白熱のアルカナ環境以降のレジバレットについて

こんばんは、Explorerです。
本日は、先日開催されたCL横浜2023の結果を踏まえた、レジバレットの今後について書いてみます。

※本文中のデッキ・カード画像については、ポケモンカードゲーム トレーナーズウェブサイト(https://www.pokemon-card.com/)から引用しています。
※質問や感想は、本noteにコメント下さい。

1.白熱のアルカナ環境で求められるもの

白熱のアルカナ環境(ソード・シールド〜白熱のアルカナ)は、VSTARポケモンを中心に、VMAX・V・非ルールポケモンも入り乱れる、混沌とした環境です。
このような環境においては、小回りが効くこと(適度なダメージを高速で出せる)と大火力を出せること(VSTARのHPラインである280~VMAXのHPラインである330)が求められます。

実際に、CL横浜2023のDay1におけるデッキ分布を見てみると、

・VSTARと非ルールが混ざったデッキ 35%(ギラティナ20%、パルキア15%)
 ※ギラティナの内、数%はVSTARポケモンが中心のデッキとしてカウントする必要があるかもしれません。
・非ルールポケモンが中心のデッキ 14%(ロストバレット9%、レジバレット5%)
・VMAXポケモンが中心のデッキ 9%(ミュウ9%)
・VSTARポケモンが中心のデッキ 9%(ヒスイゾロアーク9%)

と、VSTAR・VMAX・非ルールポケモンがまばらに存在していたことが分かります。

CL横浜2023の優勝デッキはロストギラティナでした。このデッキは小回りが効き(ウッウのおとぼけスピットで序盤から110ダメージを出せる)、大火力を出すこともできる(ギラティナVSTARのロストインパクトで280ダメージorスターレクイエムでの強制気絶)ため、白熱のアルカナ環境に適したデッキだと言えます。


2.従来型レジバレットの強みと弱み

次に、従来型のレジバレット(レジ系6体のみを採用したデッキ、トレーナーズやエネルギーについては問わない)の強みと弱みを整理します。

(1)レジバレットの強み

・適度なダメージ(100〜170程度)を、早い段階(1〜2ターン目)から出せる
・非ルールポケモンの中では、比較的耐久力がある(ウッウのおとぼけスピットを耐えられる)
・非ルールポケモンのため、相手が勝利条件を満たすために最低でも6~7ターンはかかる
・一度盤面が完成する(レジ6種が場に並ぶ+オーロラエネルギー2枚を含んだエネルギー3枚がトラッシュにある)と、継続して攻撃しやすい
・雷・水・闘・鋼タイプのレジポケモンがいるため、弱点を突ける範囲が広い
・VMAXポケモンに対して、レジギガスが大ダメージを与えることができる

(2)レジバレットの弱み

・初動の盤面形成(特にオーロラエネルギーを集めること)に時間がかかる場合があり、安定性にかける
・弱点を突けないと、ポケモンV・VSTARをワンパンできないため、ポケモンVSTAR相手にサイドレースを先行されると、追いつけない場合がある
・上記同様の理由で、回復系カードを使われると、サイドレースで追いつけなくなる場合がある
・インテレオンライン、かがやくゲッコウガ、ネオラントV、クロバットV等のシステムポケモンを、(基本的には)採用できないため、使用するトレーナーズを状況に応じて使い分けることが難しい。
・手軽に採用できる妨害カード(崩れたスタジアム、ロストシティ、セイボリー等)が環境に多く存在するため、相手の妨害を受けやすい

3.ロストギラティナやロストバレットの劣化版にならないために

第1章で述べたとおり、白熱のアルカナ環境では小回りが効くことと大火力を出すことが求められるます。しかしながら、以前と比較して、弱点を突くことができないVSTARポケモン(ギラティナVやノコッチを搭載したアルセウスV、ヒスイゾロアークV等)が環境に増えたため、大火力が出しづらくなっています。また、デッキタイプ自体の欠点として、初動の安定性に欠ける面があります。
そのため、従来型のレジバレットを使い続けても、ロスト系デッキの劣化版になってしまいます。これらの欠点は、放置しておくとそのまま拡がっていくだけですので、白熱のアルカナ以降の環境でもレジバレットが活躍していくためには、以下2つの課題を解決する必要があります。

(1)失われつつある大火力の補強
(2)初動の安定性を確保する

これらの課題に対するアプローチの例を書いてみます。

(1)失われつつある大火力の補強

弱点を突くことができなくなった以上、単純に高いダメージを出すことができるポケモンを採用する必要があります。

最も手軽なのは、ワザ「ドラゴンエナジー」で240ダメージを出すことができるレジドラゴの採用です。レジエレキのワザ「テラスパーク」の40ダメージと合わせて、280ダメージに到達することができます。ただし、環境に存在するデッキにはマナフィが採用されていることが多く、なかなか280に到達しづらいという欠点があります。


次に手軽なのは、かがやくリザードンの採用です。単体で250ダメージを出すことができるため、こだわりベルトと合わせて一撃で280ダメージに到達することができます。欠点としては、単体採用の場合は相手のサイドが2枚以下にならないと1エネでワザを打てないこと、特性ありきで動くため、頂きへの雪道との併用が難しいことが挙げられます。

最後に挙げるのは、ネジキ+高火力ワザを持った種ポケモンを採用することです。古代の叡智によって、常に3枚はエネルギーを供給できるため、ネジキを経由して、エネルギーが3~4枚必要だが、高火力を出すことができるポケモンを場に出すことができます。具体的には、アメイジング系統のポケモン(レシラム、イベルタル)等を採用します。欠点としては、そのターンのサポート使用権をネジキに回すことになるため、事前に手札を整えておく必要が生じることが挙げられます。


(2)初動の安定性を確保する

レジバレットの強みを最大限発揮するためには、序盤(1~2ターン目まで)に、
・レジ系6体を並べ
・オーロラエネルギー2枚を含んだエネルギー3枚を揃える
必要があります。

レジバレットにおいては、序盤に揃えるカードの枚数が多いため、通常のデッキと異なり、ドローサポートの枚数を増やすことがデッキの安定性を高めることにつながるとは限りません。(サポートでサポートを引いても、次のターンの安心材料にはなりますが、そのターンの動きを強くしてくれる訳ではない)
従って、個々人の回し方に合わせた最適なサポート・グッズ・スタジアムの配分を探す必要があります。

また、レジ系6体を並べることは比較的簡単に実現できますが、エネルギー(特にオーロラエネルギー)へのアプローチが問題です。最初期のレジバレットでバーネット博士が採用されていたように、レジバレットの歴史=オーロラエネルギー2枚へのアプローチの歴史と言っても過言ではありません。

デッキに4枚しかないオーロラエネルギーに対して、サポートでアプローチする(博士の研究による大量ドロー、バーネット博士によるサーチ等)、グッズ(エネくじやウッウロボ等)でアプローチする、あるいはタイプを持ったエネルギーを入れて当たりの母数を増やす等、様々な手段があるため、デッキ全体と相談しながら、取り組んでいく必要があります。

4.参考:Explorerが使用したレジバレットの紹介

最後に、筆者がCL横浜2023で使用したレジバレットを紹介します。ここまでの考察に基づき、序盤の安定性と火力を重視した構築になっていますので、参考までにご覧下さい。

CL横浜2023で使用したレジバレットwithネジキ

特徴的な採用カードについてのみ、解説します。

(1)イベルタル

VSTARポケモンをワンパンできるため、サイドレースを逆転させることができるカードです。ダメージではなく効果で気絶させるため、おおきなおまもりで耐久力を増やしたポケモンや、相手ポケモンからのワザのダメージを防ぐポケモン(そらをとぶピカチュウやコオリッポ等)でも問題なく倒すことができます。
また、イベルタルがトラッシュにある状態で、「オーロラエネルギー2枚+ツインエネルギー」、もしくは「オーロラエネルギー2枚+基本炎エネルギーorオーロラエネルギー3枚目」が付いたレジが場にいると、次のターンに手貼り+ネジキでイベルタルを起動できるため、相手はそのレジを倒さざるを得なくなります。これを利用すると相手に倒させるレジを強制することができ、ロストシティへの1つの対策となります。


(2)かがやくリザードン

レジバレットにおいて、極めて多くの役割を果たす強力なカードです。
・弱点をつけないポケモンVをワンパンする。
・こだわりベルト込みでVSTARをワンパンする。
・同じレジが2体以上ロストされても、最後のアタッカーとして働ける。
上記の理由から、現代のレジバレットにおいてはかがリザは必須カードだと考えています。また、イベルタルより軽い条件でワザを使えるため、中盤に無理なくネジキから出すこともできます。


(3)ネジキ

イベルタルやかがやくリザードンを出すだけではなく、同一のレジが並んでしまった場合やふつうのつりざおを消費した後のリカバリーにも使えるため、レジバレットでは複数の役割を持てるサポートです。一度盤面が完成するとサポ権が余ることも多いため、他のデッキと比較してもネジキを使いやすいです。
現状、レジバレットはネジキを最もうまく使えるデッキの1つだと考えています。


(4)ウッウロボ

CL横浜2022の時から採用しているカード。
どのような状況下でも50%の確率でオーロラエネルギーを引くことができる安定性や、エネルギー以外のカードにもアクセスできる可能性があることから、エネくじ枠で採用しています。また、序盤に手札で腐ってしまいやすい普通の釣り竿を消費できる点も評価しています。
入手しづらいことが欠点ですが、フュージョンデッキに流用できることも踏まえて、思い切って買ってしまっても損はないカードだと思います。(どこかのタイミングで再録されることを筆者は願っています)


(5)ポケストップ

1ターンに3枚もカードをめくることができる、レジバレットにとっては非常に有用なカード。グッズを大量投入する専用構築が求められますが、1ターンにグッズを大量利用したいレジバレットには無理なく導入できます。また、ポケストップでエネルギーがめくれた場合も実質当たりになるのも強みです。
山札のポケモンとサポートが少ない状態で使うことを意識すると、使いやすくなります。

ちなみに、ポケストップ型のレジバレットはエンペルトVに弱くなりますので、環境に注意して採用枚数を検討しましょう。


(6)基本炎エネルギー

レジドラゴ、かがやくリザードン、イベルタルの3体が共通して使用できるため、当たりの母数を増やすために採用したカード。
序盤は、レジドラゴの特性「竜の秘宝」を利用して展開していくことが多いため、序盤の安定性向上とネジキコンボの成功率上昇の2つの役割を持てるため、とても便利です。


今回の記事は以上です。
疑問・質問やご指摘がある方は、気軽に本記事のコメント欄にご記載下さい。

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