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クリスマスと割り箸

温暖な気候のクリスマスマーケットはどうもねぼけた感じで、南半球のクリスマスみたいな開き直った感もなくてなんとなく中途半端な感じがする。白い息も凍るようなマーケットで凍えた手でプラスチックのカップを持ってVin Chaudをちびちびと飲む感覚は味わえない。サングリアじゃないんだよお。このねぼけ感は装飾のライトに冷たい空気を突き刺すような鋭さがないからなんだろうか?暖かいから空気中の水分含量が高いので光が散乱するからシャープさがない?とかいろいろ考えながら犬と一緒に毎日マーケットを素通りする。クリスマス前に一度ぐらいなにか買おうかな。

大晦日でさえ紅白をみるわけでもなく7時に寝るようなうちだったので、家庭でのクリスマスの思い出は特にない。もしかすると近所の駄菓子屋でかったようなお菓子詰めのブーツを枕元においてくれた事が数回あったかもなあ、程度だ。

が、そんな私もクリスマスの思い出はある。

大学院時代は実験系の研究室だったのでクリスマスイブといえども装置を止めるわけにいかない実験をしてる学生が研究室にごろごろしていた。それに加えてクリスマスイブともなるとに「なにも予定がないけどアパートに一人でいたら寂しいじゃん」という学生が、用事もないのに実験室の横の学生部屋のこたつで(こたつがありました)寝っ転がって漫画を読んだりしていた。

ある時のクリスマスイブに誰かが「せっかくなんだからケーキでも食べないか」とかいいだす。「おおそうだよ、今日はクリスマスイブだよ」とまるで今思い出したかのように気分が高揚したところで、お金を集めて下級生が駅前のコンビニにケーキを買いにはしる。プラスチックの容器にはいった売れ残ったようなクリスマスケーキ数個とパックの安ワインとチキンとなぜかおでんを買って戻る。さあ食べようぜと紙皿の上にとり分けたがフォークがない、、、割り箸はある。こういう研究室にはカップ麺が常備してあるので、割り箸は不揃いに豊富にある。

ということで、みんなでクリスマスケーキを割り箸で黙々と食べました。

恋人と過ごすなどという日本クリスマス文化とも無関係に生きてきた私のクリスマスの思い出は「なんとなくすえた臭いの研究室でコタツにあたってみんなで割り箸でケーキをたべる」ぐらいかもしれない。宝物のような心温まる思い出です。

一緒に食べたみんなどうしてるかな。

追記
シュトレンでも買おうかなとトフとぶらぶらマーケットにいったら、なんと売ってなかった、、、ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家に粉砂糖をふりかけて赤と緑のリボンでくるんだようなフェスティブでクリスマスなお菓子がない。ま、もっと美味しいお菓子いっぱいあるからと思うが少し寂しかった。

追記2
あ、そうだ、絶望的に欠けているものはだった、、、