防げるのと見える位置に置いておけばプレイヤーの方が残り時間を確認出来るため。
⑩:ミーティング時のカンペ
→施設の使い方とかカンペを作った方が良い
⑪:確認表
→大会時聞かれたことや、裁定を出した人、延長時間を出したテーブルを記録するメモシート
⑫:トーナメント表
→決勝トーナメント時わかりやすい
⑬:無記入のデッキリスト
→忘れたプレイヤーに渡せるから
⑭:スケジュール表
→簡単に1日の流れを組み立てておく。施設利用時、退出時間が決まっているので間に合わないなんてことが無いように一番時間がかかる想定で作る。
これがジャッジの14点セット
仕事と一緒で事前の準備をしっかりしておくのが大事だと思いました。

補足

どうして3色か4色ボールペンが良いのか?
→選手はデッキリストの記載を黒で印刷か記入している為、ジャッジ側は色違いのペンで記載した方がわかりやすい為。

・なぜテーブル番号を貼ったりするのか?
→選手の対戦テーブルはもちろんの事、ジャッジ側は裁定を出した際、テーブル番号がわかるようにしておけばあたふたせずに記録が出来るため


2:大会進行の流れ

大会の受付時
まずいつもの通りよくわからないコードを入力してもらい受付で参加をしてもらう。この際にデッキリストを貰う。ギリギリまで悩むプレイヤーさんが必ずいるので「1回戦開始前までに必ず出すようにお願いします」と伝えておく。

デッキリストの扱いは大会における重要書類
→リストが他の参加者に漏れると有利不利が発生するから。
取り扱いは基本裏側で、他の参加者から見えないようにする。
リストが置いてある場所から離れる際も必ず裏向きで。

デッキリストを貰った段階でまずリストの枚数が80枚かどうか確認する。(だいたい1回戦中。今回はジャッジが複数人いるため、この段階で確認できた。)この時右上にプレイヤーの名字を書きあいうえお順に並べておくとデッキチェックの時リストが出しやすい。
自分は赤色で枚数を数え確認して80枚の計算が合っていることを確認した。確認したら「80枚OK(ジャッジ名)」という感じで確認者がサインを行う。

プロキシ発行について

GemなどのFoilしか存在しないカードはフォイルの性質上反ったりしてデッキ内での判別が出来てしまう可能性があるためプレイヤーから申し出があった場合にそのカードのプロキシを発行する。
ポイントは必ず現物を確認する事。
プレイヤーが持ってきたプロキシの場合は必ず確認する事。FaBのカードでプロキシを作っている状態が良い。(カードサイズが違う理由などから判別出来てしまう可能性があるため)
当日忘れたカードに対してプロキシを出して欲しいなどと言われた場合お店に在庫があるはずなので購入してもらうようにする。
発行した場合プレイヤー名と発行したカード名をメモしておく

参加を締め切ったらプレイヤーミーティングを行う。ここでは今日のトーナメントオーガナイザーやヘッドジャッジ・フロアジャッジの紹介、施設の使い方やお店の場合、店員さんからのデュエルスペースの使い方を説明して貰う。

1回戦のマッチング発表

この時ソフト側から対戦相手の非表示をしてマッチングするとプレイヤー側にマッチを表示させなくすることが出来る
→1回戦前に各選手に使用するヒーローを入れてもらって1回戦開始ということが出来る。(運営に報告などする必要があるとき)
1回戦中に枚数確認が終わってない場合は枚数を確認し80枚を超えていないか確認する。
呼ばれた際は必ず裏にして見えない状態にしてコールを受けること。

試合経過時間の伝え方だが残り30分・20分・10分・5分ぐらいでアナウンスをする20分ぐらいから「終了した卓の方は結果登録を忘れずに入力するようにお願いします」と促す。

2回戦のマッチング発表

2回戦からデッキチェックを行います。
まず対象となるのは上位卓のプレイヤーです。5回戦終了の段階でSE出場者全員のチェックが終わっているのが理想です。
2回戦は1番卓や2番卓の1勝同士のプレイヤーの方のチェックを行いましょう。
チェックの流れとしてはまずシャッフルなどゲームの準備を進めて貰い、ゲーム開始の時にプレイヤーの方へ「デッキチェックを行うのでご協力お願いします」な感じでシャッフルが終わっている状態のデッキとサイドボード、装備品を受け取ります。
なぜその状態で受け取るかと言うとシャッフルが無作為にされているかを確認するためです。
シャッフルのイカサマで言うとFaBだと赤赤赤青とか青青青赤とか規則性のある並びになっていないかを確認します。
デッキを受け取ったらプレイヤーから見えないようにデッキを確認していきます。

1:スリーブの状態確認

まずスリーブの全ての面を確認し、傷や欠け、判別出来る状態でないかを確認します。

2:中身のシャッフルが無作為かの確認

上で書いた不正をしていないかを確認します。
(赤赤赤青とか青青青赤とか規則性のある並びになっていないかを確認します。)

3:リストと照合する

受け取ったリストと照らし合わせてデッキに相違がないかを確認していきます。
この時、色ごとに分けて確認したり1枚ずつ確認していったりと色々方法があります。
自分は1枚ごとに名前の隣に正の字を書いて確認しました。
この時違う場合はフロアの場合はヘッドジャッジなどに報告し、対応を行う必要があります。
選手の魂なので丁寧に扱いましょう。どこかのTCGでデッキチェック中にカード抜いて窃盗する奴がいたみたいですが絶対にやってはダメ。

4:返却

色ごとに分けた場合必ず無作為のシャッフルを行うようにする。色ごとに分けた場合はプレイヤーの方に「チェックの際、色ごとに分けてチェックを行いました。こちらでもシャッフルをしていますが良くシャッフルをしてからゲームをしてください」と一言言っておく。

5:延長時間の付与

チェックにかかった時間に対して必ず延長時間を出すこと。
大体普通にやって1つ8~10分ぐらいかかるので1人で2人分やると15~20分延長。
2人でそれぞれやると大体10分延長が出ます。必ずメモを取り、延長を出したテーブルを記録しておきましょう。

デッキチェックにかかる時間はだいたい1つのデッキで8〜10分でした。

3回戦〜4回戦

まず同じようにデッキチェックを行いますが、同じ人に何回も確認を求めないようにする。なので上位卓で両方やっていないプレイヤーがいる卓を優先してチェックしていく。
3回戦終了時あたりから上位の選手の戦績を書き出しTop8に入りそうなプレイヤーの目星をつけて4回戦のデッキチェックの対象を出していく。

5回戦

4回戦終了時の段階で上位の方の目星をつけておく。マッチング後、両者ともやっていないところがあればチェックして行くが、片方受けてるけどもう片方受けていない場合、スルーも可。臨機応変に対応していこう。

5回戦目が早く終わっていて上位卓でTop8いきそうな人がいれば対戦終了後にリストチェックを行い、円滑に進められるようにする。

今回は全卓終了後に先に順位表を出して、Top8以内の方でチェックしていない人2人のチェックを行いました。

上位8人の方を発表し、いつもの記念撮影。
予選スイスラウンドはめちゃくちゃ忙しい。

ここで15分休憩

決勝トーナメント


順位が上のプレイヤーが先行後攻の選択権がある。(プレイヤーの方の方が詳しい)
ここからはCCフォーマットだと結構平穏な時間でした。個人的にコールされるまで勝ち上がってきたプレイヤーの方のプレイを見れるのは結構うれしい。決勝トーナメント行っても真剣だけど、あの空気の良さはものすごく好き。
ここからが重要な点で、決勝トーナメントは確かに時間無制限だけど大体いつもの55分ぐらいに収まるようにバランス調整をする。
確かに選手は勝ちたいので選択肢が多彩にあり、1つのミスが致命的になることだって容易にあるこのゲームだが5分も10分もかけてもらうわけにはいかないのです。
基準としては自分がそのテーブルを見て状況をつかんで自分の中で「これは遅いな」と思った段階で「難しい場面ですが決断いただくようにお願いします」みたいな感じで注意を促す。その後PPGにもあったプレーを確認するまでその場から離れない。
PPGだと、手札1枚プレイヤーが手札を1枚持っていて、何をするか決めるのに不合理な時間がかかる。という記載があるが、じゃあこの不合理な時間ってどのぐらいなのよ?
という感じで。結構感覚の部分が大きいのでこれが難しい。

決勝戦

残すところもこの1戦、今回お手伝いなので報酬がありませんが、強者の戦いを目の前で見れるだけで正直おつりが来ました。
7回も対戦しているのでプレイヤーの方の疲れからお互いの勘違いなどが起きる可能性が考えられたので、個人的に攻撃の点数とこちらでもライフのメモを記録しました。

対戦も終了し大会は終了。タイムスケジュールだと0時をこえるスケジュールだったのですが22:00過ぎには終了でき進行もスムーズに行えました。
(環境が早いってのとプレイヤーの方々の練度が高くスムーズにゲーム運びが出来ているということだと思います。)

今日コールであった事象

1:デッキリスト提出時80枚のリストで提出されていたが1回戦開始前に本人から77枚しかないと申告があった

→デッキリストを修正し77枚で参加するようにしてもらった
(本人だけが損しているだけなので特にペナルティは出さず、そのまま進行してもらった)

2:エンドフェイズにアーセナルに置いた後、手札が1枚ある状態で3枚引くのではなくカードを4枚引いてしまった

→2.5のHidden Card Errorを出し、引いてしまった4枚を相手に見せ相手が1枚を選びそれをトップかボトムに置いてもらい、残りの3枚を引いてもらった

3:Death Dealerの能力使用時本当は青をピッチしたかったが黄色をピッチしてしまいカードを引く前にジャッジへ「ピッチしたカードを替えたいと申し出があった」

→特に裁定は出さず、相手に確認だけ取り、巻き戻して青色へ変えてもらった。TRP5.4ピッチ以外に如何なる情報も得ていないので巻き戻しを行った。

4: Spire Snipingの能力でカードを2枚しか見れないところ3枚見てしまった。

→ 2.4 Looking at Extra Cardを出し、対戦相手その3枚を見てもらい、各カードごとにデッキの上か下か選んでもらう。それの解決後に上から2枚を見る処理を行い解決した。

5:Ponderトークンが1つ出ている状態でプレイヤーAが2つあると勘違いしてカードを2枚引いてしまった。

→2.5 Hidden Card Errarを出し、引いてしまった2枚を相手に確認してもらい、各カードについてデッキの上か下に置くかを選び、処理後1枚引いてもらった

6:デッキが1周目の段階でデッキの上からカードが崩れて数枚落ちてしまった

→ジャッジがその場で1周目か確認を行い、確認が取れたのでジャッジがその場で無作為にシャッフルを行いデッキの上に戻した

7:Tarpit Tarpの誘発しないってどこまで?について


Prismのアタックアクションでヒットしたときソウルに入りますか?みたいな質問だったと思います。

8: Gauntlets of Iron Willこのカード難しすぎない?

「このカードで防御した、このチェーンリンクで」という一文のせいでものすごくややこしくなっている。2回ほど、これで防御して何点のバフ乗りますか?とかこれは何点の攻撃になりますか?という質問があった。

Extra

最近話題のArc Light SentinelとPrismAoSの増加によるエア図書館。

まずSpectraという能力がややこしい。
攻撃が解決されないって何?などいろいろ最近流行のヒーローなのでいろいろ覚えておいた方が良さそう。
このカードだけでいっぱい質問が出てくる。


この図書館が無い状態で「知性5だと思って引いちゃいました、ごめんなさい」ってのが最近多いみたいです。

3:ジャッジとしての考え方

まずジャッジとは何なのか?というもので
コールされた内容に対してすべてに対して罰則や警告などの裁定を出すのではなく、プレイヤー同士で有利不利が起きた場合に裁定を出しゲームを是正し、プレイヤー間での格差を出さないように円滑にゲームを進めてもらう。ということを教えてもらいました。

なので自分だけが不利になるような状況、今回の大会で言えばデッキリストの枚数が少ないことやピッチの間違いを巻き戻すなど自分が不利になるだけの場合なら裁定は出す必要はないと教わりました。

ジャッジの大会種類によって一番大変なのはCCよりもドラフトとシールドの方が大変だそうです。
理由としてドラフトのコールやデッキチェックの大変さ、しかも普段使わないカードに対するジャッジコールなどめちゃくちゃ大変だとおっしゃっていました。

あと気になったのが関東圏でジャッジ回してる人が2人ほどしかいなくほぼワンオペとおっしゃっていました。

4:終わりに

次回の10月のプロクエストシーズンはどこかでヘッドジャッジをやってみようとチャレンジ精神が沸き上がりました。
来月のCalling 東京では今回得た経験をもとにしっかりフロアジャッジをしていきたいと思います。

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