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美術モデルのすゝめ

・昨日一昨日は美術系の予備校でデッサンの美術モデルをしてきた。
私の微小な収入源だ。
noteでは美術モデルについて詳しく書いたことがあまりないから少し詳しく書こうと思う。

美術モデルのバイトは大体時給は1300円くらい。それより良い所も結構あるらしい。
インターネットで「美術モデル バイト」って調べるヒットする。
アトリエや絵画教室や美大等が行ける範囲にあることを知っていたら、その名前で検索してみると、案外募集していたりする。(ただし女性や筋肉質の男性に限る場合が多い)
募集を見つけたなら、メールを送るか履歴書を送付する。
私の場合は全身の写真を添付するように指示があったのでスマホで撮影しプリントした。
後は依頼のメールを待つだけ。
 
同じ教室から依頼を受けているが、仕事自体は毎回単発の仕事で、契約書を毎回書く。
年間20万円以下は確定申告の必要はない。
私は今依頼を受けている教室以外に二つくらいアトリエにコンタクトを取ってみたが、募集終了していたり、アトリエの管理人の素性が怪しすぎたので辞退したりした。
募集自体が少ない分、最初の依頼まで長い道のりだったが、どうしてもやってみたい仕事だったのでやって良かったと思っている。
 
私が依頼を受けている仕事の多くはデッサンのモデルなので、計6時間程同じポーズをする。
20分ポーズ、10分休憩の繰り返しで6時間だ。
ポーズの時間の間は、毎回全く同じポーズで同じ場所を見つめることになる。
自由なのは頭だけでそれ以外は純度の高い「無」である。
2023/05/08の日記「水の塊/考える」でも書いたが、考えることは目や耳から入る外部の刺激、風や風景等の変化、紙やペンやキーボードなど考えを出力する道具、これらにかなり依存している。

是非自宅でも出来ることだから体験してみてほしい。
微動だにせず、一点を見つめ、筋道立てて考えることがどれほど難しいかを。
私はいつもこのバイトの時間を「無の中でも思考力を働かせる練習」だと思っていて、何かテーマを決めて考え事をするようにしている。
今回は、生きている意味を疑問視するのはなぜなのかとか、資本主義とある時間の中で何か論理を肉付けする事の関係とか、この教室にいる人(休憩時間に見せてもらう絵と顔や服装しか知らない)の名前や家族構成や趣味、好きな食べ物、住所などを勝手に考えたりするとか、思い出せる聖書の言葉を出来るだけ多く思い出したりしたりするとか、そんなことをして6時間過ごした。
この純度の高い無の時間を私はとても気に入っている。
あらゆる箇所が痒くなるし、あちこち痛いし、考えはとっ散らかるしで楽しい訳ではないのだけれども、不思議と退屈ではない。
その無はその場にいる生徒たちの必要によって発生しているのだ。
 
この「人に必要とされている無の時間」を「お金が発生する無の時間」をぜひ多くの考え事が好きな人に体験してほしい。

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