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都心水辺散策⑥:目黒川、天王洲運河

はじめに

都心の水辺を探して週末に散策しています.今回は,目黒川です.目黒川は世田谷区池尻を上流端とし、世田谷区、目黒区を流れ、途中で蛇崩川が合流し、品川区で東京湾に流れ出る二級河川(東京都が管理)とのことです.河口部は天王洲アイルまで続いています.

東京都内の河川(東京都建設局webページより引用)
目黒川流域(東京都建設局webページより引用)

過去の災害や河川の整備状況に関しては、東京都建設局のwebページにまとめられています.

お気に入りの水辺

まずは、いくつかのお気に入りの写真です。後半に、目黒大橋から河口までの河川沿いの写真を載せます。

目黒川の桜並木
船入調節池の目の前目黒川
五反田ふれあい水辺広場
目黒川水門
天王洲運河.水辺の交差点

散策開始

今回は、渋谷駅からレンタルサイクルを使い、目黒大橋に向かい、散策を始めました.

目黒大橋からの眺め.目黒川の様子

目黒川は、このように川底と両岸がコンクリートで覆われて、単調な見た目となっており、あまり好きではありません.しかし、そんな寂しい風景を一変させるのが、両岸にある桜並木.目黒区内の目黒川沿いは、ずっとこんな様子が続き、桜並木を楽しむことができます.3月末から4月頭にかけてはとても見ごろになるでしょう.

桜並木の記念碑

訪れた人が桜並木を楽しめるように、川沿いの道路は片側1車線の車道となっています.また、その車線もカクカクして、車がスピードを出せないようになっています.

目黒川沿いの道路(目黒大橋付近)

また、このように街中の高さは、河川の岸壁と同じくらいか、若干低くなっています.そのためか、警報の案内板が何枚も設置してありました.

案内板:目黒川水位警報のお知らせ

さて、そうこうすると、船入場(公園)に着きました.山手通り沿いに、ふっとこのような開放的な空間が現れます.河川を挟んで反対側には、目黒学院運動場があります.

目黒川船入場

また、この場所は、船入調節池でもあり、洪水流をここに留め、下流に流れる水量を遅らせ、下流の安全を守る施設となっています.そのため、川底には複数の巨石が洪水流を邪魔し、その抵抗によって水位が上昇し、調節池に水が溜まりやすくなっています.

船入調節池の様子
船入調節池の様子

船入調節池を過ぎると、川幅が少し広がります.中目黒公園や目黒区民センターを通り過ぎていきます.

目黒川の様子.中目黒公園付近


ここから品川区に入ります.まず、気になったことは、海抜の表示板が多数ありました.目黒区内では見当たらなかったので、高潮や津波への品川区の防災対応が伺えます.

海抜案内板

まもなく、市場橋に着きました.

市場橋

ここには荏原調節池があります.堰よりも水位が上がると、道路の地下に水が溢れたまるようになっています.

荏原調節池

さて、五反田駅に到着しました.駅前には、防災船着場がありました.大規模地震などの災害時に、舟運により緊急物資や人を水上輸送するために使われるようです.

五反田駅付近の防災船着場

また駅の反対側に進むと、五反田ふれあい水辺広場がありました.ここでは、水辺でくつろげるように椅子やテーブルが設置してあったり、子供用の公園や船着場、コンビニもあり、人々が集まれるようになっていました.防災施設を含む場所に、普段から地域住民が集まる状況となっており、このブログ“Enjoy @ Water Environment with BOUSAI”のコンセプトに合った場所となっています.

五反田ふれあい水辺広場
目黒川下流川から広場を眺める
広場にあるファミリーマート

品川区では、このような水辺スポットを作り、人々が水辺に集まれる場所を作っているのですね.目黒区では、河川の長い区間にわたって桜並木があり、沿川を散策するような街づくりされているので、二つの区によって、水辺の利用の仕方が異なって面白かったです.

御成橋の様子

また、品川区では、遊覧船などによる観光としての水辺利用も進んでいます.橋桁には、橋の名前や橋桁の高さプリントされています.通行した人・船が一目で場所が分かるようになっています.

さて、河口に近づいてきました.今、航空写真の左下にいます.正面にはアイル橋、右前方には東品川ミッフィー公園、左前方は天王洲運河を挟んで天王洲アイル地区があります.川沿いの快適な空気や潮の香りなど、心地よい場所でした.

目黒川河口と天王洲アイル地区の航空写真
アイル橋

また、目黒川河口には、高潮から地域を守るために防潮堤が建設されています.それでも、人々が水辺に近づけるようにと水門が設置され、水辺空間に高潮などの影響が出ないように運用されています.

目黒川水門と防潮堤

水門を裏から見るとこんな感じ.

目黒川水門の裏側

親水区間には多数のボートが停泊していました.

最後は、運河の交差点.右手前が天王洲アイル、正面奥は港南地区です.その間には、天王洲水門があり、複数の水門で地域全体を高潮から守っています.天王洲運河は、これらの間を結ぶように張り巡らされています.

運河の交差点

おわり

目黒川沿川では、目黒区内には桜並木があり、人々が散策できる空間が、品川区には浸水空間が点在するなど、区によって水辺の利用にバリエーションがあり、面白かったです.また、河川そのものに着目すると、コンクリートの3面張りの断面が延々と続きますが、調節池が合ったり、下水道幹線が合流するなど、水理学的に面白そうです.
 他の河川、たとえば神田川が流れる千代田区には歴史的遺構の案内板が多数ありましたが、品川区には海抜の看板が多数ありました.
 色々な河川の街を走ってきましたが、やっぱり水辺は空気が美味しいですね.今後もたくさん走っていきます.

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