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【PJCS2023環境】パオジアングッドスタッフの使い方

こんばんは、Explorerです。
今日は、PJCS2023で使ったデッキ「パオジアングッドスタッフ」を紹介したいと思います。

第1章では、パオジアングッドスタッフに関する基本的な内容を説明します。パオジアンデッキに触れたことがない方は、まずは第1章を読んでみて下さい。

第2章〜第5章では、PJCS環境(Eマーク〜Gマークのexスペシャルセットまで)に触れた後、環境を踏まえたデッキ構築・プレイングについて説明します。また、大型大会でのマッチアップも紹介します。パオジアンデッキを極めたい方や対策を検討している方はこちらをご参照下さい。

第6章では、パオジアンデッキに関するマニアックな話や、何故パオジアングッドスタッフを使ったのか?についてお話しします。四方山話もありますので、お時間のある方は、第6章までお付き合い下さい。

※質問や感想は、本noteにコメント下さい!(noteにまとまっていた方が参照しやすいと思うので……)
※本文中のデッキ・カード画像は、ポケモンカードゲーム トレーナーズウェブサイト(https://www.pokemon-card.com/)から引用しています。
※第4章の対ロストバレットの項目に、ロストヌメルゴンに関する記載を追記しました。大型大会のマッチアップを第5章に分割し、第6章を補足にしました。また、補足に「セグレイブとパルキアVSTARを両立する意義」と「パオジアンデッキのいれかえ札に関する考察」を追記しました。その他表記を調整しました。(2023/7/11)
※CL横浜2024環境に合わせて、第4章に幾つかの対面について追記しました。(2023/9/14)


第1章 パオジアングッドスタッフってどんなデッキ?

パオジアングッドスタッフ
デッキコード:k5FkbF-V4fDeR-kFkffb

(1)デッキコンセプト

2ターン目から確実に相手のバトルポケモンを倒し続け、サイドレースで競り勝つ、というポケモンカードの王道を征くデッキです。
パオジアンexは、自分の場の水エネルギーの枚数に応じて大ダメージを出すことができます。しかし、セグレイブを育て、水エネルギーを手札に集めるのは大変な作業で、そのために毎ターンドローサポートを使う必要があります。そこで、自身の展開を優先したシンプルな構築にし、逆転手段として妨害系スタジアムとナンジャモを搭載するというアプローチを取りました。
その結果、パオジアンexを起点に動き始め、周囲を強力なカード(パルキアVSTAR、かがやくゲッコウガ、頂への雪道等)でまとめた構築になったため、「パオジアングッドスタッフ」と名付けました。

(2)「グッドスタッフ」ってどういう意味?

「グッドスタッフ」とは、「単体で非常に優秀なカードで構築されたデッキ」(注)を指します。TCG用語ではありますが、コンボやシナジーが重視されるポケカでは、あまり馴染みがない言葉かもしれません。
前述の通り、パオジアンexのデッキは強力ですが、毎ターンドローサポートを必要とする不器用なデッキです。そのため、グッドスタッフ構築にすることで安定感が出るようになります。

注:MTG Wikiより引用

(3)基本的な動き方

・エネルギーの枚数に応じて大ダメージを出せるパオジアンex
・高い耐久力と安定したダメージを出せるパルキアVSTAR
・相手のポケモン2体を攻撃できるかがやくゲッコウガ

この3体を使い分け、できるだけサイドを2枚ずつ取ることを意識しながら戦います。パオジアンexとかがやくゲッコウガが活躍するためには、1ターンに複数枚のエネルギーを供給する必要があるため、セグレイブとパルキアVSTARを用意しながら戦うことも必要です。
そのための動き方の例は以下の通りです。

1ターン目
バトル場にパオジアンex、ベンチにセビエ、パルキアV、かがやくゲッコウガの3体を並べる。パオジアンexの「戦慄く冷気」で水エネルギーを2枚手札に加え、1枚をバトル場のパオジアンexに手貼り、もう1枚はかがやくゲッコウガの「隠し札」でトラッシュに置きます。(上記4体を並べられない場合、場に出す優先順位は、基本的にはパルキアV≧セビエ>パオジアンex≧かがやくゲッコウガです)

2ターン目
相手のバトル場がポケモンVかexならパオジアンex、バトル場が非ルールポケモンならパルキアVSTAR、相手の場にHP90以下のポケモンが複数いる状態でマナフィがいないならかがやくゲッコウガが攻撃します。
そのためには、セグレイブかパルキアVSTARを立てる必要があるため、基本的にはカイを使いますが、状況次第では博士の研究やナンジャモを使うこともあります。また、パルキアVSTARのVSTARパワー「スターポータル」をうまく使うために、隠し札やハイパーボールを使い、トラッシュのエネルギー枚数を調整しましょう。

3ターン目
2ターン目と同様、相手のポケモンを倒す(サイドを取る)ためのアタッカーを決め、それに合わせてサポートを使い分けて盤面を形成します。2ターン目にカイを使った場合、手札が少なくなってくる頃合いなので、博士の研究を使うと良いでしょう。
また、いれかえカートや逃げるを駆使して、「戦慄く冷気」で山札の水エネルギーを減らしたり、ハイパーボールで手札の不要カード(余ったバトルVIPパスやポケモン)をトラッシュすることで山札圧縮も行います。

4〜5ターン目
後2回攻撃したら勝ちの状況(大体、自分の残りサイドが2〜3枚の時)になったら、相手に何をされても勝てる、いわゆる「詰み盤面」を形成しに行きます。相手がポケモンVSTARやポケモンexが軸のデッキを想定すると、ざっくり以下の通りです。

・このターンにワザを使った後、場にエネルギーが5枚残っている(6枚以上残っていると更に嬉しい)
・場のエネルギー配分は、ベンチのパオジアンex 1体に2枚、それ以外のポケモンに1枚ずつ(エネルギーをつける優先順位は、パオジアンex 2体目≧パルキアV、VSTAR>ネオラントV>かがやくゲッコウガ≧セビエ>セグレイブ)
・山札に水エネルギーが1〜2枚(0 or 3枚は許容できるが4枚以上残っている状況は好ましくない)、トラッシュに水エネルギーが2枚以上(5枚程度まではあって良い)
・手札にカイ1枚、もしくはスーパーエネルギー回収を含む3枚以上のカードを持っている

上記のような盤面・手札を作ることで、次の相手の番にナンジャモやツツジを打たれても、ボスの指令でセグレイブを倒されても勝てる状況になります。
また、上記の条件を全て満たせずとも、可能な限り近づけておくことで、勝率が上がります。

5〜6ターン目
前述の盤面を形成できていたら、あなたの勝ちです。

(4)劣勢時の回し方

自身が後攻で、先攻2ターン目からサイドを取られてしまった場合や、初動でうまく展開できず、相手に先にサイドを取られてしまった場合でも、基本的には(3)基本的な動き方に従って行動します。不利な状況でも、それ以上相手にサイド差をつけられないよう、ピタリと相手の後ろについていくことが大切です。
また、自身の展開が最優先ですが、可能であれば崩れたスタジアムや頂への雪道で相手の行動を少しずつ阻害し、相対的な速度差を詰めて行きましょう。
そして、最後は詰みの盤面を形成しながら頂への雪道+ナンジャモのコンボで相手の行動を止め、逆転勝利を目指しましょう。

第2章 PJCS環境について

この章では、PJCS環境の主要なデッキとキーカードについて書いていきます。

(1)主要なデッキ

昨今は多くのサイトで環境考察がなされているため、それらを参考に環境を考えていました。
特に、ポケカ飯さんのTier表はシティリーグの結果を元に作成されているため、大変参考になりました。

考察サイトや練習仲間の意見も踏まえつつ、以下のように予想をしてデッキを調整していきました。

複数回対戦しそうなデッキ
・サーナイト系統(ザシアンV型orリバーサル型)
・ロスト系統(ギラティナVSTAR or ザマゼンタ or ヌメルゴンVSTAR)
・アルセウスギラティナ

1回は対戦しそうなデッキ
・ミュウ(フュージョンエネルギー型 or 雪道型)
・ルギア(カビゴン型 or 一撃型)
・ミライドン(ジバコイルVSTAR型 or 雪道型)

(2)PJCS環境におけるキーカード

上記のように、サーナイトやロスト系統がやや多いものの、多様なデッキが存在するこの環境において、キーとなるカードが2つあったと考えています。1つ目がバトルVIPパス(以下VIPパスと記載)で、2つ目が頂への雪道(以下雪道と記載)です。
PJCS環境は、強い特性を持ったポケモンを並べるデッキが多く、1ターン目の展開が少しでも遅れると、厳しい戦いになります。そのため、2ターン目以降は使えないリスクを取ってでも、VIPパスで展開しにいく必要があったと考えています。
また、サーナイトexを筆頭に、強力な特性を持ったルールを持つポケモンが多く、これらの特性を止められないと、劣勢からの逆転が難しい環境でした。そのため、自身が特性を使う側であったとしても、雪道の採用は必須だったと考えています。

第3章 採用カードの解説

この章では、パオジアングッドスタッフに採用されているカードの採用理由や枚数、具体的な使い方等について書いていきます。

(1)ポケモン

パオジアンex
初動で特性「戦慄く冷気」を使い、山札から水エネルギーを引き込みたいため、スタートしやすいように4枚採用。ポケモンVSTARが主軸のデッキを相手にする時は、最大3体をアタッカーとして使う可能性があること、ハイパーボールやスーパーエネルギー回収のコストとしても切りやすいことから、4枚採用が一番安定すると考えています。

セビエ・セグレイブ
基本的には、2〜3ターン目に1体立てば良いので3-3で採用。積極的に博士の研究を使っていきたいため、セグレイブも3枚あった方が良いです。

パルキアV・パルキアVSTAR
特性「スターポータル」を使うことと、相手の攻撃を1発耐えながら攻撃することが主な役割であり、最低1体立てば良いため2-2で採用。スターポータルを使うまでは実質的にセビエ5枚体制になるため、パオジアンデッキには、パルキアVSTARラインはできるだけ入れたいところ。

かがやくゲッコウガ
ルール上1枚採用。サポート以外で縦引きができる貴重なドロソであり、2匹のポケモンを同時に攻撃できる強力なアタッカーでもあります。このデッキにおいては、「トラッシュにエネルギーを置く」ことが重要なので、できるだけ早い段階から使っていきたい。

ネオラントV
ハイパーボールがサポートに変わる強力なカードだが、雪道が流行っている環境のため1枚のみ採用。水エネルギーを大量につけられるデッキのため、アクアリターンを有効活用していきたい。

(2)サポート

博士の研究
常に手札を大量消費しながら戦うデッキのため、4枚採用。カイと交互に使っていけるのが理想的。セグレイブは1体立てばゲームができるので、序盤の手札にセグレイブや不思議なアメのどちらか片方があっても、ガンガン使っていきたい。(山札からセグレイブや不思議なアメがなくなる場合は除く)

カイ
序盤の盤面形成(後攻1ターン目のVIPパスサーチや、2ターン目のセグレイブ+不思議なアメのサーチ等)、中盤の山札圧縮(使わないポケモンや余ったVIPパスを持ってきて、ハイパーボールやスーパーエネルギー回収のコストにする)、終盤の解決札(不要なポケモンとスーパーエネルギー回収を持ってきて止めを指す)と、引いて困る盤面がないため4枚採用。カイを使うターンは、かがやくゲッコウガの「隠し札」とカイのどちらを先に使うか、考えながらプレイしたい。(手札に次のターンのサポートがない場合はカイから使う、サポートがあって引きたいポケモンが2種類ある場合は隠し札から使う等)

ナンジャモ
後攻の際の逆転札であり、対ロスト系統で手札を抑制する札でもある。稀に、博士の研究で切れないカードを引いてしまった場合(セグレイブor不思議なアメのどちらかだけを2枚以上、雪道が入っているデッキが相手の際のロストスイーパー等)に、手札リフレッシュのために使うこともある。1ゲーム中に1回は使いたいため2枚採用。同系統のツツジと異なり、初手で引いた場合でもゲームをできるのがありがたい。

ボスの指令
相手の戦略を崩したり、止めを指すために使う強力なカードだが、基本的にはドローサポートを使いたいため1枚のみ採用。枠があれば増やしたい。

(3)グッズ

バトルVIPパス
初動で並べたいポケモンが多く、できるだけ1ターン目に使いたいため4枚採用。後攻の時は、カイからサーチしてきて使うこともできる。このデッキは、ハイパーボールやスーパーエネルギー回収等の手札コストが重いカードが多いため、1ターン目に使えない場合は、コストとして消費していくことができる。

ハイパーボール
進化ポケモンを2ライン(セグレイブとパルキアVSTAR)採用しているデッキのため、少しでも進化先を引きやすいように4枚採用。また、4枚採用することで、ネオラントV経由でサポートにアクセスしやすくなる効果もある。序盤は水エネルギー、中盤以降はVIPパスをコストにするため、コストには困りにくい。

ネストボール
1ターン目にVIPパスを使えなかった時でも、ポケモンを展開できる札として1枚採用。本当は2枚以上採用したかったが、枠の都合で泣く泣く1枚のみになってしまった。

いれかえカート
パオジアンexを2体並べて、1ターンに2回戦慄く冷気を使う動きが強いため1枚採用。対ロスト系統の時、バトル場のパオジアンexがウッウの「おとぼけスピット」を受けた後にいれかえカートを使うことで、2発目の「おとぼけスピット」やヤミラミの「ロストマイン」でパオジアンexが倒されなくなる点も優秀です。終盤にセグレイブがバトル場に縛られるパターンは、前述の詰み盤面を作っておくことで対策できるため、進化ポケモンをいれかえられないデメリットもそこまでキツくはありません。

スーパーエネルギー回収
エネルギー消費が激しいデッキのため、4枚採用。スーパーエネルギー回収を含む手札3枚とエネルギー4枚を交換するカードであり、終盤のツツジやナンジャモからも復帰しやすくなります。
また、エネルギーを手札コストにしやすくなるカードでもあるため、使う順番を吟味したいカードです。(例、スーパーエネルギー回収・水エネルギー・不要なカードが2枚ずつあり、トラッシュに水エネルギーが6枚ある時、1枚目のスーパーエネルギー回収で水エネルギー2枚をトラッシュし、2枚目のスーパーエネルギー回収で不要なカード2枚をコストにすると、合計8枚の水エネルギーを手札に加えることができる)

ロストスイーパー
カイからサーチできるスタジアム・ポケモンのどうぐ破壊札。主に、雪道をトラッシュするために使います。相手からの雪道をトラッシュするだけでなく、1ターンだけ相手を妨害するために出した自身の雪道をトラッシュするためにも使えます。本当は2枚採用したいところですが、スタジアムに枠を譲った関係で1枚採用。

(4)スタジアム

頂への雪道
相手の動きを止めることができますが、自身の動きも阻害するため、このデッキの中で最も難しいカード。スタジアムをサーチできるカードがなく、使いたい場面で縦引きから引き込む必要があるため2枚採用。
ゲーム終盤においては、山札から水エネルギーが抜かれており(=戦慄く冷気を使う必要がない)、スターポータルも使っていることが多いため、意外と使いやすいです。また、アルセウス系統やサーナイト系統のデッキを相手にする際は、序盤に貼ってしまっても問題が少ないです。というのも、相手が動くためには雪道をトラッシュする必要があるため、相手の方から勝手に雪道をトラッシュしてくれるからです。雪道が残れば1ターン帰ってくる。残らない場合はこちらも特性を使うことができると考えれば、積極的にプレイできるかと思います。雪道が場に残り、お互いにサポートがない泥仕合になった際も、こちらの方がドロサポの採用枚数が多いため、決して悪くない賭けになります。
ただし、ロスト系統を相手にする場合は、終盤以外では自身の首を絞めることになるため、出さない方が無難です。

崩れたスタジアム
このデッキの中で2番目に難しいカード。自身のベンチを5枠使うことも多いため、自分の盤面と相談しながら使いたい。雪道と同様に、使いたい場面で縦引きから引き込む必要があるため2枚採用。
かがやくゲッコウガと合わせて、相手のベンチを圧迫(マナフィを置かせることで、崩れたスタジアムと合わせて2枠を消費させる)したり、自身のダメカンが乗ったポケモンをトラッシュすることで負け筋を消したりすることができる。また、相手の雪道への対策札にもなる。
崩れたスタジアムをトラッシュするために、相手のスタジアムやロストスイーパーを消費させることで、終盤に雪道+ナンジャモのコンボが通しやすくなるため、中盤から使っていきたいカード。

(5)エネルギー

水エネルギー
できるだけ枚数が多い方が、序盤からトラッシュに置きやすく、前述の詰み盤面を形成しやすいです。
10枚以下の構築も試してみましたが、自身のプレイングに最もしっくり来たため、11枚採用としました。

第4章 相手のデッキ別プレイング

この章では、相手のデッキ系統別のプレイングについて書いていきます。

(1)対サーナイト系統のプレイング

・サイドプランは、1-1-1-1-2。サーナイト側が有利なマッチアップであり、上振れたサーナイトに勝つことは極めて難しいが、プレイングを徹底することで、上振れ以外のサーナイトには勝つことができる。
・レントラーが採用されている場合があるため(リバーサル型)、2ターン目に攻撃する際、相手の場にエネルギーがついたポケモンがいないならパルキアVSTARが、エネルギーがついたポケモンがいるならパオジアンexが攻撃する。
・真っ当に勝負しても勝てるので、無理にかがやくゲッコウガで2体抜きを狙わなくても良い。狙う時は手札・盤面と相談し、次の番もサイドを取ることができるかどうかをよく確認する。
・サーナイト側の展開が遅い場合は、戦慄く冷気を使って少しでも自分の山札を圧縮できるよう、パオジアンexから攻撃し、相手が攻勢に出そうなタイミングでパルキアVSTARと交代する。
・セグレイブが攻撃する、もしくはセビエを囮にしてクレセリアの「ムーンライトリバース」を打たせることで、相手のサイドが奇数になるよう誘導する。1ターンゲームを伸ばすことで、逆転の目が増える。
・序盤〜中盤の崩れたスタジアムは、かがやくゲッコウガ警戒のマナフィと合わせて、相手のベンチを実質2枠奪えるため、積極的に使っていきたい。また、終盤の雪道対策となるリソースを崩れたスタジアムを割るために使わせることで、長期的に有利な状況を形成できる。
・ラルトスを倒せずとも、バトル場のミュウを倒せれば及第点になる。序盤に居座るミュウは、サーナイト側の展開速度を上げるので早めに叩きたい。また、終盤まで居座るとナンジャモが刺さりづらくなる。
・相手の残りサイドが3枚の時は、ザシアンV+空の封印石のコンボで一気にサイドを3枚取られる危険性があるため、パルキアVSTARはバトル場に出さない。HPの高さの観点からも、相手の残りサイドが2枚以下の時の雪道+ナンジャモと組み合わせてバトル場に出した方が、相手により高いハードルを課すことができる。

(2)対ロストギラティナのプレイング

・サイドプランは2-1-1-2か1-1-2-2。相手が初動でアビスシークするかどうかで決まる。
・手札に次のドローサポートがない場合、相手に雪道を出されると辛くなるため、1ターン早くネオラントVをベンチに出して良い。序盤はアクロマの実験が優先のため、こちらの手札が流されにくいため。また、あなぬけのヒモを使われた場合、相手のおとぼけスピットの受け皿になりながら、アクアリターンでダメージをチャラにできる。対ロストギラティナ、対ロストバレットのどちらでも有利な状況になるため、ロスト系統だと分かったら迷わず先出しして良い。
・相手の雪道への回答になる、ロストスイーパーのサイド落ちは必ず初動で確認する。
・セビエは1体ずつ出し、セグレイブに進化したら2体目を出す。セグレイブが立たない時は、エネルギーを消費しないパルキアVSTARから攻撃していくようにし、アタッカーかセビエのどちらかが盤面に残るようプレイする。
・この対面では自身の雪道が足枷になる場合も多いため、基本的には雪道は使わない。
・自身の手札に余裕がある(崩れたスタジアムやロストスイーパーで次のターンに雪道を処理できる、必要なドロサポを抱えている等)なら、雪道を先に出して良い。相手のかがやくゲッコウガを止め、少しでも手札を削っていくことには意義がある。
・相手がベンチを絞りながら雪道アビスシークをしてきた場合で、自身の場が出来上がっていない場合は無理に攻撃せずに待つか、パルキアVSTARでの2パンを心掛ける。

(3)対ロストバレット(+ロストヌメルゴン、封印石ロスト)のプレイング

・サイドプランは1-1-1-1-1-1。
・パルキアVSTARがメインアタッカーになるため、サイド落ちをきちんと確認すること。
・この対面では自身の雪道が足枷になる場合も多いため、基本的には雪道は使わない。
・対ロストギラティナと同様に、手札に次のドローサポートがない場合、1ターン早くネオラントVをベンチに出して良い。序盤はアクロマの実験が優先のため、こちらの手札が流されにくいため。また、あなぬけのヒモを使われた場合、相手のおとぼけスピットの受け皿になりながら、アクアリターンでダメージをチャラにできる。対ロストギラティナ、対ロストバレットのどちらでも有利な状況になるため、ロスト系統だと分かったら迷わず先出しして良い。
・対ロストギラティナと同様に、セビエは1体ずつ出し、セグレイブに進化したら2体目を出す。セグレイブが立たない時は、エネルギーを消費しないパルキアVSTARから攻撃していくようにし、アタッカーかセビエのどちらかが盤面に残るようプレイする。
・終盤に崩れたスタジアムを使ってベンチのダメカンが乗ったポケモンをトラッシュするため、山札のたねポケモンは大事に使う。セグレイブから先に狙われるが、エネルギーを1枚だけつけたパオジアンexを並べていくプレイを意識すると、エネルギー不足やボスの指令で縛られることを防げる。
・(ロストヌメルゴン対面時)基本的に、ヌメルゴンVSTARをワンパンで倒せるため、ロストヌメルゴン対面はパオジアンが有利。ただし、その前提を理解しているロストヌメルゴン側は、ヌメルゴンを出さずにロストバレットとして動いてくるため、上記のロストバレット対面の動きに切り替えて対応する必要がある。
・(封印石ロスト対面時)5分対面。先にサイドを2枚取った方が勝つ(お互いのサイド2アタッカーを倒す事ができるポケモンがサイド2アタッカーのため)。自身のベンチを4体に絞りながらパオジアンexが攻撃すると、パオジアンexを倒せるアタッカーがカイリューVしかいないため、カイリューVが出てくる。その返しにナンジャモを打ちながら2体目のパオジアンexで攻撃すると、パオジアンexが1発攻撃を耐えてサイドレースを有利にできる。

(4)対ルギア(白、一撃)のプレイング

・基本的には不利なマッチアップ。こちらのパオジアンで、先にルギアを倒すことができれば勝てるが、どうしても先攻が有利なゲームになってしまう。
・基本的なプレイングを守りつつ、ルギア側のアッセンブルスターの前に雪道を貼れそうなら、積極的にプレイする。
・(白ルギア対面時)パルキアVSTARを活用していきたいが、レントラーが脅威のため、パルキアVSTARが攻撃するなら、2ライン揃える必要がある。(レントラー1体目を倒した後なら、ワンパンされるリスクが減るため)1ラインがサイド落ちしている場合は、スターポータルのみ使う形になる。パオジアンexとパルキアVSTARの耐久力をうまく使い、どこかで1発攻撃を耐えるターンを作る。
・(一撃ルギア対面時)白ルギアと異なり、お互いにワンパン合戦になるため、最速で動くことを意識する。下手にパルキアVSTARで耐久しようとせず、サイド1を献上してサイドレースで優位を保つようにする。

(5)対アルセウスギラティナのプレイング

・相手の雪道を割れるかが勝負の分かれ目。先攻・後攻共に1ターンは猶予があるため、できる限り展開して、相手のジャッジマン後に解消札を引けるよう祈る。サポートが多めに搭載されており、崩れたスタジアムやロストスイーパーもきちんと入っているため、悪くはない賭けとなる。
・後攻の場合は、自身の手札に余裕がない場合でも1ターン目に雪道を出して良い。アルセウス自身も初動をスターバースに頼っているため、1ターン止まる可能性がある。また、雪道を割られたとしても、同一ターン内に再度雪道を貼ることは難しいため、こちらの2ターン目は自由に動ける可能性が上がる。
・相手のアタッカーを継続してワンパンしたいため、積極的にセグレイブを立てたいが、スターバースからボスの指令をサーチされ、容易にセビエを倒されるため、この対面ではセビエを2体、同一ターン内に置くことを意識する。
・パオジアンexがアルセウスVSTARのトリニティノヴァを1発は耐えるため、時には待つプレイングも大切。

(6)対ミュウのプレイング

・フュージョンエネルギー型が相手の場合、相手が順当に回った場合、先攻・後攻共にサイドを先行されるため、不利なマッチアップ。「基本的な動き方」と「劣勢時の動き方」を徹底し、どこかでサイドを取られないターンを作るしかない。
・雪道型が相手の場合、雪道を割れるカードを使うタイミングに注意しながら戦う。「基本的な動き方」の応用編であり、対アルセウスと同じ感覚で戦う。
・ミュウは、自由自在にボスの指令を打てるデッキのため、対アルセウスと同様に、セビエは2体同時に置くことを意識したい。

(7)対ミライドンのプレイング

・お互い、メインアタッカーがルールを持つポケモンのため、先にサイドを2枚取った方が勝つ。あなぬけのヒモを警戒するため、セビエを2体置きたい。
・ミライドン側もベンチを展開する都合上、パルキアVSTARは、相手をワンパンでき、自身もワンパンされるカードになる。スターポータルを積極的に活用したいため、率先して繰り出して良い。
・こちらのパオジアンexが、相手のライコウVにワンパンされないよう、自分のベンチを4体に絞って戦ったり、崩れたスタジアムを使ってダメージを減らすプレイングも大切。
・ミライドン側が雪道搭載型の場合は、対アルセウスと同様に、1ターン目にできる限り展開して、ジャッジマン後に解消札を引けるよう祈る。
・こちらが先行して雪道を貼ることも有効。対アルセウスと同様、相手が動くために雪道を剥がしてくれるため。

(8)対パオジアン(+ゴッドパオジアン)のプレイング

・ミラーは先攻ゲームになるが、1ターン目にセビエとパルキアVを並べられない場合、先攻・後攻がひっくりかえる。
・常にサイドを2枚取ることを意識して戦う。サイドを1枚しか取れない場合は、返しの相手の番にサイドを1枚しか取られないターンを作ることが大切。
・お互いに「詰みの盤面」の作り方を理解している場合、雪道+ナンジャモが刺さり辛いため、最速3ターンでゲームが終わる。そのため、雪道は序盤から使っていく必要がある。
・対ロスト系統と同様、かがやくゲッコウガの月光手裏剣でサイドを2枚同時に取られるリスクがあるため、セビエは1体ずつだすことを意識する。
・パルキアVSTARの価値がとても高いゲーム。こちらのパルキアVSTARをワンパンするためには、相手のパオジアンexが攻撃する必要があるため、こちらが常にサイドを2枚取れるよう、誘導できる。加えて、パルキアVSTARをワンパンするためにはエネルギーが5枚必要になるため、終盤に頂雪道+ナンジャモを使う場合、少しだけハードルを上げることができる。
・可能であれば、パルキアVやアルセウスVから優先して倒していく。これらのポケモンは、進化すると耐久力を上げながらアタッカーになり、展開も許してしまうため。
・サイドを先行している場合も、できるだけ盤面を作りながら雪道を出すことで、相手に蓋をして逃げ切り勝ちができる。
・(ゴッドパオジアン対面時)基本的には有利マッチ。パオジアングッドスタッフ側は1ターン目にパルキアVとセビエを1体ずつ置けば良いのに対し、ゴッドパオジアン側はアルセウスV、セビエ2体、マナフィを置かないといけないため。アルセウスVを優先的に狙う、雪道を貼る、(こちらがサイドを2枚取れない時)サイド1のアタッカーから殴り始める等、相手に少しずつハードルを課し、徐々にアドバンテージを取っていくことを意識する。

(9)対リザードンのプレイング

・リザードン側がピジョット入りの場合は微不利。そうでないなら有利なマッチアップ。先攻後攻の差が激しい。
・ピジョットが立つと、常にボスの指令からセグレイブを倒されるため、アルセウス対面と同様、常にセグレイブorセビエを2体ベンチに置くことを意識する。(感覚としてはアルセウスブラッキー対面に近い)
・月光手裏剣でサイドを2枚取るチャンスがある場合、必ずポッポから倒すこと。
・可能であれば、アルセウスVから狙って倒すと良い。パルキアVSTARで攻撃できているとなお良い。
・序盤に盤面が整わない場合は、無理にリザードンをワンパンしようとせず、パルキアVSTARから攻撃して、丁寧に盤面を形成していく。
・積み盤面を形成するために必要なエネルギーが多いため、スーパーエネルギー回収を丁寧に扱う。

第5章 大型大会のマッチアップ

この章では、大型大会でのマッチアップと簡単な勝敗の要因を書いていきます。

(1)シティリーグのマッチアップ

4月15日(土)に日吉本町で開催された、シティリーグS4でのマッチアップと、ゲーム内容の簡単な紹介を残しておきます。
※シティリーグ時点のデッキレシピは少し異なります。詳細は以下の画像を参照下さい。

シティリーグ(4/15)時点のレシピ
デッキコード:5V5kfk-egcomV-kkFFb5

予選
1回戦:ミライドンゼラオラモココ 先 勝
先攻から順当に展開していき、常にサイドを2枚取り続けて勝ち。

2回戦:ロストバレット(水雷超鋼) 先 勝
パルキアVSTARを軸に攻撃していき勝ち。

3回戦:アルセウスレックウザグレンアルマかがやくヒードラン 先 負
初手にサポートを固め引きしてしまい、パオジアンexが戦慄く冷気を使ってから、ベンチを並べられずに雪道だけを出して番を終わる。2ターン目にカイと博士の研究のどちらを使うかで迷い、手札のロストスイーパーを使ってから博士の研究を打つも、エネルギーしか引かずに動けなくなり、ズルズルと負け。
2ターン目に雪道を剥がさなかった場合、相手は3ターン止まっていたため、落ち着いて雪道を維持し、カイから入るべき試合だった。

4回戦:アルセウスギラティナビーダル 先 勝
先攻2ターン目からパオジアンexが攻撃していって勝ち。そらをとぶピカチュウが入っていたため、少しヒヤリとするマッチアップだった。

決勝
1回戦:ロストバレット(水雷超鋼) 先 勝
お相手がアクロマの実験を引けず、ずっと止まっていたため、バトル場のザマゼンタを無視し、ベンチポケモンをカイオーガで倒していって勝ち。

2回戦:アルセウスギラティナビーダル 後 勝
お相手がドラピオンVでスタートし、ドロサポもなかったのかスターバースを使う前に雪道+ジャッジマンから動いてくる。
結果として、ドロサポの採用枚数が多いこちらが先にサポートを引き込み、カイでじっくる展開した後にロストスイーパーから動いて勝ち。

3回戦:白ルギア 後 勝
お相手がドラピオンVスタートで、2ターン目のテーブルシティが裏だったことから、アーケオスが1体しか出ない。結果、バトル場のパオジアンexがルギアの攻撃を耐えきり、先攻後攻がひっくり返って勝ち。

(2)PJCSのマッチアップ

1戦目:アルセウスギラティナ 後 勝
先攻2ターン目に雪道を貼られるが、ロストスイーパーでトラッシュでき、そのままサイドを先行して勝ち。

2戦目:ロストリザードン 先 勝
相手が2ターン攻撃できなかったため、パルキアVSTARで攻撃を続けて勝ち。

3戦目:リバーサルサーナイト 先 勝
お相手の1ターン目に、マナフィをバトル場に置き、ベンチのラルトスにエネルギーを貼って番を終えてきたため、リバサナと判断しパオジアンexから攻撃を始める。セグレイブを立てたターンにセビエ2体をトラッシュしていたため、相手がボスの指令でセグレイブを呼び、レントラーでセグレイブを倒してきたが、場に最低限のエネルギーは残っていたため、毎ターンの手貼りから詰み盤面を形成して勝ち。

4戦目:白ルギア 後 勝
不利なマッチアップかつ後攻で震えるも、ネオラント単騎で番が帰ってきたため、先攻後攻がひっくり返る。2ターン目にルギアVを置かれるも、ボスの指令からルギアを倒すことができ、そのままサイド差を維持して勝ち。

5戦目:純正サーナイト 先 勝
お相手のマナフィがサイド落ちしたため、2ターン目から月光手裏剣を打ち続けて勝ち。

6戦目:純正サーナイト 後 負
お相手の初手VIPパス2枚からスタート。こちらもそこそこ展開できるも、中盤に崩れたスタジアムを引けず、ベンチの圧迫とスタジアムリソースを削ることができず。結果、終盤の雪道を割られて負け。

7戦目:純正サーナイト 後 負
かがやくゲッコウガ単騎+大量の水エネルギーのみの手札でスタート。後攻1ターン目の隠し札で水エネルギー2枚を引き、心の中で絶叫。2ターン目の隠し札でハイパーボールを引き込みも、ネオラントVのサイド落ちが重なり、パルキアVをやむなく持ってくる。その後のお相手のナンジャモから動き出すも、展開が遅れて負け。

8戦目:ロストギラティナ 先 勝
先攻からきちんと盤面を作り、順当に攻撃していき勝ち。

9戦目:ロストバレット(水超鋼) 後 負
山札にロストスイーパーがないことを確認せずに雪道を出してしまった結果、2ターン目に攻撃できずにズルズルと負け。
この試合だけは明確なプレイミスであり、反省点。

第6章 補足

この章では、前章までに書ききれなかったパオジアンデッキに関するマニアックな話と、四方山話を書いていきます。

(1)セグレイブとパルキアVSTARを両立する意義

「セグレイブでエネルギー加速を行えるなら、パルキアVSTARはなくても良いんじゃないか?」と言う方もいるかと思います。確かに、セグレイブが場にいればエネルギー加速には困りません。そのため、パルキアVSTARの代わりに、ルール持ちで強力な他のポケモンを採用したり、非ルールポケモンが主体の構築にしたりするのも面白いでしょう。ただ、パルキアVSTARを採用する明確なメリットがあります。それは、1ターン目と2ターン目のプレイングに余裕が生まれる点です。
セグレイブがベンチにいることを前提としたデッキは、1ターン目にセビエを2体置く必要がありますが、相手のかがやくゲッコウガや連撃ウーラオスを警戒するなら、追加でマナフィも置かなければいけません。さらに、2ターン目にセグレイブと不思議なアメに加えて、4〜5枚の水エネルギーを手札に抱える必要があります。その一方、パルキア採用型であれば、1ターン目はセビエとパルキアを1体ずつ並べるだけで構いません。月光手裏剣やキョダイレンゲキで2体同時に倒されることがないためです。また、2ターン目は、セグレイブ+不思議なアメのセットorパルキアVSTARのどちらかが揃えば良いため、欲しいカードを引く確率が単純に上がります。そうすると、必ずしも2ターン目にカイを使う必要はなく、博士の研究でも良くなるため、こちらも有効なサポートを引き込める確率が増えています。更に、水エネルギーは3枚までコストにできるので、必ずしも手札に抱えこむ必要はありません。
3ターン目以降も、スターポータル使用後のパルキアVSTARは、1枚エネルギーをつけてベンチに待機しているだけで、中打点・高耐久のアタッカーとして圧力をかけることができます。また、セビエ、セグレイブを囮にしつつ、パオジアンexに手貼りを続け、パルキアVSTARがエネルギーを温存しながら攻撃するという戦術も選択肢に入るようになります(対戦相手からすると、セグレイブとパルキアVSTARのどちらを攻撃するかの判断は難しく、プレイミスを誘発できます)。
従って、自身の展開ハードルを下げるだけでなく、毎ターン攻撃しながら自然と勝ち盤面を作りやすくなるため、セグレイブとパルキアVSTARを両立する意義はあると言えます。

(2)パオジアンデッキのいれかえ札に関する考察

前述の通り、1ターンに2回「戦慄く冷気」を使いたいことがあるため、パオジアンデッキにいれかえ札は1〜2枚は採用したいです。いれかえ札の選択肢としては、「ポケモンいれかえ」、「いれかえカート」、「あなぬけのヒモ」、「スケーターズパーク」、「ビーチコート」の5種類が挙げられますが、これらについて比較してみます。

ポケモンいれかえ
グッズのため、カイからサーチできる。
いれかえカートのようにたねポケモンに限定されたり、あなぬけのヒモのように倒したいバトルポケモンをベンチに下げてしまうこともないため、一番使いやすいいれかえ札。ダメージを受けたパルキアVSTARをベンチに逃しながら、付いているエネルギーをパオジアンexの「ヘイルブレード」のコストにできる点は魅力的。

いれかえカート
グッズのため、カイからサーチできる。
たねポケモンしかいれかえることができないが、HPを30回復する効果が強く、対ロスト系統に優れている。中盤・終盤に進化ポケモンをいれかえられない点はデメリットだが、事前にエネルギーの貼り先を調整したり、詰み盤面を形成することで対応はできる。

あなぬけのヒモ
グッズのため、カイからサーチできる。
相手のバトルポケモンをベンチに下げることができるポケモンいれかえ。基本的に、相手のアタッカーから倒していくパオジアンexにとって、バトル場にいるアタッカーを下げてしまう可能性はデメリットになるが、複数のポケモンを並べて戦うデッキタイプが相手の場合は、崩れたスタジアムやかがやくゲッコウガと併用することで、相手のベンチ枠を最大3枠圧迫することができる点はメリットになる。

ビーチコート
スタジアムのため、相手の雪道対策札となる。
たねポケモン限定で逃げるエネルギーを1減らすため、バトル場のポケモンがパオジアンex以外でスタートしても、エネルギーを消費せずに逃げることができる可能性が高い。また、パオジアンexも1枚のエネルギーで逃げることができるようになるため、「戦慄く冷気」をループしやすくなる。
相手の足回りも改善してしまうのが、欠点と言える。

スケーターズパーク
スタジアムのため、相手の雪道対策札となる。
セグレイブと組み合わせることで、実質常に逃げるエネルギーが0になる点は魅力的。また、相手のデッキからは利用されにくい点も良い。ただし、セグレイブが育っていないと効果を発揮し辛い欠点がある。

(3)パオジアングッドスタッフを使った理由

パオジアングッドスタッフは器用貧乏なデッキです。サーナイト系統やルギア系統のような強力なエネルギー加速はなく、フュージョンミュウのような強力なドロー力もありません。また、ロスト系統のような雪道耐性もなく、環境上はTier2以下のデッキと言えます。
それでもパオジアングッドスタッフを使ったのは、プレイング次第では器用貧乏から万能に昇華できる可能性があったためです。丁寧に盤面と山札を作り、手札を整えることで相手の妨害を越えて戦うことができます。
PJCSという日本一決める場には、堅実なプレイングを積み重ねることで、万能へと至ることができるデッキがふさわしい。そう思い、全身全霊でパオジアングッドスタッフと共に挑戦しました。

(4)四方山話

・練習仲間から、「自分で雪道を貼ったら困りませんか?」という質問に「相手が剥がしてくれます」と答えたら、納得しながら爆笑されたのは良い思い出。
・個人間に一番の発見は、ロスト対面でのネオラントを先出しするプレイング。エクストラレギュの黒馬ミラーで、先攻だった際にサイレントラボを警戒して先にカプ・テテフGXを出すプレイングから思いついたので、エクストラはやり得。
・PJCS2023環境において、初手にVIPパスを引けるかどうかは運なので祈るしかないが、相手の雪道ナンジャモには山札圧縮で対抗できる。なので、いつにも増してPlayingとPrayingが大切な環境だった。

(5)終わりに

パオジアンデッキは、やることは明確ですが、突き詰めていくと繊細なプレイングを要求される奥が深いデッキです。この記事を読んで、少しでもパオジアンデッキに興味を持って頂ければと思います。

最後になりますが、パオジアングッドスタッフの原案作成に協力頂いたB3さん、練習に付き合って頂いた皆様に改めて感謝致します。

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