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カロリーメイトだけの朝|角松敏生 "Office Lady"

カロリーメイトは1983年に発売されたそうだ。
なぜカロリーメイトの話になるかというと、誠に個人的な理由なのだが、角松敏生の "Office Lady" を聴くと自動的に思い出されるからだ。

それと同時に、松戸(千葉県)の寮から松戸駅に向かう通勤途上の朝の光景が浮かんでくる。1986年頃の話だ。

おそらくなのだが、ウォークマンをかけていたのだと思う。
ウォークマンで角松敏生の、おそらく "SUMMER TIME ROMANCE" を聴いていたのだろう。

さらには市役所から坂を下ったところ、交差点の横にあった歯医者まで思い出してしまうのだ。
その歯医者で「親知らず」を宣告されて御茶ノ水の東京医科歯科大に行ったときに、インターンがトンカチを持って登場し「アゴを手で受けてください〜」と言われて施術されたことまで思い出してしまう。

颯爽と会社に向かう自分は、冬ならばスーツの上からトレンチコートを着て歩いていたはずだ。そう、浅草橋の問屋街で手に入れたトレンチコート。
シンプルで地味なトレンチコートで、ほとんど太陽にほえろ!の世界。

その頃、自分は朝がとても苦手で、
寮の管理人が食事を用意してくれているにも関わらず、それを食べないで、カロリーメイトだけを食べてそそくさと出かけていく毎日だった。

いま考えると、朝食はきちんと食べるべきだし、食べないのであれば前日に申し出るべきなのだが、なぜか当時はとてもいい加減にしていた。
自分に甘えていたのだと思う。
あの頃、わりと自分は痩せていたが、栄養状態がよくなかったのだと思う。
栄養管理はまったくできていなかった。
カロリーメイトを食べていれば大丈夫だと思っていたし、事実、大丈夫だったのだ。

いまでは考えられない暴挙。

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一昨年の夏のホテルのバイトでは、昼食の時間がなかったから休憩中にカロリーメイトを食べて麦茶を飲んでいた。
プレーンなカロリーメイトの味は、1986年頃とは何も変わっていないように感じたが、さまざまな味わいのバリエーションがラインナップされている。
だがやはり、昔からあるプレーンな味のカロリーメイトが一番美味しいような気がする。

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誠に個人的な1986年、朝の通勤途上。
僕は革のビジネスシューズを履いていたが、女性社員はヒールの人もいたと思う。とくに週末は。
街とオフィスと人々が足早に歩く姿。
ウォークマンから流れてくる "Office Lady" を聴きながら、臨場感のある毎日を過ごしていたと思う。


角松敏生 "Office Lady"

収録アルバム:
1982年 "WEEKEND FLY TO THE SUN"
1984年 "SUMMER TIME ROMANCE〜FROM KIKI"

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