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闇市で飲まれたお酒

第二次世界大戦後の食糧難の時代
密造酒 「バクダン」と「カストリ」


戦後の食糧難、お酒不足の時代、密造焼酎がつくられました。

1つは「カストリ」というものです。
もう1つは「バクダン」です。

両方とも闇市の飲み屋で売られていました。


■「バクダン」について
第二次世界大戦時、ガソリンの代用品として増産に努めた結果、軍用燃料用アルコールは、生産力が上がり、だぶついてきました。
終戦時は多大な在庫を抱えてしました。

燃料用アルコールには、酒好きに飲まれるのを防ぐため、メチルアルコールが混ぜられていて、不慮の誤飲防止のために、薄紅色に着色されていました。

このメチルアルコールは、アルコールの中でも、非常に毒性が高いです。
メチルアルコールを飲むと、視神経を破壊し失明したり、大量摂取では死を招きます。

しかしながら、この軍用燃料アルコールを水でうすめて、闇市の飲み屋で提供されるようになったのです。

飲み屋ではバレないように色を抜いたり、くさみをとったりしていました。

その結果、頭痛、めまい、嘔吐、腹痛、下痢などの慢性症状に陥ったり、失明した人や死者が続出しました。 

そのため、人々はバクダンを飲むのを控えるようになっていきました。

※「バクダン」名前の由来
飲んだとたんに、体の中が急にパッと熱くなるので、「バクダン」と言われるようになりました。


■「カストリ」について
「バクダン」の代わりに、「カストリ」が飲み屋で売られてようになっていきました。

密造酒の「カストリ」は甘酒麹と蒸米と水を混ぜて発酵させたドブロクを、簡易な蒸留器で蒸留したものです。

※ 本来の粕取焼酎(カストリ)とは異なります。

ドブロクは濁酒のことで、昔はにごり酒、白馬とも呼ばれたものです。日本酒の製法に従って造ったもろみをベースに、製造されます。

全くの素人が「カストリ」が造るので、品質は祖雑でした。
腐敗や乳酸発酵による酸味が出たり、衛生的ではありませんでした。
そのため、健康被害が生じることが多々あったのです。

以上

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