見出し画像

江戸前穴子

東京都の地域ブランドの「江戸前穴子」について、ご説明いたします


〈目次〉
1. 江戸前穴子とは
2. 穴子の生態
3. 食材としての利用


1. 江戸前穴子とは
「江戸前穴子」とは、東京都の地域ブランドである穴子です。


あなごは北海道よりも南の日本各地に生息していますが、東京湾では餌を入れた筒を使った方法の漁で漁獲されています。

直径10㎝、長さは80㎝ほどの筒の中にイワシなどのエサを入れて、穴子の習性を利用して捕まえます。

穴子の旬は、晩春から夏とされ、暑い夏でも食欲をかきたててくれる、日本人には欠かせない食材の一つなのです。

世界でも有数の豊かな海だとされている東京湾ですが、特に羽田沖を中心として漁獲されているものが「江戸前穴子」と呼ばれています。

「江戸前穴子」は品質が非常に良いことから、天ぷらや白焼きなどの材料として、高級料理店などで使われているのです。

2.穴子の生態
穴子の細長い筒型の姿は、ウナギに似ているとされていますが、大きな違いは鱗がない点にあります。

また、ウナギは淡水域に生息し、成熟すると産卵のために海の方へ下りますが、一方の穴子は一生を海で過ごします。

穴子の大きさは種類によって大きく異なり、成魚の全長は30cmほどのものから1mを超えるものまで見られます。

また、穴子は肉食性であることから、小魚や甲殻類、貝類、頭足類、ゴカイなどの小動物を捕食します。

昼間は海底の砂泥中や岩石のすき間にひそんでいます穴子ですが、夜になると獲物を探しに動き出します。

穴子の中でも砂泥底に生息する種類は、集団を作って巣穴から頭、もしくは半身を海中に乗り出している様子から、「アナゴ」と呼ばれるようになったとも言われています。


3.食材としての利用
穴子はウナギと同様に、天ぷらや蒲焼、煮穴子、寿司種などで食べられています。


また、穴子を一本丸ごと揚げた天ぷらはそれだけでインパクトがあります。

それを、天丼や天ぷらそばなどの上に乗せると、丼からはみ出す様子が見栄えするため、価格も手ごろであることから名物としているお店も多いものです。

熱帯から温帯の海に広く生息している穴子ですが、江戸時代の頃から東京湾の羽田沖で捕れた穴子が「江戸前の本場物」とされていて、現在でも変わらず東京湾岸各地が漁場となっています。

しかし、瀬戸内海で捕れたものも、地元や関西地方で親しまれています。

例えば、岡山県には郷土料理として生の幼魚をポン酢で食べる「ベタラ」があり、広島県では、穴子の蒲焼を飯に載せた「あなご飯」が名物になっています。


以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?